松井 竜太郎 院長の独自取材記事
まつい歯科
(鹿児島市/加治屋町駅)
最終更新日:2025/10/07

下伊敷バス停から徒歩1分の場所にある「まつい歯科」は、現在の理事長である松井竜太郎先生の父の代から続く、地域に根差した歯科クリニックだ。「患者さんとのコミュニケーションを大切にし、長くお付き合いすることに貢献すること」を診療理念とする松井理事長は、大学病院に26年間勤務した豊富な経験と、日本口腔外科学会口腔外科専門医としての高い専門性を生かして診療にあたっている。一人ひとりに寄り添った治療を進める松井理事長は、他院では対応困難とされる難症例の紹介も積極的に受け入れている。年齢を重ねても学ぶ意欲を忘れることなく新しい技術の習得に取り組む松井理事長に、診療への思いや同院の設備について詳しく聞いた。
(取材日2025年9月10日)
歯科医師として大学病院で26年経験を積み、開業へ
松井先生が歯科医師を志した理由や、こちらの患者層を教えてください。

もともと、父がこの場所で40年ほど「松井歯科医院」を開いており、その影響が一番大きいと思います。幼い頃から父の背中を見て育ち、知らず知らずのうちに医療の道へ進みたいと思うようになりました。地元の鹿児島大学歯学部に進学し、卒業後は鹿児島大学大学院の口腔外科で26年間経験を積んで、父と同じ場所で開業しました。患者さんの年齢層は非常に幅広く、80歳以上の高齢者の方から下は2〜3歳のお子さんの検診まで、幅広い年代の方々が来院されています。中には父の代からの患者さんやそのお子さん、お孫さんもいらっしゃいます。ご高齢の患者さんも多いですから、開業する時に新築してバリアフリーにしました。外にスロープがあるのはもちろん、診察室には車いすのまま入ることができます。19時まで診察しているので、会社帰りの方からも通いやすいというお声をいただいていて、地域に密着した歯科クリニックになっていると感じています。
開業した今も、大学病院との連携を図っているそうですね。
そうですね。手術をした後に検診で毎回大学病院に通うのは距離的に大変という患者さんは、週単位で通うのは当院に、月単位で通うのは大学病院に、と使い分けもできます。他にも、私が大学病院時代に執刀した患者さんで、今は当院に通っている方もいますよ。また、私の専門は口腔外科ですので、上下の歯列のバランスを整える目的で親知らずの抜歯を行った後、歯並びについては矯正歯科に特化した歯科医師がいる他の医療機関にバトンタッチしています。大学病院や他の歯科クリニックとも連携することで、なるべく患者さんが通いやすく治療しやすい体制を整えています。
口腔内スキャナーやマイクロスコープも新たに導入されたと伺いました。

そうですね、患者さんの負担軽減を目的として、これらの機器を導入しました。従来の印象採取は口に材料を入れてお口を開けていただく必要があり、どうしても吐き気といった不快感がありました。口腔内スキャナーによってその負担を大幅に軽減でき、また歯科技工士との連携でCAD/CAMを活用することで、より精密な技工物を短期間で製作できるようになりました。既存の歯科用CTとの連携により、インプラント治療においても適切な補綴物の提供が可能です。マイクロスコープについては、肉眼では限界があった根管の細部まで見ることができ、歯石やプラークの取り残しの防止だけでなく、治癒期間の短縮や根尖性歯周炎の再発防止もめざせるようになりました。
丁寧なコミュニケーションと寄り添う姿勢
注力されているインプラント治療の特徴を教えてください。

インプラント治療は術前診断がとても大事です。そのために当院では歯科用CTを導入しており、さらに口腔内スキャナーとの連携もしています。歯科用CTと口腔スキャナーのデジタルデータをマッチングさせることで、より適切な診断と治療計画を立てられるようになりました。特に「サージカルガイド」というものを活用していて、これは歯科用CTデータと口腔スキャナーのデータを組み合わせて、適切な場所にインプラントを埋め込むためのガイドです。手術時間の大幅な短縮が可能になり、患者さんにとっても非常に楽になります。そして何より、余計な神経や血管を傷つけることなく安全に配慮した手術ができるというのが大きなメリットです。実際に、インプラント治療で特殊な技術が必要な症例を他院から紹介していただくことも多々あり、高度なケースにも対応させていただいています。
診療の際はどのようなことを意識されていますか?
まず、患者さんの話をよく聞くことが一番大切だと思っています。痛みを訴える患者さんがいらっしゃった場合は、お待ちいただいている方がいても何とか診察して、少しでも痛みを楽にして差し上げたいと考えています。お口は顔に近い部分の痛みですから、患者さんにとっては本当につらいものです。応急処置も含め、なるべく早く治療したいという思いがあります。また、大学病院に勤務していた頃は口腔がんの患者さんや、高血圧、糖尿病、脳梗塞などの全身に疾患を抱えている方がいらっしゃいました。口の中だけでなく全身の疾患を捉えて、医科の主治医と相談しながら治療を進める必要がありました。メディアの発達で情報があふれる中、正しい情報も間違った情報もありますが、そういった不安を抱える方々もいらっしゃるので、専門的に受け入れることも私の役割だと考えています。
紹介の患者さんも多くいらっしゃるそうですね。

ありがたいことに、他院からご紹介いただく患者さんや、患者さんからのご紹介で来院される方も本当に多くいらっしゃいます。また、当院では「インフォームドコンセント」、つまり患者さんへの丁寧な説明に力を入れています。例えば、親知らずの抜歯一つとっても、隣の歯と重なって虫歯や歯周病の原因となったり、歯並びに悪影響を与えていたりするなど、治療の目的はさまざまです。ほとんどの方が歯肉に埋まっている場合が多く、エックス線写真等を見ながらそれぞれの歯牙の状態、抜歯の術式の説明を行って、抜歯を行います。虫歯の治療では、削る場所を事前に確認していただいてから処置を行い、治療後も口の中の様子を実際にお見せしています。お口の中はご自身ではなかなか見ることができないので、治療中は鏡を使って見ていただきながら、「今日はこういう治療をしますね」と、その日の治療内容をゆっくりと説明しながら進めています。
知識や技術を常にアップデートし続ける姿勢
院内環境で工夫されていることはありますか?

待合室のモニターや、診療台それぞれに取りつけられているモニターに、歯科についての情報を流しています。これは私が開業するなら絶対にやりたいと思っていたことなんです。「デンタルIQ」と呼ばれているものですが、口と歯の健康や、治療に関する知識を患者さん自身にも高めてもらいたい、という思いから行っています。虫歯に関する基本的なQ&Aや、予防歯科についての情報など、イラストを使った映像で紹介しています。待合室に貼り紙もしていますが、映像のほうが気軽に見てもらいやすいですし、わかりやすいですからね。「待合室で見た映像でこんな治療があったけれど、できますか?」など、気になることがあれば気軽に質問してください。
休日はどのようにお過ごしですか?
水泳を20年ぐらい続けていて、今でも健康のために継続しています。一昨年は国際大会、その他、毎年鹿児島での大会にも参加しています。それを目標に練習をして、また仲間とのコミュニケーションを深めたりして、本当に充実した時間を過ごしています。やはり歯科医院での日常とはまったく違う環境で、さまざまな職業の方々と交流できるのが何より楽しくて、これからも続けていきたいと思っています。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

今後も新たな機器を導入し、不快感なくリラックスして治療を受けられる歯科医院をめざします。技術面では勉強会への参加を継続し、学ぶ意欲を持ち続けたいと思っています。経験があっても新しい発見がありますし、勉強会参加により新たな気づきを得ることが多いです。学んだことを患者さんに還元し、喜んでいただけることが何よりのやりがいです。また、良い環境に恵まれている当院を長く続け、次世代にも引き継いでいきたいと考えています。当院では私をはじめスタッフ全員が患者さんに寄り添い、優しい対応と丁寧な説明を心がけています。質の高い治療に向けて診療にあたっていますので、お口のことで心配なことがあればお気軽にお越しください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/32万円〜