難症例に対応してきた経験を生かし
矯正で機能美の実現をめざす
大坪歯科・矯正歯科医院
(宇都宮市/宇都宮駅)
最終更新日:2024/12/23
- 自由診療
歯並びを整え噛み合わせを改善へと導く歯列矯正。審美的な面が注目されがちな矯正だが、その大きな目的は「予防」だという。「矯正は機能の治療です」と話すのは「大坪歯科・矯正歯科医院」の井口隆人院長。東京大学医学部附属病院で、唇顎口蓋裂をはじめ、さまざまな顎や口腔の先天異常の治療に携わり、保険適応の矯正治療にも対応する矯正のエキスパートだ。同院においても、ワイヤーを用いた表側矯正と裏側矯正、マウスピース型装置を用いた矯正など幅広い矯正を提供している。期間の長さや通院回数、抜歯の可能性、費用や矯正方法など、矯正を始める前に知っておきたいことは多い。矯正において気になる点を井口院長に聞きながら、実際の診療の流れをレポートした。
(取材日2024年12月9日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qこちらではどのような矯正に対応しているのですか?
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A
当院では小児矯正から成人矯正まで幅広い矯正を行っています。成人矯正では表側からのワイヤー矯正(ブラケット矯正)をはじめ、裏側からのワイヤー矯正、マウスピース(アライナー)型装置を用いた矯正にも対応。ブラケットにはさまざまな種類がありますが、当院では大学病院で用いていた効率性を重視した矯正法を採用しています。ガラスと同じ屈折率の透明なプラスチックのブラケットで、歯の色を透過するため目立ちにくいことが大きな特徴です。また、当院では先天異常に対する保険適応の矯正治療にも対応しています。栃木県内には大学病院など保険適応の矯正治療に対応する医療機関が少ないため、地域の皆さんに還元したい診療の一つです。
- Qマウスピース型装置を用いた矯正についてはいかがでしょう?
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A
マウスピース型装置を用いた矯正は、必ずイレギュラーが起きるという前提で行っています。そのため、患者さんにはイレギュラーをリカバリーするためにはワイヤー矯正を併用する必要があるということを事前にご理解いただくようにしています。マウスピース型装置を用いた矯正で起こるイレギュラーは近年問題視されており、計画どおりに歯が動かないだけでなく、マウスピース型装置を作り直す程度ではリカバリーできない症例もあります。矯正の大本の目的は、噛む機能の改善にあります。不正咬合を放置すると、全身の健康にも悪影響を及ぼす歯周病や物が噛めなくなるリスクが高くなります。矯正は「機能美」の獲得を目的とした予防手段といえます。
- Qこちらのクリニックで成人矯正を受けることのメリットは?
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A
矯正だけを行うクリニックもありますが、当院は一般診療も行っているため、矯正中に虫歯が見つかれば治療を行うなど、歯科全体で捉えて考える診療が可能です。定期メンテナンスでは、毎回歯科衛生士がクリーニングに取り組み、虫歯がないかどうかを歯科医師だけでなく歯科衛生士の目でも確認。歯科医師以外の人間が介入し、患者さんの情報をきめ細かく救い上げることができるチーム医療は当院の強みでもあります。また当院では、都内の大学病院で難易度の高い多くの症例を診てきた私のこれまでの実績を生かし、審美性だけでなく、噛み合わせの改善をめざし、咬合の不調和によって発生するトラブルの予防につなげたいと考えています。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1初診相談とカウンセリング
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初診のカウンセリングでは、心配事や疑問をすべて聞いて矯正への不安を払拭する。矯正は期間が長く費用もかかるため、患者のモチベーションが大切。同院では矯正相談にも対応し、患者が気にしていることは何なのかを丁寧にすくい上げているという。気になる歯並びの原因が骨格のゆがみから来るものだとわかれば、保険が適用される外科治療に進むケースもあるという。歯列の悩みがあれば、まずは専門家の話を聞くことから始めよう。
- 2精密検査
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相談後はいったん持ち帰り、検査を希望する場合は精密検査を別日に設定。パノラマエックス線写真、3Dスキャナーを用いた歯型の採取、顔貌や口腔内の写真、頭部エックス線規格写真(セファログラム)、虫歯や歯周病の検査などを行う。必要があれば全身の写真、顎関節の検査のため歯科用CTやMRIを追加で撮影することも。検査にかかる時間は約30分~45分。現状を詳しく調べ、診断、矯正プランの立案へと進む。
- 3検査に基づく診断と矯正プランの説明
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検査から約1週間で分析と診断をもとに矯正プランを決定。あらためて来院し説明を受ける。まず、現在の歯がどのような状態であるのかが説明され、歯科医師が矯正プランを提案。期間や来院回数、費用、装置の種類や矯正法の違いについて解説しながら、患者一人ひとりのバックグラウンドを考えたいくつかの選択肢を提示してくれる。クリニック側の方針だけで進めることはなく、患者の意志や状況を尊重して矯正法を決めていく。
- 4矯正開始
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ワイヤー矯正であればブラケットとワイヤーを装着する日、マウスピース型装置を用いた矯正であれば装置製作までの期間を決める。また、横向きに生えた親知らずがあれば事前に抜歯することが望ましく、その日程も含めスケジュールを調整する。矯正中の虫歯や歯周病を予防するため、矯正装置の装着は歯磨きの練習とクリーニングをしてから行う。その時点で虫歯や歯周病があれば治療を優先する。矯正期間は2年~2年半が目安。
- 5定期メンテナンスとクリーニング
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矯正期間中は、ワイヤー矯正だと月に1回、マウスピース型装置を用いた矯正では2ヵ月に1回の頻度で来院し調整を行う。この時、必ず歯科衛生士によるクリーニングが行われる。クリニックにしかない特別な機材を使って行うのではなく、歯ブラシや歯間ブラシ、フロスなどを使用。自宅で日常的に使うものでも、しっかりきれいにできることを認識してもらうための取り組みだという。矯正終了後は約2年の保定期間に入る。
自由診療費用の目安
自由診療とは表側矯正/88万円~、裏側矯正(片顎)/110万円~、小児矯正/44万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/110万円~、初診相談料/2200円 ※症例により異なりますので、詳しくはクリニックへお問い合わせください。
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。