歯と全身の健康を守るために
歯周病の早期受診と正しいケア習慣を
もり歯科医院
(堺市北区/堺市駅)
最終更新日:2026/04/27
- 保険診療
歯茎の腫れや出血を「よくあること」と見過ごしてはいないだろうか。これらは歯周病の初期段階に見られる症状だが、気づかない内に、あるいは放置した末に悪化し、歯を失う原因になってしまうことも。日本では成人の8割が歯周病を患っているとされている。中高年に多いイメージもあるが、堺市「もり歯科医院」の森健太院長は「お子さんや若い人は大丈夫というわけではありません」と警報を鳴らす。歯周病は、細菌感染により歯茎や歯を支える骨に重大な損傷をもたらす厄介な病気。さらに、近年は全身の健康に悪影響を与えるとも指摘されている。しかし、予防・改善できる病気でもあると、適切な診療の重要性を強調する。長年、歯周病の診療に携わり、研究にも従事してきた森院長に、歯周病の仕組みや予防・改善のために大切なことを教えてもらった。
(取材日2026年4月2日)
目次
専門的な知識を持つ歯科衛生士が患者に合わせた医療を提供。歯周組織再生療法にも対応する
- Q歯周病とはどのような疾患ですか?
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A
▲歯周病の初期段階を放置するリスクを話す院長
歯周ポケットという歯と歯茎の間の溝に歯垢や歯石などの汚れがたまると、歯茎が炎症を起こして腫れる歯肉炎になります。これが歯周病の初期段階です。この状態を放置したり適切に対処されなかったりすると、症状は次第に悪化します。汚れに潜む歯周病菌の影響で歯茎が退化したり、歯槽骨と呼ばれる顎の骨の一部が溶かされたりと、ダメージが広範囲に及びます。私たちの歯は歯茎や歯槽骨によって支えられており、支えをなくした歯はグラグラして、最悪の場合抜けてしまうことも少なくありません。歯槽骨にまで影響が及ぶのは30代以降が多いのですが、歯肉炎は子どもでも見られ、若くても歯茎が腫れている方は多くいらっしゃいます。
- Q歯周病は全身の健康にも悪影響を与えると聞きました。
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A
▲模型を用いて患者にわかりやすい説明を心がけている
よく言われるのは糖尿病との関連性です。歯周病で歯茎が腫れるのは炎症が起きているせいです。こうした状態が慢性的に続くと、血糖値を下げるインスリンの働きが阻害され、糖尿病の発症や悪化につながってしまいます。糖尿病で高血糖状態の方は炎症が起こりやすく、歯周病の悪化にもつながってしまうという悪循環に陥るケースも珍しくありません。さらに肥満や内臓脂肪が多いなど、いわゆるメタボリックシンドロームの条件が重なってくると、炎症性の物質が作られやすくなるため、全身の血管や臓器にもダメージが及んでしまいます。動脈硬化が進んで、脳卒中や心筋梗塞などのリスクも高くなり、免疫機能にも悪影響を与えるため、油断は禁物です。
- Q受診の目安を教えてください。
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A
▲歯磨きの時の出血や歯茎の腫れがあれば受診を勧めている
一番わかりやすいのは、歯磨きの際の出血です。歯肉炎の代表的な症状でもあり、この段階で歯科を受診していただきたいのですが、「大したことない」と考えるのか放置してしまう人が多いですね。最初は出血の量も少ないし、ケガによる出血や血尿のように驚くことが少ないからかもしれません。出血は次第に増えていく傾向にありますが、毎日のことなので慣れてしまったという方も多いですね。一方、歯茎の腫れにも注意が必要です。例えば右下の奥歯の歯茎が腫れていると感じたら、すぐに歯科医院を受診してください。自覚症状は右下の奥歯の歯茎の腫れですが、既に他の歯の歯茎も腫れているというケースが少なくないからです。
- Q予防や症状の改善のためには日頃のお手入れも大事ですね。
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A
▲歯磨きをはじめとした毎日のセルフケアが大切
毎日のセルフケアはとても大切です。歯茎の出血がある患者さんは、怖いからと歯磨きをためらいがちですが、汚れがたまって歯茎が腫れ、腫れた部分から出血しています。汚れを取らないと腫れや出血も改善しないので、当院では痛くない限りはしっかり磨くようにお願いしています。歯磨きの頻度は毎食後が理想ですが、お仕事の都合などで昼食後が難しい場合は朝と就寝前の2回。特に就寝中は唾液の分泌が減って、歯周病菌が増殖しやすいので、寝る前は丁寧に磨いてください。ブラッシングに加えて歯間のお掃除も大切で、歯と歯の間が広めの方にはサイズの合った歯間ブラシ、狭くて歯間ブラシが入らない方にはデンタルフロスをお勧めしています。
- Qこちらの歯周病治療の特徴を教えてください。
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A
▲患者一人ひとりに合わせた歯磨きのアドバイスを行っている
定期検診の頻度は、お口の状態はもちろん清掃度合いなどに合わせて個々に設定しています。きちんと磨いているつもりでも、歯並びの関係などで、どうしても磨き残しが発生しやすい方もいるからです。当院には、歯周病の専門的な知識を持つ歯科衛生士が在籍しており、検診の際は、患者さんに合わせた磨き方、歯ブラシや歯間ブラシの選び方、使い方などをアドバイスします。ダラダラ食いや酸蝕歯など、お口の健康に悪影響を与える食習慣についても、注意を促したり、対策を提示したりできるのが強みです。また、重度の患者さんには、歯周病により傷ついた歯茎や歯槽骨などの回復・再生を促すために、歯周組織再生剤による治療も提供しています。

