全国のドクター9,208人の想いを取材
クリニック・病院 159,001件の情報を掲載(2024年3月19日現在)

  1. TOP
  2. 大阪府
  3. 堺市北区
  4. 堺市駅
  5. もり歯科医院
  6. 森 健太 院長

森 健太 院長の独自取材記事

もり歯科医院

(堺市北区/堺市駅)

最終更新日:2023/06/14

森健太院長 もり歯科医院 main

阪和線の堺市駅から徒歩8分。静かな住宅街を歩くと見えてくる白い洋館が「もり歯科医院」。れんがを敷き詰めたエントランスを抜け、ガラス張りの扉を開けた先に受付があり、まるで知り合いの家を訪問したような気持ちになる。「前院長から建物ごと引き継いだので、昔からこの雰囲気です」と笑顔で語る森健太院長。大阪大学歯学部時代は研究にいそしみ「細胞と戯れていた」そうだが、今も付き合いがあるという先代の院長から、患者もスタッフも継承して2018年春に開業。親しみやすいキャラクターとしっかりとした説明、治療で地域の歯科医療を支えている。そんな森院長に専門である歯周病治療のことや治療のモットー、力を入れている訪問診療についてじっくりと話を聞いた。

(取材日2023年5月11日)

くつろいで治療が受けられるアットホームな歯科医院

先生のご経歴から教えてください。

森健太院長 もり歯科医院1

私の生まれは大阪の池田市です。自宅から近いこともあって、当時、北摂にあった大阪大学の歯学部に入り、その後、大阪大学大学院に進学。歯学研究科で歯周病について学び、博士号を取得しました。その後は、大阪大学歯学部附属病院で歯科医師として勤務をしたほか、研究職としていろいろな研究に携わっていた時期もあります。2016年に縁があって、この場所にあった「すぎもと歯科」に勤めることに。先代院長である、杉本先生と2年ほどともに働いた後、建物と地域の患者さんを引き継ぐかたちで新たに当院を開業いたしました。先代の杉本先生は、個性豊かで、とても地域の方々に愛されていましたので、私もその精神を引き継ぎ、丁寧な治療はもちろんのこと、地域の方から人として信頼される歯科医師になるべく、精進しています。

すてきな建物ですね。院内もくつろげる雰囲気です。

これはすべて先代の杉本先生のアイデアです。雰囲気がおうちみたいでしょう? 私も最初に来た時、外観は真っ白で天井が吹き抜けになっていて、広々していたのに驚きました。患者さんも圧迫感を感じることなく、治療を受けることができるようです。入った右手にある待合室も、まるで居間のような雰囲気。杉本先生のお考えとしては、歯科クリニックではあっても、自宅のようにくつろげるアットホームな場所にしたかったようです。私が開業するにあたり、壁紙を張り替えたりはしましたが、空間の雰囲気はそのままにして、昔からの患者さんも来やすいようにしています。

患者さんの層、主訴はどんなケースが多いですか?

森健太院長 もり歯科医院2

幼児から高齢者まで患者層は幅広いですね。歯茎が腫れた、詰め物が取れた、歯が痛い、顎が痛いなど、さまざまな不調を訴え来院されます。実際の治療の流れとしては、例えば新規で来院される患者さんに対しては、カウンセリングルームで主訴や既往歴などをお聞きしてから、歯科用CTや口腔内カメラなどを使って、口腔内の状態を撮影し、診療台で歯の状態を確認。その後、写真を一緒にご確認いただきながら現在の症状について丁寧に説明し、治療方法を提案するという流れになります。

大学病院では歯周組織再生剤の研究開発にも従事

ご専門の歯周病治療について伺います。

森健太院長 もり歯科医院3

歯周病は細菌の感染によって引き起こされる、歯茎が炎症を起こして腫れたり、出血したりして、最終的には歯を支える骨が溶ける病気です。歯周病はさまざまな全身の病気と関係していて、放っておくと肺炎や血管障害などを引き起こす一因となり得ることがわかってきました。また、歯周病で破壊されてしまった骨はなかなか元には戻らないため、進行してしまうと歯を抜かざるを得なかったのです。しかし、医療の世界は日々進歩していて、最近では歯周組織再生療法も行えるようになりました。これまでは、歯周病治療はプラークや歯石の除去を行う歯周基本治療と歯周外科治療が中心でしたが、この新しい治療法では、薬を歯槽骨の欠損部に塗ると、歯周病で破壊された歯周組織の再生を促進することが期待できます。

歯周組織再生療法に用いる薬剤の開発にも、携わっておられたそうですね。

はい。開発に20年もかかったという薬なのです。大阪大学歯学研究科口腔治療・歯周科のチームにいた時に、私もその研究に医局のメンバーとして7年間携わっていました。臨床家として新薬の開発に寄与し、それが実用に結びつくというのはとてもうれしいことです。この薬剤の主成分は人の体の中に存在し、細胞の増殖や分化の調整を行うたんぱく質です。これにより破壊された骨や、歯と骨をつなぐ歯根膜の再生を図っていくのです。保険適用の薬でもありますし、患者さんにとってもメリットが大きいと思います。ただし「夢の万能薬」ではありませんから、きちんとした検査と治療を受けていただいた後、適応できるかどうかを判断してからでないと施術はできません。そこは患者さんにもご理解いただくように努めています。歯周病はきちんとしたメンテナンスがされていないと、再発する可能性が高い病気ですので、当院ではブラッシング指導にも力を入れています。

治療におけるモットーを教えていただけますか?

森健太院長 もり歯科医院4

治療方法や使う素材によって自費と保険の区分けがありますが、私は、保険診療であろうと自費診療であろうと、全力を尽くすことをいつも心がけています。まず治療方法や素材のメリット、デメリットをフラットに、淡々と説明して、もし患者さんが迷われるような状況だったら「私ならこっちを選びます」とアドバイスします。口腔内の状態に大きな問題がなく「仕事で、人前で話すことが多いから、見た目が気になる」という人でしたら、セラミックなどの自費治療を選ばれることに賛成しますし、反対に、虫歯が多くて口腔内が崩壊しかけている人には、まずは虫歯の治療を優先して、「審美的な治療はその後にしませんか」とお伝えします。また、患者さんに使うべき材料があるのに、それを保険外だから使わない、という感覚も私にはありません。報酬やコストにとらわれることなく、全力で治療に取り組みたいといつも思っています。

訪問診療にも注力し、地域の患者に尽くしていく

訪問診療も対応してくださるそうですね。

森健太院長 もり歯科医院5

これまで定期的に歯科医院に通っていたのに、病気やケガで通院が困難になる方もおられます。そんな方のために、ご自宅や施設で治療を受けてもらえるよう訪問診療を行っています。病気の影響で歯をなくしてしまった方には入れ歯を作製したり、口腔清掃や入れ歯の定期的な手入れを行ったりしています。口の中をきれいに保つことで、誤嚥性肺炎のリスクを減らせるともいわれますので、治療はもちろん、口腔の衛生管理にも目を配り、健康に長生きするためのお手伝いをしていきたいですね。それを通じて、社会全体に貢献できればと思っています。通院が困難な方、寝たきりの方、ご自宅や施設で介護を受けていらっしゃるご家族のお口の中が気になるなど、気になることがあればいつでもご相談いただけるとうれしいですね。

スタッフさんとの連携についてはいかがですか?

訪問診療にも同行してもらっていますし、当院のブログも、気づいたことがあれば自発的に書いてくれています。先日は、妊娠中のお母さんの口腔内に関することや、赤ちゃんの歯について書いてくれていました。前院長の時代から勤めているスタッフもいますし、お子さんを産んで戻って来てくれるスタッフもいて、それぞれの目線で、気づいたことを患者さんにフィードバックしながら働いてくれるので、小さなお子さんや妊娠前後のお母さんも心強いのではないかなあと思います。仕事も大事ですがプライベートも大切にしながら、明るく元気に働いてもらえたら良いと思っています。スタッフが働きやすい環境を整えてあげるのも私の役目の一つです。

今後の展望と読者へメッセージをお願いします。

森健太院長 もり歯科医院6

どんな人にとっても、歯科医院という場所はできれば行きたくない場所でしょう。しかし、来院された以上は必ず満足してもらい、次にまた来やすい雰囲気をつくるようにする、それが今の私の務めだと考えています。待合室に掲げたホワイトボードに歯科とは関係のないクイズを出題しているのも、ちょっと楽しい気持ちになってもらえたらなあ、という試みの一つです。今後は、新しい機器を導入するなど院内の効率化を図り、さらに患者さんが来院しやすい環境を整えていきたいと思っています。社会の高齢化に合わせて、訪問治療にも注力しながら、より一層、治療に尽力することをお約束します。先代の杉本先生の思いが詰まったこのクリニックを、そして受け継いだこの地域の患者さんを大切に守っていきたいですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

セラミックのかぶせ物/9万9000円

Access