中嶋 啓 院長の独自取材記事
中嶋内科
(熊本市北区/西里駅)
最終更新日:2026/08/20
創業は1924年。熊本市北区硯川町の緑豊かなエリアにある「中嶋内科」は、100年以上にわたり地域住民のかかりつけ医として親しまれてきた。2026年1月からは中嶋啓先生が4代目院長に就任し、同時に建物をリニューアル。新たに先進の検査機器なども導入し、より幅広い診療ニーズに応えられるようになった。医師になってしばらく熊本県内外の病院で研鑽を積んできたという中嶋院長は、「帰ってきた時には『啓ちゃん戻ってきたね』と昔なじみの患者さんに声をかけてもらったんですよ」と笑う。「これからも地域の皆さまの健康を守って頼りにしてもらえる医院でありたい」と話す院長に、診療へかける想いや専門である呼吸器内科の診療について詳しく聞いた。
(取材日2026年6月22日)
地域のかかりつけ医院として診療を続け100年
院長就任までの経緯と、これまでのご経験についてお聞かせください。

医学部を卒業後、熊本大学病院の呼吸器内科へ入局。1年間は大学病院で呼吸器の研究に従事し、その後熊本中央病院、宮崎県立延岡病院、熊本再春医療センターなどで研鑽を積んできました。そして再び熊本大学病院へ戻り、嶋田病院にて呼吸器内科長を務めた後、父である3代目院長より当院を継承しました。勤務医として診療していた頃は、専門である呼吸器内科だけでなく、小児科から救急までさまざまな患者さんに対応したこともありました。特に宮崎にいた頃は、大きい病院が地域に限られた状況だったので、大事故が発生して一度に10台の救急車で患者さんが運ばれてきたり、林業の作業中に重傷を負った患者さんを診たりと、滅多にない経験をしました。そのような経験から医師として貴重な勉強をさせていただき、満を持して当院を継承した次第です。
生まれ育った地域で診療していくということで、いろいろな想いがあると思います。
そうですね。父の代から通ってくださっている患者さんは同級生の親御さんだったりもするので、まったく知らない方よりも僕が幼い頃からよく知ってくださっている方のほうが多いような状況です(笑)。それだけ長い間かかりつけにしてくださっている方々の健康を預かるわけですから、身の引き締まる想いです。このエリアは農業が盛んなので、患者さんは近くにお住まいの農家の方が多いんですよ。一方、少し前に熊本西環状道路が医院の近くまで開通したので、宇土市などの遠方から足を運んでくださる方も増えました。また近隣の大学に通う学生さんが、アレルギーの相談などで来られるケースもあります。そのため、継承するにあたって検査機器などを新しくしてより幅広い診療に対応できるようにしました。
どのような設備を導入されたのですか?

エックス線検査機器が古くなっていたので先進のシステムに交換し、超音波検査機器やコードレスの心電図測定器なども導入しました。また、生活習慣病などで体重コントロールをされている患者さんのために、筋肉量や体脂肪量、体水分量を精密に測定できる機械も取り入れています。院内は、老朽化した外観や内装をリフォームして明るく過ごしやすい雰囲気に。元は入院施設まで備えていた大きな建物なので、各空間にゆとりがあってゆったりとお過ごしいただけると思います。実は3階部分はまだ昔の病棟がそのまま残っていて、これからどのように活用していこうか思案中です。診療は僕がメインで行っていますが、父も引き続き水曜と金曜に診療しています。
咳の症状や睡眠時無呼吸症候群の治療に注力
内科全般に対応されているとのことですが、特に注力されている治療はありますか?

僕は呼吸器内科を専門としているので、咳の症状でお困りの患者さんを多く診ていますね。咳の原因としては呼吸器疾患の他にアレルギー、副鼻腔炎、逆流性食道炎などさまざまな要因が考えられますから、すべての可能性を考えて診察し、最終的には症状を安定させることをめざして力を注いでいます。それから、睡眠時無呼吸症候群の早期発見・治療もとても大切だと考えています。睡眠時無呼吸症候群は寝ている間に起こるため、本人に自覚がないことも少なくありません。しかし放置すると他の病気のリスクまで高まってしまう怖い病気なのです。この疾患があると認知機能が低下する恐れもあることがわかっているため、放置せず早めにご相談いただきたいです。
診療の際に心がけていることは何でしょう?
薬を出したり、注射を打ったりする際には、これがどういう薬でどのような効果を狙っているのか、きちんと患者さんに説明することを重視しています。例えば咳止め薬一つ取っても、咳そのものを止めるための薬、痰の量を少なくするための薬、痰の切れを良くするための薬、痰の濃度を薄めるための薬など、その作用はさまざまです。どんな作用があるのかを患者さんご自身が把握していないと、飲むのを自己判断でやめてしまったり、あらぬ副作用を疑ったりすることにつながりかねません。そのためきちんと説明することがたいへん重要だと考えています。飲む理由がわかれば、有用性を実感していただきやすいですから。薬代がかかる分、そのメリットを最大限に受けていただきたいという想いでお話ししています。
日々のスキルアップも欠かさないそうですね。

僕自身は可能な限り多くの勉強会に出席し、出張が難しい場合はオンラインの会議も利用して先進の診療技術を習得するように心がけています。日本内科学会総合内科専門医、日本呼吸器学会呼吸器専門医の資格を持っている他、抗加齢について専門的知識を身につけ、エイジングケアや予防医学の勉強にも力を入れています。また、医薬品の情報を扱うMRの方が新薬の説明に来られる際には、スタッフ全員に参加してもらって知識を高めるようにしていますね。というのも、当院は医療機関の少ないエリアにあるので、僕たちがしっかりと地域の皆さまの健康を守らなければと思っているからです。病気になってからの治療だけでなく、予防という観点からも皆さまを支えていきたいと考えています。
新たな医療ニーズにも応え地域を支え続ける
院長はなぜ、医療の道へ進もうと思われたのですか?

代々続く医師の家系に生まれたわけですが、意外にも両親は「医師になれ」とは言わなかったので、子どもの頃はそんなに「医院を継がなければ」と考えたことはなかったんですよ。ですが父母ともに医師で、親戚も医師ばかりの家で育ったため、将来自分が働く姿をイメージしようと思ったときに、浮かぶのは医師の姿だけだったんです。それで、自然な流れで医学部に進学しました。振り返ってみれば、医療に関わることは非常にやりがいのある仕事なので、選んで本当に良かったです。医師にも医学の研究を行う研究医と、患者さんと直接向き合う臨床医がありますが、私にはやっぱり臨床のほうが向いていたと思っています。目の前にいる患者さんが、どういうことにお困りなのか、どんな治療が適しているか、どうしたら元気になってくれるかを考えることに力を注ぎたかったんです。それがかなって、今が一番やりがいを感じています。
お忙しい日々かと思いますが、休日は何を?
子どもが3人いるので、休みの日は子どもたちとの時間を大切にしています。うちの子はみんな虫取りが大好きなので、公園に連れて行くと喜んでくれるんですよ。今どきの子どもにしては珍しいかもしれませんが、そのおかげで学校の授業で昆虫を捕まえたりするときには大活躍しているようです(笑)。それから、僕は昔からマラソンが好きなので余裕ができたらランニングを再開したいなと考えています。
これからの展望や、読者へのメッセージをお願いします。

通院が困難になった方に対しては訪問診療を、若い人に対してはオンライン診療を行うなどして、地域のさまざまなニーズに対応していきたいですね。オンライン診療については安易に薬を出すつもりはなく、途中で血液検査などを行い、副作用が出ていないかを確認しながら行っていきたいと考えています。当院はこれからも引き続き、皆さまの健康を守り、地域医療を支えられる医院をめざしていきます。内科疾患であれば何でも広く診ていますので、「ちょっとおなかが痛い」といったときでもお気軽にご相談ください。

