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西園 久慧 院長の独自取材記事

西園内科クリニック

(飯塚市/飯塚駅)

最終更新日:2024/06/03

西園久慧院長 西園内科クリニック main

福北ゆたか線の飯塚駅から車で約10分。閑静な住宅街の中にある「西園内科クリニック」は、長年内科のクリニックとして地域に根づいた診療を行ってきた。院長を務める西園久慧(にしぞの・きゅうけい)先生は、飯塚病院や頴田病院で多くの経験を積んできたドクター。優しく穏やかな人柄で、生まれ育った飯塚に貢献したいと、前院長である父から同院を引き継いだ。内科や小児科に加えて精神科でも経験を重ねており、飯塚エリアで増加している認知症や、心の病に関する相談にも対応していく方針だ。「子どもから高齢者まで、さまざまな患者さんの悩みに向き合い、地域の健康増進に寄与していきたい」と語る西園院長に、診療内容や地域に対する想いを聞いた。

(取材日2024年5月8日)

地域の課題に目を向け、精神科の医師として研鑽を積む

2024年4月に、お父さまからクリニックを引き継がれたのですね。

西園久慧院長 西園内科クリニック1

当クリニックは1994年に父が開業しました。私がちょうど小学生の時です。当時は働く父の姿を、子どもながらに「忙しそうだな」と眺めていました。患者さんの中にはその頃から通ってくださっている方もいて、私が院長に就任したことを知って、「あの走り回っていた坊やが!?」と驚かれていましたね。子どもの頃からクリニックはとても身近な場所でした。記憶はほとんどないものの、祖父も医師だったので、自分が医師をめざすようになったのは自然な流れだったのだと思います。

院長に就任されるまでの経歴を教えてください。

大学を卒業してから飯塚病院に、その後は総合診療の専門プログラムに参加しました。「循環器内科の次は腎臓内科」といったように数ヵ月ごとに診療科をローテションし、先進の知識を身につけながら、提携する頴田病院で外来診療を担当します。ちょうどこの頃から、徐々に「地域医療に取り組みたい」という思いが芽生え始めました。何だかんだいって、生まれ育った飯塚が好きなんです。病院とクリニックの違いを知っておこうと考え、福岡県小郡市のまどかファミリークリニックにも勤務していました。

精神科に勤務された経験があるとお聞きしました。

西園久慧院長 西園内科クリニック2

そうなんです。以前、飯塚という地域でどのような医療が求められているのかを知るために、ビジネススクールに通っていた時期があります。学ぶ中で、認知症や心の病に悩む人からの相談が年々増えていると知ったのです。また、現在の飯塚では子どもの発達障害を診ることのできるクリニックが少ないため、今後必要になっていくかもしれないとも考え、当クリニックに戻ってくる前に精神科の医師として学び直すことを決めました。実際に継承してみると周辺に住む高齢の患者さんの割合が高く、精神科領域での診療にこれから役立てていけると確信しています。

風邪から認知症まで全世代診られるクリニックをめざす

クリニックを継承されてから、変化した部分はありますか?

西園久慧院長 西園内科クリニック3

新たに小児科と精神科領域の疾患に対応できるようになり、診療内容の幅が広がったことですね。現在キッズスペースの用意を進めています。他に認知症を診断するにあたってCTも導入しました。また、内科と精神科の疾患に対応しているため、病気や症状に対してさまざまな角度からアプローチしています。例えば不眠症はストレスではなく、心臓の病気や頻尿など内臓の疾患が関わっていることがあるんです。そのため当院では内科と精神科、双方の視点から症状の原因を探り、適切な治療や薬を提案します。精神科の薬の調整も得意です。当クリニックには高血圧症や糖尿病といった生活習慣病の治療で定期通院されている方も多いため、薬の処方には特に配慮しながら診療していくつもりです。

今後、力を入れたい治療について教えてください。

1つ目は、認知症の早期発見です。この地域は核家族率が高く、一人暮らしの方ですとなかなか自分の変化に気づくのは難しいかもしれません。年末年始や長期休暇などの機会に、高齢のご家族に対して「あれ、もしかして……?」と思うことがありましたら、小さな違和感でも構いませんのでご相談ください。そしてもう1つが、子どもの体調不良への対応です。子どもは「地域の未来」でもありますから、大切に守っていかなくてはなりません。私自身、子を持つ親として急な発熱やけがなど、さまざまなトラブルに直面してきました。親御さんの不安や疑問に寄り添いながら、地域の子どもたちの成長を一緒に見守っていきたいと思います。

精神科を標榜していないのはなぜでしょうか?

西園久慧院長 西園内科クリニック4

患者さんの中には「精神科」という言葉そのものに深刻なイメージを持ち、来院に抵抗を感じる方もいらっしゃいます。特に認知症の方は自分の変化を自覚できていないことが多いため、医療機関に行くことを嫌がる傾向があります。でも、普段通っている内科で「ついでに検査してみましょう」と言われれば、そこまで嫌な気持ちになる方はいないのではないでしょうか。そのため、精神科領域を診療していることを大きくアピールすることはあえてしていません。近いうちに少しマイルドな表現でお伝えしていく予定です。認知症や心のケアが必要な人たちが、足を運びやすい雰囲気づくりを意識しています。

患者の幸せを願い、ニーズに対し柔軟に応えていく

診療において大切にしていることをお聞かせください。

西園久慧院長 西園内科クリニック5

その人が幸せになる環境をつくってあげることですね。そのためにも、患者さんの話をしっかりと聞くようにしています。患者さん一人ひとりにいろいろなご病気の経験があるので、それをないがしろにしてはいけないと思っています。病気についてわかりやすく解説した資料や、食事面でのアドバイスのためにレシピサイトを紹介するなど、さまざまな物の力も借りながら、患者さんが安心できるお付き合いのしかたを見つけていけるよう、心がけています。

地域にとって、どのようなクリニックでありたいですか?

院長として働き始めたばかりの今、診療を通して皆さんが何を必要としているのかを探っている状態です。今後、必要であれば精神科の医師としての訪問診療や、夜間の小児科救急に対応するなど、私にできることに取り組んでいきたいと考えています。総合病院での検査や治療が必要な場合にも、頴田病院や飯塚記念病院などと連携していますので、スムーズな紹介が可能です。皆さんが困った際の最初の窓口として、質の高い医療を提供できるクリニックをめざします。

最後に、読者の方や地域の皆さんへメッセージをお願いします。

西園久慧院長 西園内科クリニック6

患者さんには、楽しく幸福に過ごしてもらいたいという願いがあります。微力かもしれませんが、私たちにできることであれば何でも協力したいと思います。診療内容に新たに小児科と精神科領域も加え、より広い視野と知識から、診療や治療法の提案ができるようになりました。女性の患者さんで、男性の医師より女性同士の方が話しやすい場合には、詳細を女性看護師に伝えていただいても結構です。発熱や腹痛といった体調不良をはじめ、健康について気になることがあれば、いつでもご相談ください。認知症や心の病のことも、あまり気負わずに「いつもの先生にちょっと話を聞いてもらおう」というくらいの気持ちで、気軽に相談していただければうれしいです。

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