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藤 伸裕 院長の独自取材記事

藤産婦人科医院

(糟屋郡篠栗町/篠栗駅)

最終更新日:2025/01/29

藤伸裕院長 藤産婦人科医院 main

「つらい症状からの解放をめざし、快適な生活、そして将来の健康を守ってほしい」。優しいまなざしでそう語るのは「藤産婦人科医院」の藤伸裕院長だ。同院は1965年に先代である院長の父が開業し、1997年に藤院長が継承。約半世紀にわたってたくさんの命を取り上げてきたが、さまざまな環境の変化などにより2024年3月末をもって分娩は休止、産科では妊婦健診に注力することとなった。院長がさらに取り組みを強めたいと語るのは、すべての女性の健康な生活に向けたアプローチだ。月経に伴うつらい症状や更年期障害の治療、子宮頸がんワクチンの普及などに尽力している。笑顔を絶やさず常に話しやすい雰囲気をまとう藤院長に、診療への想いや、産婦人科の医師としての包括的な社会活動について語ってもらった。

(取材日2024年3月4日)

幅広い診療に対応し、女性の生活をサポート

特に力を入れている診療は何ですか?

藤伸裕院長 藤産婦人科医院1

最近は月経随伴症状に悩む患者さんが多い印象で、当院もその診療に力を入れています。月経随伴症状は、月経前や月経中に下腹部痛や頭痛などが起きる身体症状、イライラや情緒不安定といった精神症状、人につらくあたってしまうような社会的症状などの総称を指します。症状が起こる時期によって「月経前症候群(PMS)」「月経困難症」と呼ばれ、全女性の50~80%が経験するといわれています。こういった症状を我慢する方がとても多い印象ですが、我慢する必要はありません。月経困難症はピルなどの服用により症状の改善や悪化の防止などが期待できます。毎回寝込んでしまったり、痛み止めの薬を服用しなければならなかったりするなど、日常生活に支障を来すほどの症状があれば、一人で悩まずに婦人科を受診してほしいですね。

月経随伴症状の原因は何でしょうか?

まだ明確にはわかっていませんが、月経における女性ホルモンの物理的な変動が大きく関わっていると考えられています。ただ脳内ホルモンや神経伝達物質はストレスの影響もかなり受けるので、この変動についても複雑な要因が絡み合っているようです。少産化や晩産化といった女性のライフスタイルの変化でも顕著になった、いわゆる「現代病」の一種だともいえますね。放っておくと子宮内膜症など重大な病気につながるリスクもあります。当院は診察台に上がるのが苦手な患者さんにも配慮して、腹部の超音波検査も可能です。ピルの他にも漢方薬といった治療の選択肢もありますから、ご自身に合う治療の方法を一緒に考えていきましょう。

婦人科系のがん検診や病気の予防の啓発にも注力されていますね。

藤伸裕院長 藤産婦人科医院2

婦人科のがんはトータルでは乳がんが最も多いです。しかし20~30代の女性に限っては、子宮頸がんが最多です。子どもを産むことが人生の目標ではないにしても、子宮を摘出して妊娠できなくなってしまうことは、選択肢を一つ減らしてしまうことになりますよね。子宮頸がんワクチンの接種などをきっかけに、病気の予防を考える良い機会としてもらえたらと思います。また子宮頸がんワクチンに対する不安を抱えている親御さんもいらっしゃると思いますが、ぜひお子さんのためにも、専門家である私たち婦人科の医師にご相談ください。厚生労働省のホームページを参照することも推奨します。並行して20歳からの子宮頸がんの検診も非常に大切です。自分の誕生月や季節のイベントと重ねて検診に行くようにすれば、忘れずに受けることができるのでいいのではないでしょうか。当院でも子宮がん検診を行っていますので、こちらもご相談くださいね。

ずっと健康な生活を送れるように

残念ながら分娩はいったんお休みされるそうですね。

藤伸裕院長 藤産婦人科医院3

2024年3月末で当院での分娩は休みますが、状況に応じて再開する可能性も考えています。もちろん今までどおり、妊婦健診を含めた妊娠初期・中期のご相談や、分娩を行うクリニック・病院の紹介は行っていますので、近隣にお住まいの方は遠慮なくお越しください。産後ケアでは宿泊はできませんが、10時から16時までのデイケアは受けつけています。こういった仕組みも活用して、子育てや生活のための英気を十分に養ってほしいと思います。分娩以外の今後の変化としては、月経困難症などの方のためのオンライン診療を視野に入れています。月経困難症の方は10代でも子宮内膜症になる恐れがありますし、月経が重なるたびに子宮内膜症のリスクは高まっていきます。皆さんが治療を受けやすくなるような、健康な生活をめざす工夫はこれからも取り入れていきたいですね。

学生でもピルなどを含むホルモン治療をされる方は多いのでしょうか?

増えていますね。小学生でも治療を受ける方はいます。お母さんが月経困難症などを経験されていて、娘さんが月経痛などに悩んでいる場合には、一緒に来院されるパターンも多いです。月経痛があると学校に行きたくなくなりますし、勉強にも集中できません。体育の授業の受講や運動もしづらいですよね。苦しいのを我慢して生活するのは誰でも嫌でしょう。受験勉強や運動、仕事にも支障を来しますし、ましてやその先に骨粗しょう症や子宮内膜症の可能性があるとなると、月経に伴うつらさを我慢する必要はまったくないと思いますよ。

更年期障害の治療も大切ですね。

藤伸裕院長 藤産婦人科医院4

そうですね。女性の体は年齢によってさまざまに変化していきます。更年期障害では、ホットフラッシュやイライラ・うつ症状など、生活に影響を及ぼすこともあります。治療には漢方薬の他、飲み薬・塗り薬・シール状の薬から選べるホルモン補充療法もあります。また、尿漏れや頻尿は20代の若い方にも見られる症状です。こちらも服薬での改善が期待できます。年齢を重ねると子宮下垂で陰部に違和感を感じる方もいらっしゃいますが、いずれも誰にでも起こり得ることで、恥ずかしいことではありません。日々の生活にちょっとでも支障があったり「症状が気になって友達と会うのがおっくうになってきた」などと困っているのならば、我慢せずいつでも相談にいらしてください。

気がかりなことがあれば、一人で抱え込まずに相談を

社会活動にも積極的に取り組んでいらっしゃると聞きました。

藤伸裕院長 藤産婦人科医院5

現在、母子保健の向上のための活動に努めています。母子保健は、すべての子どもが健やかに成長していく上での出発点であり、さらに次世代を担う子どもたちを育てるための基盤となります。今、県の事業として「性と心の相談事業」「妊娠期からのケア・サポート事業」があり積極的に活動しています。例えば、定期的に県内の高校に出向いて講演会や個別相談を行っています。これは1985年から始まり現在も続いているんですよ。それから、未就学児や小中学生にも年齢に応じた包括的な性教育をしてもらえるように行政に働きかけています。さらに、孤独になりやすい妊産婦への情報提供とフォローも自治体と一緒に行っています。

現代を生きるAYA世代の女性たちに伝えたいことはありますか?

現代のAYA世代、つまり思春期・若年成人世代の女性は、子どもを産み育てるのが難しいと感じやすい環境にあるのではないでしょうか。女性の社会進出による出産年齢の高齢化、キャリアと子育ての両立の難しさといったことをよく耳にします。こういった環境を改善することで、子どもを産み育てたい人へのサポートをしていきたいですね。女性の社会参画は素晴らしいことです。だからこそ月経の悩みが将来の健康に影響を及ぼしかねないことを正しく知ってもらい、日々の生活を健康的に保つことをめざし、体も心も傷つけないで済むように婦人科を頼ってほしいんです。緊急避妊薬の処方も行っていますので、いざという時はご相談いただければと思います。

患者さんや読者に向けてメッセージをお願いします。

藤伸裕院長 藤産婦人科医院6

自分自身の心と体の健康に十分に関心を持ってもらいたいと思っています。忙しい日々を過ごす現代人は、痛みを我慢したり後回しにしたりする方も多いです。しかし痛みは体がSOSを発しているサイン。不安な気持ちや不調があれば、周囲の人に相談したりクリニックを頼ったりして、自分一人で抱え込まないでくださいね。少しでも気になることがあれば、いつでもお越しください。当院はこれからも地域に根差した医療を心がけ、社会に貢献できるよう尽力していく所存です。

自由診療費用の目安

自由診療とは

緊急避妊薬(初診料・再診料含む)/1万1000円(税込)

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