森山 和幸 院長の独自取材記事
森山整形外科院
(久留米市/久留米駅)
最終更新日:2025/05/30

開業してから30年近くにわたり、地域に密着した医療を提供してきた「森山整形外科院」。久留米駅よりバスで6分、長門石団地入口停留所から歩いてすぐというアクセス至便な場所にあるクリニックだ。西洋医学、東洋医学、そして栄養学の知識も持つ森山和幸院長は、多様な観点から患者それぞれの症状の改善に向けて注力。森山院長の息子で副院長の森山弘朗先生をはじめ、看護師や理学療法士などたくさんのスタッフたちと力を合わせてベストな診療・リハビリテーションを追求している。医学を極めることが趣味だと話すほど勉強熱心な森山院長に、同院の診療の特色や医療における信念、患者への思いなどについて詳しく話を聞いた。
(取材日2025年2月18日)
一人ひとりに適した診療とリハビリテーションを追求
まずはこちらのクリニックについてご紹介ください。

整形外科のクリニックとして、その方に適したこまやかな診療とリハビリテーションを提供しています。一つの方法にとらわれず、西洋医学や東洋医学を駆使し、広い視野からベストな診療を追求して改善をめざすことも特色です。患者さんの年齢層はさまざまで、赤ちゃんからご高齢の方まで、幅広い年代の方がお越しくださっています。骨折や脱臼、首や肩・背中の痛みなど、日常生活やスポーツにおけるさまざまな症状のご相談に乗っていますよ。私は、佐賀大学時代は脊椎外科を専門にしておりました。副院長は関節外科が専門ですので、それぞれの得意分野を生かして診療を行っています。入院施設があるのも大きな特徴の一つです。ご高齢の方や、けがで歩くのが大変な方、手術後のリハビリテーションが必要な方など、さまざまな患者さんに安心して入院していただけるよう環境を整えています。
リハビリテーションについて、詳しくお聞かせいただけますか。
当院には8人の理学療法士に加えて作業療法士も在籍し、専門的なリハビリテーションを提供しています。患者さんが取り組まれているスポーツに応じた体の動かし方や、適切な姿勢、けがの予防方法、ストレッチの方法まで幅広くアドバイスしながら行っていますよ。手術後の患者さんのリハビリテーションを多く担当していることも特徴です。急性期から慢性期まで一貫したリハビリテーションを提供できるのは、当院の大きな強みだと考えています。
患者さんと接する際にはどのようなことを心がけておられますか。

患者さんご自身が、自分の体の状態や、これからどんな治療をするのかをきちんと理解することが大切です。言葉だけでは伝わりにくいこともありますから、書籍や模型などを積極的に活用し、視覚的に理解しやすい説明を心がけています。実際に目で見ていただくと、ああそういうことかと納得していただきやすいですから。また意識しているのは、「患者さんが自分の家族だったらどうするか」という視点で診察することです。数ある医療機関の中から当院を選んで来てくださった患者さんを大切に、うそのない誠実な医療を心がけています。例えば、手術を安易に勧めるのではなく、本当に必要なのか、ほかの選択肢はないのかを検討して、それぞれの状況に応じてアドバイスを行います。時には患者さんの背中を押す役割も担いたいと考えています。当院に来て良かったと思っていただけるような診療を提供したいですね。
体の内側から健康になれるよう、多様な面からサポート
整形外科の医師を志してから現在までの歩みをお聞かせください。

整形外科の道に進んだのは、患者さんの笑顔を見る機会が多い科だと思ったからです。骨折や脱臼を治せば喜んでいただけるでしょうし、元気な笑顔をたたえて退院する姿を見ることができるのがいいなと思ったんです。大学病院で研鑽を積んだ後、個人病院を経ずに開業したこともあり、開業当初は病院との違いに戸惑ったこともありました。けれど周りの開業医の先生方から多くのことを教えていただき、ここまでやってこられました。また、義理の弟が麻酔科の医師で、薬や注射、東洋医学などさまざまな方法で疼痛治療を行っていました。その影響もあり、私も特定の方法に固執せず、患者さんにとって良いと思うものは積極的に取り入れる姿勢で診療に臨んでいます。
副院長についてもご紹介ください。
副院長は現在、久留米大学医療センターでスポーツに伴う肩肘関節のけがや治療を扱う部門に所属しています。そこでの診療や研究発表を通じて、先進の技術や知見を実践しています。多様な治療法の中から適切なものを選ぶためには、継続的な勉強が欠かせません。研究や治療法の選択、成果の解析などを通して、当院の患者さんにも適切な治療を提供できるよう努めてもらえればと思っています。
診療では、栄養に関する指導にも力を入れておられるそうですね。

健康を保つ上で重要となるのが食事です。むやみやたらに運動だけを行っても、健康を手に入れることはできません。そのため当院では、理学療法士とも連携し、患者さん一人ひとりに合わせた栄養指導を行っています。具体的には、食事の取り方や摂取すべき栄養素についてなどのアドバイスを行っています。特に高齢の患者さんには栄養状態が悪く、筋力が低下している方が多いと感じます。そこで例えば、高齢の方は若い方と同じ量の肉を摂取しても、血中アミノ酸濃度が低いために筋肉の合成が半分以下になることがあるといったことを、図を用いて説明し、理解を深めていただいています。そういったことをきちんと知っていただいた上で、運動にも取り組んでいただくといいでしょう。
他に、診療の特色はありますか?
基本的に、当院では過剰な薬の処方や不要な手術は行わない方針です。世の中にはさまざまな薬がありますが、中には疑問があるものも存在します。自由診療の領域では、特にそういった傾向が強いとも感じます。また、薬にはアレルギーや内臓障害などのリスクも伴うため、当院ではしっかりと情報を収集し吟味した上で、問題がないと判断したものしか導入していません。患者さんには、体の内側から健康になっていただきたいと思っています。
生まれ育った久留米の地域医療に貢献することをめざす
スタッフとはどのように連携されていますか。

当院では、スタッフ全体の知識レベルを高く保つことを重視しています。医師はもちろん、診療をサポートする看護師にも専門的な知識が必要となるため、毎週勉強会や症例報告会を開いています。おかげで、どの看護師に質問していただいても、適切にお答えできる体制が整っていますよ。また、看護師だけではなく医療事務などさまざまな職種のスタッフにも参加してもらっています。職種の垣根を越えて、みんなで健康や栄養に関する知識を深めているんです。
今後の展望についてお聞かせください。
今後も、患者さんに信頼していただけるようなクリニックでありたいと思っています。私も副院長も久留米で生まれ育ちましたし、この街への思い入れが強いです。だからこそ、医療を通して少しでも地域貢献ができればと思っています。そのためにも、常に新しい知識や知見を学び、日々の診療に生かしていきたいですね。手術に関しては今も小さな手術は行っていますが、今後、必要に応じて本格的に手術ができる環境を整えることも視野に入れています。
最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。

受診したけれど痛みの原因がわからず、痛み止めだけを処方されているという方がいたら、ぜひ一度ご相談ください。当院では、西洋医学や東洋医学を駆使して原因を探った上で改善をめざしています。また栄養学の観点から栄養指導も行っています。不定愁訴だと言われるような原因不明の不調に悩んでいる方など、些細なお悩みでも構いませんので、お気軽にいらしてください。副院長は関節外科を専門にしていますので、スポーツによる関節の痛みなどでお困りの方へも、豊富な経験に基づいた診療を提供できます。薬の過剰投与を避けて必要最小限の薬物療法を心がけ、最終的には患者さんが健康を取り戻せるようサポートしていきます。