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薬師寺 和昭 院長の独自取材記事

薬師寺内科医院

(久留米市/南久留米駅)

最終更新日:2025/07/10

薬師寺和昭院長 薬師寺内科医院 main

西鉄久留米駅より車で約7分、青い看板が目印の「薬師寺内科医院」は、1978年の開院以来「住み慣れた場所で、自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるように」と、地域の「かかりつけ医」として住民の健康をサポートしてきた。2代目院長の薬師寺和昭先生は、同院を2012年に父より継承。消化器、循環器、呼吸器などの内科疾患に限らず、さまざまな「病」と向き合っている。「子どもが朝起きられない」といった相談から、不定愁訴、物忘れに至るまで対応する他、在宅療養支援診療所として通院困難な患者には在宅医療も実施。薬師寺院長の持ち味は、高度救命救急センターや血液腫瘍内科でのキャリアも生かし、西洋医学と東洋医学の長所を生かした診療を行っていること。その経緯や診療方針などについて詳しく聞いた。

(取材日2025年4月17日)

消化器内科、高度救命救急を経て、血液の分野へ

開院されたのが1978年ですので、間もなく50周年ですね。

薬師寺和昭院長 薬師寺内科医院1

ここは父が開院したクリニックで、当時私は小学5年生でした。その頃は自分が継ぐなんてことは想像もしていませんでしたし、父から医師になるよう言われたこともなかったのですが、高校の進路を決める時期に医師になることを決意。進路を決めるにあたり、家族や親戚に医療関係の仕事をしていた人が多かったことも大きく影響したと思います。医療関係の話を聞くことも多かったですし、自分も同じ道に進んでみようと思ったことから久留米大学の医学部に進学。卒業後は天理よろづ相談所病院の総合診療教育部でさまざまな診療科での臨床研修を経て、久留米大学病院第二内科に入局しました。消化器内科部門でも勤務し、高度救命救急センターも経験。さまざまな症状を診る中、重篤な疾患を見つけても自分の診療科領域でなければ各専門の先生におつなぎすることになり、最後まで診ることができないため、少しずつ自己完結できる分野に気持ちが向いていきました。

その想いが血液の分野にシフトされたきっかけに?

ええ、血液の分野は自己完結できることが多いのではないかと考えたのです。ちょうど骨髄移植やさまざまな治療が出てきていたタイミングでもありました。それらは、まだ限られた所でしか受けられない治療でしたので、自分が少しでもお役に立てるようになりたいと思ったのです。それで当時骨髄移植を行っていた九州大学病院の血液内科部門に国内留学というかたちで籍を置かせていただき、スキルを身につけました。そこで学んだことを久留米大学病院へ持ち帰り、骨髄移植に携わる中、抗がん剤部門や慢性骨髄性白血病の分子標的薬の処方が始まるなど、当時は目まぐるしく治療法が変化していった時代。たくさんの刺激を受けました。その一方で、いくら先端の医療を施しても救えないケースや、先端の治療で血液の病気の改善は図れても副作用で苦しむ方がいるのを目の当たりにし、違うアプローチの必要性を実感するようになったんです。

今、先生が注力されている漢方医学につながるわけですね。

薬師寺和昭院長 薬師寺内科医院2

はい。当時はどうにか患者さんの不調の改善を図る方法はないかと考え、漢方薬を取り入れたのが最初の入り口でした。治療をしていく中、手応えを感じたことから漢方医学を学ぶべく、多くの医師が師と仰ぐ福冨稔明先生の門をたたき、故・山本厳先生が説かれた医学を教えていただきました。西洋医学と東洋医学のどちらが良いという問題ではなく、病気を治すための医学であることが重要。西洋医学に漢方の良いところを取り入れ、東洋医学も西洋医学の良いところを取り入れるという考え方でした。つまり、西洋医学的病名・病態の把握を第一とし、画像検査も採血検査も実施。その上で東洋医学の気・血・水・寒などの実態に則した病態認識を取り入れると、病態はさらに明確になるという考えです。このように西洋医学と東洋医学の2つの方向から診ると、より適切な対応につながると思っています。

西洋医学と東洋医学、2つの目で診ていく診療を

そのような中、こちらでの診療はいつから開始されたのですか?

薬師寺和昭院長 薬師寺内科医院3

2012年からです。父が病気になり、急きょクリニックを引き継ぐことに。当院は父の代から通ってくださる方が多いので、内科領域だけでなく、老若男女問わずさまざまな症状を訴えておみえになります。それこそ風邪症状から膀胱炎などの泌尿器系、耳鼻咽喉科領域である症状も可能な範囲で対応しています。もちろん専門性を要する場合は適した医療機関におつなぎしますので、まずは皆さんの症状をしっかりと見極めることを重視。窓口的な役割を担っています。必要であれば、血管年齢、超音波検査や内視鏡検査も実施。そして、大学病院での経験を生かし、物忘れ専門の外来も設置しています。ご家族が相談に来られるケースもありますが、いつも患者さんと接しているスタッフは少し様子が違うなど、患者さんの変化に気づきやすいので、必要だと感じた場合はこちらからお声がけすることもあります。

在宅医療にも対応されているとお伺いしました。

当院に通われている患者さんも高齢になり通院が困難な方が多くなりました。そのような方を対象に緩和ケアを含めた訪問診療にも対応しています。このように、当院の診療範囲はとにかく幅広いのが特徴。先ほどの西洋医学と東洋医学を融合したアプローチに注力していますので、片目で西洋医学、もう片方の目で東洋医学というように、同時に2つの目で診て組み立てていく診療が基本。患者さんにとって何が良い治療となるかを常に考えています。

具体的にはどのように組み立てていかれるのですか?

薬師寺和昭院長 薬師寺内科医院4

例えば西洋医学的な判断でお薬を処方した場合、副作用が避けられないこともあります。そういったときに副作用が起きにくくするために漢方薬を使用するなど、患者さんにとって適切な方法をチョイスしていきます。どのような治療もメリット・デメリットがありますので、そのデメリットの部分を適した医学で補っていきます。血液腫瘍内科での経験でいうと、抗がん剤の使用時は副作用に苦しまれる方が多くいらっしゃいました。そのような場合に漢方薬を用いるなど、西洋医学と東洋医学の融合の視点から患者さんにとって最善の治療をめざせたらと思っています。

「子どもが朝起きられない」といった相談にも対応

漢方薬のどのような点に魅力を感じているのですか?

薬師寺和昭院長 薬師寺内科医院5

同じ症状だから同じお薬とは限らない点でしょうか。一人ひとり合う薬は異なりますし、何通りも組み合わせがありますので、実に奥深く、それだけ可能性も大きいところに魅力を感じています。また、どの治療においても、ゴールをめざして治療を行うのですが、山登りと一緒で途中アクシデントが生じることも少なくありません。というのは、早く登れる方もいれば、ゆっくりゆっくり登って行く方、途中けがをする方もいるのと同じで、早くゴールにたどりつくために途中おなかをくだすこともあります。それはあくまでもゴールに早くたどり着くための過程。しかし、たとえそうであっても薬が合わなかったとリタイアされる方もいらっしゃいます。そのため診療では、何度も繰り返し丁寧に説明をすることを心がけ、理解を深めていただくことに注力しています。

「何だか調子が悪い」といった、うまく説明できない症状のご相談も多いそうですね。

多いですね。いろいろな診療科を受診したけど症状が改善しないといった方もぜひ相談にいらしてください。更年期や関節の痛みなどの患者さんも多いです。最近は「子どもが朝起きられない」と親御さんからのご相談も増えました。朝起きられない原因はさまざまですが、その中でも特に体内時計の問題がある場合は、漢方薬が非常に有用であることが多いです。また、心の問題など、いろいろなことが重なり合っているケースも少なくありません。その場合に有用な漢方薬も複数ありますので、諦めずにご相談いただきたいなと思います。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

薬師寺和昭院長 薬師寺内科医院6

血液内科にシフトした時もそうだったのですが「抗がん剤で治せない」と言われれば「骨髄移植で必ず治す」と思ったように、治らないと言われる病気ほど、医師としての使命感が強くなるのですよね。「いろいろ試したけれど改善しない」という方が頼って来てくださるようなクリニックになりたいです。そのためにも、より東洋医学についての知識も深めながら、日々の診療に取り入れていきたいなと思っています。一人でも多くの方の不調を治すことが、これまで私にたくさんのことを教えてくださった師匠たちへの恩返しでもあると思いますので、何かお困りのことがあれば、諦めずにまずはご相談ください。

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