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今立 俊輔 副院長の独自取材記事

今立内科クリニック

(久留米市/久留米高校前駅)

最終更新日:2024/06/28

今立俊輔副院長 今立内科クリニック main

ゆふ高原線・久留米高校前駅から徒歩10分、久留米市西町の学園通り沿いにある「今立内科クリニック」。副院長を務める今立俊輔(いまだち・しゅんすけ)先生は、久留米大学医学部を卒業後、総合病院での診療、長崎県離島・へき地医療支援センターでの離島医療支援などを経験。その経験から「地域に責任を持つ医師として、ニーズに応える医療を行いたい」という思いのもと同院の診療に加わり、在宅医療部を立ち上げた。「患者さんを診るのはもちろん、その家族を、そして地域を、社会を見つめられる医師でありたいですね」と未来を見据えて話す今立副院長に、クリニックの歴史と現在行っている診療、家庭医療の詳細や今後の展望まで幅広く話を聞いた。

(取材日2023年9月28日)

地域のニーズに合わせて、進化を続けるクリニック

クリニックの特徴について教えてください。

今立俊輔副院長 今立内科クリニック1

当院は今まで透析をメインに診療していましたが、私は家庭医療を専門にしていますので、透析から家庭医療まで幅広くご提供ができる地域のかかりつけ医です。家庭医療とは、診療科目にとらわれることなく、患者さん一人ひとりに合わせた診療や予防を行う医療のことをいいます。なので「このクリニックの専門は何ですか?」と聞かれたら、「地域に住む皆さまの健康を守る医療。それが私たちの専門です」という答えになりますね。患者さんの生活習慣や生活環境などを踏まえて、より良い選択肢を提案・提供していくことを大切に、地域のかかりつけ医として幅広く対応しています。従来の診療内容でいうと、内科、在宅医療、人工透析治療、予防接種や健康診断、リハビリテーションを実施しています。

おじいさまの代から続くクリニックだと伺っています。クリニックの歴史について教えてください。

当院は地域のニーズに合わせて発展してきたクリニックなんです。1952年に祖父が開院した当初は、いわゆる町の開業医として、人口が増加していく久留米の幅広い年代の方に対応したクリニックで、各ご家庭での看取りもよく行っていました。その後、生活習慣病などが問題となり始めた1980年代は、父が専門分野である透析治療の提供を始めます。そして高齢社会が問題となる今、副院長である私を中心に在宅医療部を立ち上げました。社会が変わっていくにつれて、求められる医療のかたちも大きく変わっていきます。それに合わせて、地域の医療、透析治療、在宅医療と広がっていったのが当院の歴史の概略です。

先生が地域医療や在宅医療に興味を持ったきっかけは何だったのでしょう。

今立俊輔副院長 今立内科クリニック2

学生の頃から旅行に行く中で、離島の暮らしの良さやコミュニティーの温かさにふれ、自然と地域医療に興味を持つようになりました。そのため、医師になってからも、五島列島の離島診療所に勤務したり、長崎県離島・へき地支援センターの派遣医として離島の診療に携わったりしました。そこで強く感じたのは、離島医療に携わる医師の、地域に対する責任感です。多くの場合、一つの診療所でその島の医療すべての機能を担います。風邪などの日常的な病気から、慢性疾患、緊急性の高い病気やけがまで、幅広く対応しないといけません。そして島民の方からすれば、この診療所に来れば医療を提供してもらえるという思いもあります。それだけ、地域の方々に対する責任感を感じる経験が、私の医療に対する考え方や見方を変えてくれましたね。

めざすのは地域に住む人たちに寄り添うホームドクター

離島医療の経験が、今の診療や考えに大きく結びついているんですね。

今立俊輔副院長 今立内科クリニック3

そうですね。医師の仕事は診療所で医療を提供するだけではありません。離島医療では、コミュニティーと積極的に関わり、地域の健康を守るためのアクションを自ら起こすことの大切さも学びました。長崎県の小値賀島(おぢかじま)では、他の自治体の取り組みを参考にしながら肺炎球菌ワクチンを公費で受けられるよう自治体に働きかけ、予防医療にも取り組みました。予防医療というのは、クリニックに病気で来られる方が減ることにもつながりますが、地域住民の方の健康を第一に考えれば本質的な取り組みです。地域の健康を守るということは、疾病の予防や健康に対するアプローチについても、地域に責任を持つ必要があると考えます。「地域で暮らすこと」をサポートする役割を果たすべく、同院でも外来診療はもちろん、自宅でも医療が受けられる「在宅医療」にも積極的に力を入れています。

クリニックで提供している家庭医療や、地域医療について詳しく教えてください。

医療というのは一般的に、疾病臓器や患者さんの性別や年齢などによって、循環器科、婦人科、小児科のように分類されています。しかし、家庭医療というのは、そういった分類を問わず、家族全員の健康問題に対して幅広く対応する医師だと私は思います。いわゆる「かかりつけ医」として、内科に限らず、地域に求められる診療を行います。また、クリニック内で提供する診療だけでなく、その地域の皆さまが健康で過ごすには何が必要かを考えて、提供することこそが真の家庭医療の専門家だと考えています。

どんな症状、タイミングで来院すると良いのでしょうか。

今立俊輔副院長 今立内科クリニック4

一般的な内科クリニックのように、少しでも体調に異変を感じた際はもちろんお早めにお越しください。町のかかりつけ医として、総合的な観点から症状を見て、適切な治療を検討していきます。それだけなく、当院に少しでもご興味をお持ちいただいたら、そのタイミングでお越しいただきたいですね。例えば、健康づくりのために気になることやわからないことがあっての相談や介護保険のことでわからないことがあるなど、医療制度や取り組みで知りたいことがあってお越しいただくのも大歓迎です。医療や健康に対して知りたいことや解決したいことがあって、少しでも当院に興味を持っていただけたときに、お役に立てるクリニックでありたいと思っています。

もっと地域に飛び出して、健康を届けられるように

こちらで取り組んでいる在宅医療についても詳しく教えてください。

今立俊輔副院長 今立内科クリニック5

これまで持病があって来院されていた方が、通えなくなったという話を聞いたのが在宅医療をスタートするきっかけでした。家庭医療・地域医療を軸としている当院として、患者さんが来られなくなったから治療を終わりにするのではなく、医師が患者さんのところに伺って治療をするという考えに至るのは当然のこと。その延長として地域のニーズに応えながら、在宅医療を提供しているまでです。家庭医療を専門とする医師が私を含めて2人いるため、そのできる範囲で地域の皆さまの声にお応えしながら進めています。現在、ご家族の在宅医療をご検討いただいている方には、医学的なアドバイスはもちろん、制度上の面、介護の面のお話なども丁寧にお伝えしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

クリニックとして今後取り組んでいきたいこと、展望などはありますか?

在宅医療部の立ち上げ以外にも、久留米大学医療センター、長崎医療センターと連携しながら家庭医療に携わる医師の育成など、これまで私たちは家庭医療・地域医療の普及と育成に力を入れてきました。これからは、医師と患者さんという関係だけでなく、この地域の専門家として地域の方々のより良い生活、長期的な健康づくりを実現するための取り組みにチャレンジしていきたいですね。医療を求めて来られる方だけでなく、健康な方とも関わりながら、長期的な健康づくりのサポートとなるようなイベント、情報発信などを行いたいと考えています。また、クリニックとしてこれまで提供していたものと、地域が緩やかにつながれるような企画も検討中です。当院が、地域の健康に関するさまざまな取り組みのハブのような存在になれるよう、もっと踏み込んでチャレンジを続けていきます。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

今立俊輔副院長 今立内科クリニック6

まず、地域の皆さまに「ありがとうございます」という感謝の言葉を伝えたいですね。新型コロナウイルス感染症の対応を行う中で痛感した思いです。感染拡大のさなかには、クリニックの診療を予約制に変え、ワクチン接種についてもご高齢の方が優先で受けられるよう配慮をお願いする通知をお送りしました。ですが、それに対して大きなトラブルもなく、従来からお越しくださる患者さん、新しく来られる患者さん、皆さまにご協力いただき、円滑に地域医療を提供し続けることができました。これは、本当に地域の皆さまのご協力があって成し遂げられたことだと思っています。これから私たちも、日々支えてくださる皆さまのために、少しでも健康に過ごしていただけるよう地域医療をお届けしてまいります。

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