自分らしい終末期を迎えるために
訪問診療という選択を
永野医院
(福岡市南区/高宮駅)
最終更新日:2026/05/14
- 保険診療
終末期を自宅で過ごすために欠かせない医療サービスとして知られる訪問診療。慢性疾患があり定期的な受診が必要にもかかわらず、歩行が困難で通院が難しくなった人などを対象に、医師が自宅まで足を運び診療を提供する。外来診療と遜色ない診療が受けられる一方、「どうすれば訪問診療を受けられるかわからない」「高額なのではないか」「緊急時も診療してもらえるか」など、不安に感じている人も少なくないだろう。そうした中、地域のかかりつけとして訪問診療に積極的に取り組んでいるのが「永野医院」だ。生活習慣病をはじめとした一般内科だけではなく、専門を生かした外科にも対応する永野剛志院長。「在宅で過ごすための一つの選択肢として受診を検討してほしい」と話す永野院長に、訪問診療について詳しく話を聞いた。
(取材日2026年4月1日)
目次
医療・介護サービスを組み合わせて、自分らしく生きられる環境づくりを
- Q訪問診療はどのような方が対象となるのでしょうか?
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A
▲訪問診療は先代から通う患者への恩返しだという
簡単に言えば生活習慣病などの慢性疾患で定期的に受診する必要があるものの、クリニックに行くことができない方です。さまざまな理由はありますが、その多くは高齢になって自力での通院が難しくなってしまったというケースです。足が不自由になってしまった、運転ができなくなったなどが当てはまりますが、近年は家族がいても高齢者のみの世帯という老老介護の場合も増え、介護者の送り迎えも難しくなっています。そういった面からも訪問診療は非常に重要な役割を担っています。また、訪問診療の受診に年齢制限はなく、パーキンソン病をはじめとした神経難病などを診療している医療機関では、若年者の診療も対象にしているところもあります。
- Q訪問診療と外来診療の違いを教えてください。
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A
▲患者がその人らしく生きてくための手段
診療内容そのものに大きな違いはありませんが、血圧測定や血液検査など簡単な検査は訪問診療で対応できても、内視鏡検査など、外来でないと難しい検査もあります。また、訪問診療は保険適用ですが、診療費に加えて訪問に伴う費用がかかるため、外来診療より自己負担額が高くなる場合があります。ただし医療費の自己負担が一定額を超えた場合には、高額療養費制度の対象となります。このように外来診療と異なる部分はあるものの、それでも普段暮らしている環境の中でケアを受けられるのは、患者さんにとってメリットです。外来を受診できない場合、入院という選択もありますが、入院には身体機能や認知機能が低下してしまうリスクもありますから。
- Q実際の訪問診療の流れについて教えてください。
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A
▲訪問診療はかかりつけ医やケアマネジャーに相談する必要がある
クリニックに直接連絡をいただいても構いませんが、まずはかかりつけ医やケアマネジャーに相談することがスタートとなります。訪問診療は介護保険との関わりが密接なため、介護プランとの連携が欠かせません。ご高齢で訪問診療を受診されている方のほとんどは要介護認定を受けています。「どうしたらいいかわからない」という場合は、悩まずに各関係機関にお問い合わせください。訪問診療を開始する際は、初診として診察をしてから、病状などに応じて受診間隔を決めていきます。また、訪問診療だけで患者さんのケアを考えるのではなく、訪問看護や訪問介護など、ほかの医療・介護サービスと連携を取りながら詳細を決めていくかたちになります。
- Q訪問診療は24時間対応可能なのでしょうか。
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A
▲今後は多職種連携のために密なシステム構築をしていきたいと語る
基本的にお電話でのお問い合わせは24時間対応となっていますが、実際の診療対応については医療機関の規模などにより異なります。24時間365日の診療対応にはかなりのマンパワーも必要ですから、ケアマネジャーや訪問看護などと連携して取り組んでいくことが必要になります。もちろん患者さんが在宅で過ごされている以上、急に体調が悪くなるというケースも考えられます。ただ、訪問診療を受けているからといって、救急医療が受けられないということではありません。訪問診療で提供できる医療には限りがありますから、容体が急変した場合については救急車を呼ぶことも必要ですし、判断に迷ったらお電話でご相談いただいても構いません。
- Qこちらの医院ならではの訪問診療の特徴があれば教えてください。
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A
▲気軽に健康相談ができるクリニックをめざす
当院は総合診療的なかかりつけのクリニックですから、一般内科をはじめ幅広く診療できるところは一つの特徴だと思います。また、私の専門が消化器外科ですから、ケガなどの処置、がん診療の経験に基づいたケアができるという点も強みです。特にご高齢で訪問診療を受けられている方は、寝たきりの事例も多く、褥瘡、いわゆる床ずれで悩まれていることがあるため、外科的な処置も可能です。勤務医時代は、がん患者の緩和ケアも担当していたので、末期がんであっても終末期を自宅で過ごしたい、家族と一緒に過ごしたいといったご希望があれば対応することもできますよ。

