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楠原 正洋 院長の独自取材記事

楠原皮膚科医院

(福岡市南区/井尻駅)

最終更新日:2024/02/13

楠原正洋院長 楠原皮膚科医院 main

1968年に開院した「楠原皮膚科医院」は、西鉄天神大牟田線井尻駅東口から久留米方面へ伸びる線路沿いを歩くこと約2分の好立地にある。駅から近いが、人や車の往来の多い道から一歩入ると住宅街となり、静かな暮らしの町並みが広がる場所だ。前院長である父の楠原正一先生から2008年に同院を後継した楠原正洋院長は、「皮膚は体を守る鎧。少しでも異変を感じたら直ちにケアしてほしい」と訴える。日本皮膚科学会皮膚科専門医であり、長年研究および診療に携わってきた楠原院長にとって、今なお「皮膚科診療は毎日が発見の連続」だという。真摯に診療を続ける楠原院長の診療姿勢や同院の特徴に迫ってみた。

(取材日2023年1月12日)

患者のやる気を大切に、明るく、伴走するよう寄り添う

たくさんの患者さんが来院されているようですね。

楠原正洋院長 楠原皮膚科医院1

父がここで開業したとき、私は小学生でした。当時から多くの方に来院していただいていた記憶があります。おかげさまで後継後も、多くの方が来院されています。待ち時間を短くするように心がけているのですが、説明に時間を要するものもあり、患者さんをお待たせしてしまうことも多いです。ですが、スタッフみんながうまくカバーしてくれています。診察前には、障害がある方や小さなお子さんなど、状況によって順番の入れ替えなども臨機応変に対応し、長い待ち時間が予想される場合、受付後に外出して用事を済ませてもらったり、ご希望ならば駐車場で車中待機もしていただけます。

患者層や主訴で多いものを教えてください。

患者さんは地域の方が大半ですが、春日市や筑紫野市、久留米大学病院時代の患者さんなど遠方からもいらっしゃいます。午前中は年配の方が中心、午後からは園児や児童、送迎ついでにお母さんやご家族全員で、さらに勤務帰りのビジネスマンなどで夕方は混雑しがちですね。皮膚科は季節に左右される診療科なので、夏は子どもさんなら虫刺されやあせもなど、冬は乾燥や湿疹などの主訴が増えますが、世代問わず多いのはアトピー性皮膚炎です。気になるのは、じきに治るだろうと思いながら一向に改善しないまま、お仕事の都合や、感染症を心配してなどで来院のタイミングが遅れてしまい、症状が進んでしまってから来院される方が多いことです。もう少し早く来院いただけていれば、治療期間が短くて済んだかもしれないという方もいらっしゃいます。

治療の方針や特徴を教えてください。

楠原正洋院長 楠原皮膚科医院2

どんな症状であれ完治をめざすことを患者さんと共有します。そのために、まずは検査を行い診断をつけます。初診の場合、治療歴や投薬歴を把握した上で治療方針をいくつか準備し患者さんにお伝えします。皮膚科の場合、塗り薬の処方が多いですが、その塗り方や継続も重要です。症状により治療期間が長くなる方もいらっしゃいますので、患者さんに伴走させていただくようにフォローアップし、一歩一歩、完治に向けてサポートしていくイメージですね。

フォローアップというのは具体的にはどのような流れでしょうか。

当院では、次はいつ様子を見せてほしいのか、日程候補を挙げて再来を促します。前回からの評価を行い、患者さんの症状や環境などの変化に応じた次の治療方針を立てる必要があるからです。半年以上かかるアトピー性皮膚炎や爪水虫の治療では、薬だけ受け取って通院が途切れたりすると、改善へつなげていくのが難しくなることもあります。適宜、塗布の指導をしたり、場合によっては飲み薬を変えることを考える必要もあります。飲み薬に抵抗がある、お薬代のハードルが高いなど、ご本人の希望をお聞きして相談しながら進めます。治療に大事なのは、患者さんのやる気。改善の兆しが見えると治療継続のやる気が出てきますよね。そこを支えたいです。

症状が改善しても自己判断せず、継続した通院が重要

ご専門の真菌性の疾患についてもう少し深くお聞かせいただけますか?

楠原正洋院長 楠原皮膚科医院3

真菌性の最たる疾患として挙げられるのが水虫です。床を裸足で歩いた際に水虫の菌がうつる家庭内での感染や、温泉、プールなど不特定多数の方が裸足で歩く公共の施設で感染するケースが多く、足の指と指の間に炎症を起こしかゆみを訴えて来院されたり、かゆみはなく足の裏がカサカサしているからと検査したら水虫であることも。女性の場合は爪の色が変わったことを気にされて来院し、爪水虫だとわかるケースもありますね。一般に足の水虫は塗り薬でほぼ完治がめざせるといわれていますが、最低でも3ヵ月以上薬を適切に塗らなければなりません。後半になるとかゆみもなくなっていきますが、症状がないからと薬を塗らないのは要注意です。夏に再発して再び来院することになりかねません。爪水虫はもっと時間がかかり、飲み薬と塗り薬のどちらかで治療しますが、水虫も爪水虫も根気強く続けなければ完治が難しい疾患ではあります。

日々の忙しさから通院を中断される方もいるようですね。

水虫と同じく、アトピー性皮膚炎も治療期間が長いため、部活や仕事が忙しくて通院する時間がないといった理由で足が遠のく方もいますね。症状がひどくなり、また一から治療を開始することも実は少なくありません。あとは自己判断で通院をやめられるケース。その場合もせっかく改善に向かっていたのに、また最初に逆戻り。症状が改善してきて、次の治療に進もうという段階が大事です。水虫は身近な人にうつしてしまいますので、しっかり治療に取り組んでいただきたいです。ただ、水虫の菌は感染力は強くはありません。水虫菌は足について入り込んで根を張るまで数日かかりますので、その間に入浴時に十分洗えれば感染はしないため、清潔にすることが予防策といえるでしょう。

診療する上で大事にしていることは何でしょうか?

楠原正洋院長 楠原皮膚科医院4

病名やお薬の内容もわからぬまま、改善しないからこちらに来ましたと言われる患者さんもおられます。当院では、ご自身の病気や体の状態を、ご本人に理解していただくところから診療が始まります。病気の説明をし、今後予測されることを説明します。ご本人がそれらを理解されないまま治療を進めても、ゴールまでの道筋が見えないと治療継続への気持ちが続きにくいんです。まずは、ご自身の状態を知っていただくこと。これが大切だと思います。

肌は体を守る鎧。大切に丁寧にケアをしてほしい

先生をはじめ、スタッフの皆さんが明るくて話しやすい雰囲気ですね。

楠原正洋院長 楠原皮膚科医院5

明るく楽しい職場が理想だと思っています。患者さんには明るい気持ちになってお帰りいただきたいですからね。皮膚科で処方する薬は特殊なものも多く、スタッフみんなよく勉強しています。スタッフが患者さんに塗布指導などをする時間は、スタッフと患者さんとのコミュニケーションタイムです。世間話で会話が弾み、患者さんの緊張や不安が少しでもほぐれるといいなと思っています。

皮膚科医の魅力は何でしょうか。

いまだに日々驚きと発見の毎日です。皮膚は一つの臓器で、非常に重要な組織なんです。皮膚があるから免疫が保たれている。医学はおしなべてそうですが、毎年新しい発見があり、10年前の知識など役に立ちません。真菌症をテーマに講演させていただくことも多いのですが、私自身も先進の医療技術を常に吸収しながら現場に還元し、患者さんの健康を支え続ける。その立場にあることに、日々大きなやりがいを感じています。

感染予防に手洗いが推奨されていますね。

楠原正洋院長 楠原皮膚科医院6

皮膚科の医師としてお伝えしたいのが洗い方。人間の皮膚は角層と油膜の2つで外界からの異物侵入を防ぐバリア機能を持っています。油膜の表面に付着するウイルスや細菌を手洗いで落とすのですが、正常な油膜は残したい。それまで落としてしまうと逆に無防備な状態になってしまうんです。物理的ストレスを肌になるべくかけないようにして、せっけんを泡立て、泡で優しく手洗いしてください。お風呂で体を洗う時もナイロンタオルなどの使用は避け、手洗いがお勧めですよ。

読者へのメッセージをお願いします。

皮膚は人間の一番外側にあり、人間を守る鎧だと思います。それを、病的な状態にしない、健康な鎧をきちんと維持してほしいと考えています。小さいお子さんにありがちなのが、適切な手を打たないままひどい症状になってから来院されるケース。それと、小児に限らず、皮膚病には放置してはならないものもあります。少し気になる、かゆみはないけれど見たことのない形状のものが肌に現れたなど、肌の些細な変化の段階で相談していただきたいです。自己判断で薬を塗ることは控えてください。肌は非常にデリケートなので、まずは専門家に相談していただければと思います。

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