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心不全から命を守るために
早期の医療介入と適した管理を

島松循環器内科クリニック

(福岡市中央区/六本松駅)

最終更新日:2021/11/02

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  • 保険診療

団塊の世代が75歳以上となる2025年から団塊ジュニア世代が65歳以上となる2035年をピークに、心不全患者の急激な増加が予想されている。この「心不全パンデミック」を阻止するには、かかりつけ医による適切な診断と治療といった早期の医療介入が不可欠だと語る「島松循環器内科クリニック」の下園弘達(しもぞの・こうたつ)院長。そして、来るべき問題に備え、医療の流れはこれまでの「病院完結型」から病気と共存しながら地域で生活する「地域完結型」の医療へと動き出しているという。これまでの医療の在り方では対応しきれない事態が考えられることから、地域医療が担う役割に大きな期待が寄せられている今、心不全を引き起こす原因、そして症状が出ていない時にこそ取り組むべき予防について下園院長に解説してもらった。

(取材日2021年10月21日)

適した治療と正しい管理を行えば健康寿命を保つことも期待できる心不全。命を守るために早期の医療介入を

Q循環器系の疾患について教えてください。
A
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▲健康診断を積極的に受けてほしいと語る院長

心臓から全身へ血管を通して酸素を中心とした栄養分が送られます。この循環に問題があるものを循環器疾患と呼びます。血管の抵抗や血液量が多くなることで、血液が循環しにくくなる高血圧、動脈硬化を引き起こし末梢循環が悪くなる糖尿病やコレステロール異常などがあげられます。生活習慣病による循環不全から狭心症、心筋梗塞、不整脈、弁膜症が引き起こされ、心不全まで至ることが知られています。自覚症状がない高血圧、糖尿病、コレステロール異常は、健康診断で引っかかったからと来院されるケースが多く、受診のきっかけとなっていますので、そういう意味でも健診がセーフティーネットになっていると言えるでしょう。

Q心不全とはどのような疾患なのでしょうか?
A
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▲診察風景。わからないことも丁寧に教えてくれる

2017年に日本循環器学会と日本心不全学会が発表した「心不全とは心臓が悪いために息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気」という一般向けの定義があります。これは患者さんが混乱しないよう説明を統一するために決められた定義なのですが、最後の「生命を縮める病気」という一文に衝撃を受ける方も多いでしょう。医師は誤解がないように伝える必要があります。心不全になっても絶望する必要はないのです。生命を縮める可能性があるからこそ、正しい生活習慣を身につけ、適した治療を行うことで、健康寿命の維持が図れる病気です。心不全になっても長く幸せに暮らしている方はたくさんいることをお伝えしています。

Q心不全と診断された際にすべきことは何でしょう。
A
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▲心不全になっていく流れを説明しながら治療の選択を行う

心不全には進行度によって4つのステージに分類されます。高血圧・糖尿病・動脈硬化疾患などを治療中のステージA、症状を伴わない心臓の動きの低下・心臓弁膜症・心筋梗塞後の状態をステージB、さらに、症状が進行し心臓から十分な血液量が供給されず、息切れやむくみの症状が出現し「心不全発症」となるステージC、そして難治性心不全がステージDです。心不全治療において最も重要なのはステージA、もしくはBでとどめること。また、ステージCであってもすぐに治療を開始して、入院しなくても済むよう手立てを講じ、ステージDでは症状の緩和を図るというように、各ステージですべきこと、できることが異なります。

Q今の段階よりも重症化させないことが重要なのですね。
A
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▲気軽に相談しやすい環境が整っている

はい、心不全患者が急増すると、大きな病院だけでは対応しきれなくなります。そのため、すでに全国各地で「心不全地域連携パス」といって地域全体で心不全患者を診る「地域チーム医療」が始まっています。これは、来るべき心不全パンデミックに備え、急性期病院、慢性期病院、かかりつけ医間で情報を共有し、連携を円滑にするための体制をつくっていこうというものです。患者さんもお薬の治療に頼るだけでなく、食事や運動などの自己管理に努め、些細なことでもかかりつけ医に相談することが重要です。そうやって病気とうまく共存できる環境を地域全体でサポートすることが、心不全の進行を最小限に食い止めることにつながると考えています。

Q普段の生活で予防できることがあれば教えてください。
A
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▲各種検査を受けることが可能だ

高血圧などの症状を放置しないことですね。先ほどお伝えしたステージA・Bは症状がありません。心筋梗塞や狭心症の症状はあっても息切れやむくみといった心不全の症状はないため、「症状がない状態で治療?」と思われがちですが、将来心不全にならないための予防だと思ってください。心不全で言われている「1日の塩分摂取量を6グラム以下に抑える」というのは、高血圧の段階ですでに指導されていることです。「高血圧の方が塩分を控える」、当たり前のことのようですが、これがすでに心不全の予防になっているわけです。さらに適度な運動、バランスの良い食事、十分な睡眠など基本的なことに気をつけることが最大の心不全予防方法です。

ドクターからのメッセージ

下園 弘達院長

心不全を発症しても決して絶望しないでください。今は適切な治療と正しい管理を行いうまく付き合っていけば、健康寿命を保つことも十分期待できるので、そのことを多くの方に知っていただきたいです。人生を楽しむこともできますし、一度心不全になったけど、その後は悪くならず平均寿命より長生きされる方もおられます。あと、ご家族が心不全になった場合、何とか改善できないかと日々の生活を厳しく制限し、逆に患者さんを追いつめてしまうこともありますので、まずはご家族も一緒にお話を聞いていただけたらと思います。病気とうまく付き合っていく手立てはいくつもありますので、ご本人だけでなくご家族もお気軽にご相談ください。

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