症状を理解し、生活しやすく
対処方法を理学療法士とともに考える
近間整形外科クリニック
(福岡市博多区/呉服町駅)
最終更新日:2022/06/06
- 保険診療
腰痛や肩凝り、頭痛など、日常生活でよく見かける症状の中には、実は重い症状が隠れていることも。脱臼や骨折などの症状の大小に関わらず「患者が何に困っているか」にフォーカスした診療を行っているのが、「近間整形外科クリニック」の近間知尚院長だ。同院では理学療法士、看護師、事務、医師などスタッフ全員に患者を加えた状態で、常に治療内容を共有。患者一人ひとりの症状に応じ、日常的にできる工夫などもアドバイスしながら治療を行っている。「生活の中で困っていること、解決したい痛みなどを、診察を通じて解決に導いていくのが整形外科の役割です。そのためには治療内容も常にブラッシュアップしていかないといけないんですよ」と、穏やかな空気の中にも冷静な視点を持ち続ける院長に、同院の治療の流れや理学療法士の強みなどを聞いた。
(取材日2022年1月15日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q慢性的な肩凝り、腰痛での通院はできますか?
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A
もちろんです。当院の周辺がオフィス街ということもあり、肩凝りや腰痛などを訴えるオフィスワーカーの方もたくさんおられます。マッサージや市販薬を試したけれど改善しないというケースも多く、実は神経痛を併発していたなど、自覚症状よりも重い症状だったとわかることもあります。整形外科の治療では、エックス線やCTで原因を医学的に解明し、段階を踏みながら治療していきます。また当院はスポーツリハビリテーションにも注力していますが、そちらがメインではありません。お困り事に大小の区別はなく、老若男女、幅広い患者さんの「生活で困っていること」の原因を明らかにし、症状に応じた適切な治療を提供することが大事なのです。
- Q具体的にどのような疾患がありますか?
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A
肩凝りや腰痛、五十肩、関節リウマチ、痛風などの他、パソコン作業による腱鞘炎やテニス肘、接客業で体を動かす方の変形性膝関節症や外反母趾など。特に注意したいのはスポーツをやる学生さんに多い腰椎分離症です。腰痛が主な症状の腰椎分離症は疲労骨折が原因となります。このように若い方の痛みには、今後に関わる重大な疾患が隠れている可能性もあります。腰椎分離症ではしっかりとコルセットで固定し、同時にリハビリをしながらスポーツに復帰できるようにしなければなりません。当院にはスポーツリハビリにも詳しい理学療法士が在籍し、時には適切な負荷をかけながらスポーツへ復帰していけるようにリハビリメニューをつくっています。
- Q理学療法士さんの専門性も高いのですね。
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A
理学療法士は日々患者さんの体に触れており、高い知見を備えています。医師が出したオーダーを実践しながら「これはもっとこうするべきでは」「もしかして違う要因が絡んでいるのでは?」といった第三の目で患者さんと接し、見落としがないか、他の治療内容が適してるのではないかなどを医師にフィードバックできるのが、当院の理学療法士の大きな強みです。そのため担当制ではありませんが、患者さんの情報は全スタッフ、そして患者さん自身にも共有し、さまざまな角度からの意見を取り入れつつ、常に治療内容をブラッシュアップしています。理学療法士には女性スタッフもいるので、女性も気兼ねなく通える環境だと思いますよ。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診票に記入
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生活スタイルや職業などから症状の原因を探していく。記入の際に気にとめておくとよいのが「いつ、何に困っているか」という点。痛み止めを飲むにせよ、仕事時、就寝時などで服薬のタイミングを考える必要があるためだという。「患者さんが何を改善したいのかを理解し、的確な治療を行っていくことが大事ですね」と話す院長。さらに記入時には理学療法士のサポートも受けられるため、遠慮なく声をかけてほしいとのこと。
- 2診断
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症状やケガの重症度などに応じ、エックス線やCT、MRIなどの画像撮影を行う。エックス線は院内で撮影が可能で、CTやMRIは近隣の病院や、画像診断専門クリニックなどと連携し、迅速に撮影ができる体制を整えている。これらの画像や問診の結果を総合的に判断し、診断を行っていくという。またリハビリを受ける場合は理学療法士から医師へのフィードバックがあるため、診察時に伝え忘れたことなどがあっても安心だろう。
- 3医師と理学療法士の連携
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服薬や貼り薬などで対処できる場合は、次回の診察の目安などを聞いて帰宅。リハビリが必要な場合は、医師が診断した内容をもとに理学療法士とリハビリメニューに取り組む。特に部活に所属する学生やアスリートは復帰の目安をチームから求められるため、報告とともにケガや症状に応じて段階的なリハビリを行う。理学療法士の中にはスポーツ経験者もいて、選手の治療中の精神的なケアをしっかり行っている点も同院の特徴の一つだ。
- 4リハビリ
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リハビリでは筋肉の硬さ、もしくは弱さいずれが原因になっているのかを見極めながらメニューを進めていく。「ストレッチ直後から痛みの緩和が見込めた」という良い変化もあれば「改善が見られないため、別の治療内容が良いのでは?」といったディスカッションを理学療法士内で行い、さらにそれを医師に共有。患者の体を隅々まで理解する理学療法士と医学的判断を行う医師のタッグで、常により良い治療をめざしていく。
- 5定期的な通院
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症状の変化を見落とさないためにも定期的な通院は欠かせない。「当院では漫然とした治療は行いません。患者さんの変化を常に敏感に感じ取り、理学療法士とともに治療内容の検証を行うことが大切です」と語る院長。もちろん患者側からの意見も重要で、「とあることをきっかけに変化がありました」という何げない言葉も治療の大きなヒントになるという。患者を含めた全員が常に新しい情報を共有しながら、治療が進んでいく。