近間 知尚 院長の独自取材記事
近間整形外科クリニック
(福岡市博多区/呉服町駅)
最終更新日:2025/11/14
オフィス街と昔ながらの町並みが共存する呉服町、大博通り沿いの「近間整形外科クリニック」。1989年に前院長の近間(ちかま)英明先生が開業し、2019年から息子の近間知尚(ともなお)先生が院長を務めている。「父は一貫して患者さんと向き合う、どこまでも親切なドクター。今も時々手伝いに入ってもらっていますが、まだまだ学ぶべきことが多いです」と話す近間院長。英明先生の温かな診療姿勢を受け継ぎ、さらにブラッシュアップした理念のもと進化を続けている。患者一人ひとりに合わせた「こまやかな対応」と、高い専門性が求められる「術後リハビリテーション」も担う専門性の高さが同院の強みだという。穏やかで、誰に対しても壁をつくらないフラットな姿勢が印象的な知尚院長に、診療にかける熱い思いをたっぷりと語ってもらった。
(取材日2025年10月8日)
「関わるすべての人を豊かに」という診療理念を胸に
御院の診療の一番の特徴は何だと思われますか?

これは父の代からですが、”患者さんのお話をよく聴く”ことが当院の最大の特徴で、それこそが私たちドクターができる“価値ある医療サービス”だと考えています。診察ではまず、患者さんが何に困っているのか、悩んでいるのか、細かく理解できるよう努めます。痛くて困っているのか、関節が固くて動かないから困っているのか、ただただ不安でたまらないのかなどです。困り事や不安の内容や程度は人によって大きく異なるのに「これは五十肩です」「捻挫による痛みです」などと機械的に診断名を当てはめ、定型的な治療のガイドラインに沿った処置をするだけでは、患者さんの真のニーズに応えることはできないと思うんです。その方の困り事に真摯に向き合い、一人ひとりに合った治療を提案する、クリニックだからできる“こまやかな対応”を心がけています。
患者さんの話をよく聴くことから診療が始まるのですね。

診察では症状だけでなく、患者さんのお仕事内容やスポーツ活動の有無、家族構成といった背景情報までできるだけ確認するようにしています。これらの情報は、リハビリを含めた治療方針を考える上でとても重要な要素です。リハビリは目的のないマッサージを続けることではありません。例えば、「2ヵ月後のマラソン大会出場をめざす」とか、「高齢の方が体幹を鍛えて転倒しにくい体づくりをする」とか、患者さんと医師の間で明確なゴール設定を行い、そこに向かって治療とリハビリを計画的に進めます。リハビリスタッフともこのゴール設定を共有して随時フィードバックを受け、次回以降の診察で再度、ゴール設定が適切か、治療方針に修正が必要かどうかを確認します。診察とリハビリが“循環”しながら、お一人お一人のゴールに向かって伴走していきます。
そういった「こまやかな対応」が長年患者さんから頼られてきた理由なのでしょうね。
たくさんの患者さんがお待ちの中では難しい場合もあるのですが、父と私が大切にしてきた“患者さんの話を聴く”という姿勢が皆さんに伝わっていたらいいなと思います。父が言葉にせずとも体現してきた診療方針に少しだけ私の色を加え、現在当院は「関わるすべての人を豊かにするクリニックをめざす」という理念を掲げています。患者さんとそのご家族はもちろん、スタッフとその家族も、私自身と私の家族も、皆が豊かになるようなクリニックを追求し、そこから提供する医療サービスにより福岡の経済活動の維持に貢献していきたいです。呉服町というビジネス街に位置するクリニックとして、働く人々とそのご家族を医療面から支え、安心して生活できるようにサポートしていくことで、間接的にでも地域経済全体のお役に立てればと考えています。
専門性の高いリハビリスタッフと進めるチーム医療
最近はどのような患者さんが多く来られていますか?

老若男女、本当にさまざまですが、最近は近隣で働くオフィスワーカーや飲食店関係の方が増えました。ありがたいことに患者さんのお勤め先で良い評判が広まっているのか、同じ会社の方が続々と来院されることも多いです。肩や腰、首まわり、膝などの痛み、足首の捻挫、骨折など主訴も幅広く、お仕事の合間に受診される方もいらっしゃいます。当院は診察・リハビリ・会計まで約1時間で完結できるよう意識しており、オンライン予約、電子決済にも対応。なるべくお待たせしないスムーズな診療体制で、終わりの時間が見える、安心して通えるクリニックをめざしています。リハビリ用ウェアも用意していますので、スーツのまま来院されても構いません。完全予約制ではないので、時間ができた際や隙間時間にも受診していただけます。
経験豊富なリハビリスタッフがそろっていると伺いました。
手前みそですが、当院のリハビリチームには高度な判断と施術ができる専門性の高い人材がそろっており、誰が対応しても一定水準以上の品質のリハビリを提供できる自信があります。この力は特に「術後リハビリ」のような専門性と経験値が求められる場面で威力を発揮します。一般的に手術直後のリハビリは手術を行った病院で実施され、日常生活が送れるレベルまで回復することが目標となります。しかし、退院後の学校や職場での社会生活や、ケガをする前のようにスポーツができるところまで引き上げることが目標の場合はまた大きなハードルがあり、実は非常に難しいのです。ここにアプローチするのが「術後リハビリ」で、学校に通いながら、仕事をしながら、中期~長期スパンでオーダーメイドに近いリハビリを進めていきます。「術後リハビリ」に対応できるのは当院の大きな強みで、近隣の病院からご依頼を受けることも多いです。
「術後リハビリ」において先生はどのような役割を果たされているのですか?

術後の腫れや痛みが長引く場合はお薬を細かく調整したり、痛みを適切にコントロールしたり、執刀医の先生にレポートを提出して経過を報告したり。患者さんの話をしっかり聴いてリハビリスタッフと密に連携し、多角的に状態を把握しながらリハビリを進める……まさに「術後リハビリ」の醍醐味ですね。このようなチーム医療において特に大事になってくるのが、患者さんの大小さまざまな情報をフラットにやり取りできる雰囲気づくりです。そのために私が常に心がけているのは、いつでも話しかけやすいドクターであることです。細かな情報交換を積み重ねることがチーム全体の医療の質を高めると確信しています。
温かい医療を通して、福岡の街を応援したい
先生は御院を継承されるまで、基幹病院で数多くの手術に携わってこられたそうですね。

大学卒業後は、山口赤十字病院や浜の町病院などで勤務医として働き、手術に明け暮れる日々を送っていました。さまざまな手術をさせていただいた経験は今、エックス線を通して骨や組織の状態をご説明するときの糧になっています。当院では手術を行っておりませんが、必要な場合は迅速に信頼の置ける先生にご紹介し、綿密に連携していきます。術後のケアやリハビリは当院にお任せください。
先生ご自身の健康法を教えていただけますか?
言い始めたらきりがないくらいたくさんありますが、突き詰めると結局、早寝早起き、適度な食事と運動ですね。一般的な話ですみません(笑)。特に睡眠を大事にしていて、1日7時間は眠るようにしています。私は長く眠らないと明らかにパフォーマンスが落ちるタイプなので、できる限り睡眠時間を確保できるよう努力しています。整形外科医の視点でお話ししますと、痛みのコントロールに難渋している方はやはり睡眠不足になりがちで、そうなると負のスパイラルに陥ってしまいます。痛みの軽減を図り、しっかり眠れる環境に導くことが、間接的に痛みの緩和にもつながるでしょう。睡眠に影響を与えるほどの痛みがある方は早めにご相談くださいね。
今後の展望をお聞かせください。

痛みを取り除くために治療を行ったり、悩みを聞きそれに応えることで、患者さんに“安心”を届けたいというのが私の願いです。「関わるすべての人を豊かにするクリニック」という診療理念を胸に、温かな医療を通して福岡の経済を応援したいという大きな目標も持っています。小さなクリニックではありますが、患者さんの「働きたい」「スポーツしたい」「趣味を継続したい」「元気になって誰かと過ごしたい」といったさまざまな欲求を満たすことのできる“豊かな人生”を支えていけるよう、今後さらに診療体制をブラッシュアップして成長していきたいですね。ちょっとしたご相談も大歓迎です。お気軽に来院ください。

