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多岐にわたる心疾患の原因
危険因子となる生活習慣の見直しを

中村内科クリニック

(北九州市小倉南区/石田駅)

最終更新日:2023/12/28

中村内科クリニック 多岐にわたる心疾患の原因 危険因子となる生活習慣の見直しを 中村内科クリニック 多岐にわたる心疾患の原因 危険因子となる生活習慣の見直しを
  • 保険診療

「心疾患」とは単独の病名ではなく、心筋梗塞、狭心症、心臓弁膜症、心筋症など、心臓の病気を表す総称で、発症は60~70歳代がピークとされており、同時に複数の心疾患を抱えることも少なくない。「心疾患はがんに次いで日本における死因の第2位です」。そう話すのは、循環器疾患を中心に心疾患の研鑽を重ねてきた「中村内科クリニック」の中村知久院長だ。発症した場合、命に関わることもあるため、仕事や子育てなど日々の生活で忙しい人や喫煙者、高血圧など、発症リスクの可能性が高い家族を持つ人は特に心疾患への理解を深め、生活習慣の見直しと予防に努めてほしいと力を込める。そこで今回、多くの人へ心疾患に対する正しい知識を発信すべく、数々の症例に携わってきた中村院長に、心疾患に関する一歩踏み込んだ話を聞いた。

(取材日2023年11月15日)

突然死にもつながる心疾患の危険因子となる生活習慣を見直し、大切な家族にも早期受診の呼びかけを

Q循環器疾患を軸に心疾患についても研鑽を積まれたそうですね。
A
中村内科クリニック 急性期疾患から生活習慣病まで幅広く診療

▲急性期疾患から生活習慣病まで幅広く診療

ええ、急性期病院などで数多くの経験を積んでおりますので、難しい不整脈の診断から内服薬の調整に至るまで対応可能です。また、心不全の要因となる心臓弁膜症は手術が必要ですが、心不全自体はお薬の調整である程度抑えることがめざせますので、症状に合った組み合わせの処方にも自信があります。他にはペースメーカーの植え込み術後の管理、ホルター心電図の記録と解析まで対応可能です。一般的にクリニックでは外部に解析結果を依頼することが多く、当院のように当日に解析までお伝えできるクリニックは少ないと思います。その他にも知見を生かしたさまざまな検査、診断、治療が可能ですので、まずはご相談いただきたいですね。

Q心疾患は日本人における死因の上位ですが、原因は何でしょう。
A
中村内科クリニック 生活習慣病と心疾患は深く関り合っているので要注意

▲生活習慣病と心疾患は深く関り合っているので要注意

まず、ご高齢になると心不全になる方が増加します。その心不全になる原因はさまざまで、心臓弁膜症や、心臓の筋肉に栄養を送る冠動脈が詰まって塞がってしまったり、血管が狭くなることで起こる虚血性心疾患、そして多くの割合を占めるのが生活習慣による心臓の経年劣化。これは長寿国でもある日本であるがゆえの結果とも言えるでしょう。そして、高血圧・糖尿病・脂質異常症・肥満といった生活習慣病や喫煙習慣によって生じる動脈硬化も大きな要因となっています。しかし、生活習慣病も適切な治療を続けて一定の状態を保つことがめざせる時代になりました。一方で、放置した場合、突然命を失う可能性があることも多くの方にお伝えしたいです。

Q心疾患になりやすい人はいますか? 前兆なども教えてください。
A
中村内科クリニック 感染症対策のため、院内に空気清浄機を4つ設置

▲感染症対策のため、院内に空気清浄機を4つ設置

ご家族に心疾患のある方、または既往歴のある場合や、高血圧、喫煙、肥満、ストレスなどを起因とする生活習慣病をお持ちの方はどうしても心疾患へのリスクが高まります。前兆に関しては、各疾患で異なりますが、動悸、息切れというのは見過ごされがちですので、今まで坂道や階段を気にすることなく上れていたのに息切れして上れなくなったという方は要注意。また、胸痛、胸やけ、左の肩や腕の痛みなども心筋梗塞や虚血性心不全の前兆として挙げられます。痛みが数分程度で治まったとしても、決してそのままにせず、早急に受診されてください。

Q心疾患は治る病気なのでしょうか?
A
中村内科クリニック スタッフとも連携を取りながら診療を行っている

▲スタッフとも連携を取りながら診療を行っている

構造的な問題であれば、手術やカテーテル治療で修復が図れますが、心筋症など心臓の筋肉の病気に関しては根治することが難しく、現状維持に努めることが重要になります。以前は治療できなかった肺高血圧症のように、新たな薬が開発され、治療できるようになるかもしれません。そうなった場合にも備え、可能な限り良い状態を保っておくこと、つまり現状よりも悪化させないことも医師の重要な役割だと考えます。事実、これまでの日々で医学の進歩を実感してきました。心疾患に関する薬も種類が豊富です。うまく組み合わせることで現状の維持が望める時代になりましたので、今でき得る最善を尽くし、その先の希望につなげたいと考えています。

Q予防法などがあれば教えていただけますか。
A
中村内科クリニック 今までの知見を生かし、早期発見につなげていけるよう努める

▲今までの知見を生かし、早期発見につなげていけるよう努める

心疾患は多岐にわたるため、原因がわかっているケースとそうでないケースがあります。虚血性心不全をはじめとする心疾患の多くは、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病や喫煙習慣が原因の場合が多いとされています。そのため、予防法としては食事や運動などの生活習慣の見直しがまず一つ。そして、なるべくストレスや疲れをためない生活を心がけることが大切になります。そのような生活習慣の改善と並行し、定期的な受診が重要。心疾患に限らず、早期に策を講じることで、防げる病気はたくさんあります。そのため、当院では全身を診ることに注力しています。

ドクターからのメッセージ

中村 知久院長

心疾患は特に早期発見が重要です。ご自身はもちろん、ご家族が動悸や息切れをするようになった、時々胸が痛くなるといった症状を見過ごさないでください。大したことがないと放置し、ご家族を失った方々を急性期病院時代にたくさん見てきました。残されたご家族は、なぜ病院に連れて行かなかったのだろう、早く受診すれば助かったかもしれないと、大きな後悔が残ってしまいます。大切な方を突然失うことにならないよう、年齢のせいだとそのままにせず、いつもとちょっと違う、なんだか疲れやすくなったなど、少しでも体の異変を感じたら、安心を得るためにも早めに受診されてください。いつまでも大切な方と笑顔で過ごせるように力を尽くします。

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