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加藤 正隆 院長の独自取材記事

かとうクリニック

(新居浜市/新居浜駅)

最終更新日:2021/10/12

加藤正隆院長 かとうクリニック main

JR予讃本線の新居浜駅から車で約10分、松山自動車道新居浜インターチェンジ近くの新居浜市船木にある「かとうクリニック」。新居浜出身の加藤正隆院長が1993年に開業し、2008年に現在地に新築移転した。乳幼児から高齢者まで、年齢や性別、病気の種類を問わず、予防から診断、治療、在宅ケアまで行う地域のかかりつけ医だ。生活習慣病指導、禁煙治療、痛みが少ない予防接種、苦痛の少ない経鼻上部消化管内視鏡、COPD(慢性閉塞性肺疾患)診療、認知症診療、睡眠時無呼吸症候群の診療、傷をきれいに治すための創傷湿潤療法などにも取り組み、新型コロナウイルス感染症対策にも注力している。地域のかかりつけ医として、情熱を持ちさまざまな取り組みを実施している加藤先生にたっぷりと話を聞いた。

(取材日2020年12月28日)

地域のかかりつけ医として新居浜で開業

まずは医師を志したきっかけを教えてください。

加藤正隆院長 かとうクリニック1

大学進学を考える際に、何か社会のために役立てる仕事に就きたいと医師をめざすことを決めました。出身校の自治医科大学は、医療に恵まれていない地域にも先進地と同等水準の医療を提供するために47都道府県が出資して設立された大学で、全都道府県から毎年1~2名の学生が選抜され、卒業生は出身県で一定期間仕事をすることになっています。へき地に赴任すると、医師は一人でいろいろな疾患に対応しなければなりません。私は愛媛県立中央病院で、救急、内科、小児科、外科、麻酔科、産婦人科、脳神経外科、整形外科、皮膚科、眼科、東洋医学などの研修を受け、幅広い知識や技術を習得する機会をいただけたので、その後旧温泉郡中島町(現松山市)、旧喜多郡河辺村(現大洲市河辺町)などの医療機関に赴任した際にも多様な疾患に対処することができました。また、勤務医の時から、在宅医療や健(検)診、学校医などの貴重な経験を積むことができました。

新居浜で開業したのはなぜですか?

開業を決意する前は、一度は自治医科大学に戻って地域医療や総合診療を学び直そうと思っていました。ただ将来的には、これまでの経験を生かしてどこかで地域のかかりつけ医になりたいという思いを持っていました。そのような時に、出身地である新居浜市のこの地域に内科小児科系の医師が不在で困っておられるという話を伺い、実際にこの地を訪れてみて「ここなら単に病気のみをみるのではなく、かかりつけ医として地域の人々の保健医療福祉全般に関わることができるのではないか」と思い、開業することにしました。

現在はどのような診療をしていますか?

加藤正隆院長 かとうクリニック2

生後2週間くらいの赤ちゃんから100歳以上の高齢者まで、年齢や性別、病気の種類を問わず、病気の予防から診断・治療、在宅ケアに至るまで、ご家族ぐるみで受診していただき、健康問題の大部分を解決するようなスタンスで診療しています。特に、わが国の三大死因である「がん・脳血管疾患・心疾患」の診療に力を入れ、その最大原因であるタバコ対策に重点的に取り組み、禁煙治療を積極的に行っています。さらに、行動科学に基づいた生活習慣病療養指導、子どもたちが嫌がらないよう痛みの少ない予防注射、苦痛の少ない上部消化管内視鏡検査、認知症診療、睡眠時無呼吸症候群の診療、傷をきれいに治すための創傷湿潤療法、漢方診療などにも取り組んでいます。もちろん、専門的な検査や治療、入院が必要なときは、適切な専門の医師を紹介するという病診・診診連携を大切にしています。

医師・スタッフ・薬局が連携してチームで行う禁煙推進

タバコ問題にはいつから取り組んでいるのですか?

加藤正隆院長 かとうクリニック3

医師になって3年目の1986年に、旧温泉郡中島町の津和地という小さな島の一人診療所長として赴任しました。島への唯一の公共交通機関が旅客船でしたが、船内客室で多くの方がタバコを吸っていて、受動喫煙がとても気になりました。日本全体の喫煙率が高かった時代ですが、島の漁師さんたちの喫煙率はさらに高く、タバコが原因で脳梗塞や心筋梗塞になった方を救急艇や漁船で何度も搬送する経験をしたことから、小学校の学校保健委員会で禁煙・喫煙防止講演をさせていただきました。まだ「受動喫煙」という言葉も一般的ではない時代でしたので、耳慣れない情報に驚かれた方が多かったようでした。新居浜で開業してから、ずっと禁煙指導を続けてきましたが、ニコチンガムやニコチンパッチのような禁煙治療薬ができて、2006年に飲み薬の禁煙治療薬が発売されて禁煙治療に健康保険が適用され、本格的に禁煙治療に取り組めるようになりました。

禁煙指導はどのように行っているのですか?

スタッフ全員でチーム医療で禁煙指導に取り組んでいます。まず患者さんの禁煙に対する関心度を確認し、最も適していると思われる方法で禁煙をお勧めします。皆で禁煙指導の専門性を高めるために十分な研鑽を積んでおり、今ではスタッフが喫煙患者さんへの禁煙動機づけからカウンセリングの大部分までを担ってくれています。さらに、治療終了後の患者さんの禁煙継続サポートも自主的に続けてくれています。最近は企業ぐるみで取り組む禁煙治療をオンライン診療で担当する事業にも取り組んでいます。また、薬局とも連携し、診療受付から薬局でお薬を受け取るまでシームレスに禁煙サポートを提供できる体制になっています。2020年12月から保険適用された禁煙治療用アプリを使った方法にも取り組んでいます。

その他にはどのような禁煙推進活動をしているのですか?

加藤正隆院長 かとうクリニック4

日本では数少ない、受動喫煙による健康被害を診る医療機関として、診断を行っています。また、当院と連携薬局のスタッフが禁煙推進団体「タバコフリー愛媛」の主要なメンバーとなり、毎年5月31日の世界禁煙デーにちなんだ楽しみながらタバコ問題を市民の皆さまと一緒に考える禁煙推進イベント「愛媛お笑い健康ライブ」を医師会・歯科医師会・薬剤師会・行政・教育委員会・保健所等と共催しています。行政や議会には受動喫煙防止条例制定の請願・陳情も行っています。愛媛大学医学部医学科での「禁煙学」の講義、小中高校での喫煙防止教育講演、行政・各種団体・企業での禁煙講演なども担当しています。さらに、日本禁煙学会の理事も務めています。禁煙啓発のために、日本禁煙推進医師歯科医師連盟学術総会・全国禁煙推進研究会をはじめ、全国規模の大会を地元で開催してきました。

地域に根差したかかりつけ医

やりがいと感じていることや、力を入れていることをお聞かせください。

加藤正隆院長 かとうクリニック5

日本人の感染症以外の主な死亡原因は、タバコ・高血圧・糖尿病・運動不足などです。これらは、死亡だけでなく寝たきりを招く大きな原因です。健康寿命の延伸が医療の大きなテーマになっていますが、そのためには一次予防としての病気にならないための喫煙防止・減塩・カロリー制限・運動習慣などの良い生活習慣を若い時に獲得すること、二次予防としての特定健診・がん検診などの健(検)診を受けること、三次予防として症状や所見があった際に気軽にかかりつけ医に相談できることが大切とされています。今はそのすべての段階にかかわることができていることに大きなやりがいを感じ、ついつい力が入ってしまいます。

新型コロナウイルス感染症にはどのように取り組んでいますか?

院内での感染防止のために、頻回の消毒やこまめな換気はもちろん、密にならないように待合室をレイアウトしたり、来院される患者さんの体温測定をはじめとする健康チェックを徹底して実施したりしています。発熱、咳、嗅覚や味覚低下などの新型コロナウイルス感染が疑われる症状がある患者さんは屋外に設置したテント内で診療・検査を行っています。さらに、渡航医学に関する専門知識を持っていることから、厚生労働省・経済産業省・在日駐大阪中国総領事館などから依頼があり、コロナ禍でも海外で活躍するビジネス渡航者を支援するために、必要な検査や証明書発行などをしています。

最後に、メッセージをお願いします。

加藤正隆院長 かとうクリニック6

病気になった時に最初に受診するかかりつけ医の高齢化や小児科かかりつけ医不足が、日本全国で大きな問題になっています。新居浜市もその典型ではありますが、市民の皆さまのご不安解消に少しでもお役に立てるよう、当院は地域のかかりつけ医として年齢・性別・病気の種類を問わず、予防から診断・治療・在宅ケアにいたるまで、皆さまの健康増進のためにスタッフ一同最善を尽くしてまいります。今後とも健康問題全般に関してお気軽にご相談いただければ幸いです。

自由診療費用の目安

自由診療とは

ビジネス渡航者のための各種感染症検査/5000円~

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