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子どもが病気のときに頼れる
病児保育サービスを活用しよう

あおい小児科

(今治市/伊予富田駅)

最終更新日:2021/10/12

あおい小児科 子どもが病気のときに頼れる 病児保育サービスを活用しよう あおい小児科 子どもが病気のときに頼れる 病児保育サービスを活用しよう

共働きや単身親世帯が抱える悩みに、仕事と子育ての両立が挙げられる。祖父母も現役で仕事をしている人も少なくない。高齢化社会の現代において「急な子どもの発熱や体調不良の時、預けられる人も場所もない」という悩みに応えるのが病児保育だ。病気の子どもを預けることに罪悪感を感じ、何もかも一人で抱えてしまうママも多いのではないだろうか。「あおい小児科」の院長、青井努先生は「病気のときはきちんと診てもらえる環境に預け、ママはその間に安心してやるべきことに集中すべき。そしてそれを周囲の人が理解することが重要」だと語る。同院内には病児保育室「キッズケア・青い鳥」を併設し、気軽に利用してほしいという想いから、安心して預けられる環境を整え、利用のハードルを下げる取り組みを行っている。

(取材日2020年12月17日)

仕事と育児が安心して両立できるように。病児保育室も保育所と同じように、気軽に使ってほしい

Qなぜ「病児保育」の運営を始めたのでしょうか?
A
あおい小児科 子どもの月齢や状態に合わせた遊びや学びで成長のフォローを行う

▲子どもの月齢や状態に合わせた遊びや学びで成長のフォローを行う

病気の子どもを診察した帰り際、「先生、明日は保育所に登園させても大丈夫ですか?」と多くのママたちが聞いてくるのです。もうこれ以上仕事を休めない、頼れる人もいない、そんなママたちの悲痛な面持ちを見て、何か医師としてできることはないかと。それが病児保育室を開設するに至った大きなきっかけです。子どもが病気になるのは当然のことなのに、周りに気兼ねしながら仕事を休み、挙句の果てには辞めざるを得なくなる。これはおかしいんじゃないのか。ママが働きながら子育てができる環境を整えるためには、病気のお子さんを預かる病児保育施設が必要だろうと考えました。また、そのことが少子化を止めることにもつながると思ったのです。

Q先生は「病児保育」の役割をどのように考えられていますか?
A
あおい小児科 出汁からとった手作りの昼食やおやつ、飲み物も準備されている

▲出汁からとった手作りの昼食やおやつ、飲み物も準備されている

子どもが病気のときはママが休んで診てあげるのが一番かもしれません。しかし、自由に休暇をとれる職場は限られていますし、生活がかかっていて何日も休めない方もいるでしょう。特に学校の先生や看護師などの専門職は、代わりがいないのでより休みづらいと思います。そんなとき、気軽に病児保育を利用してほしいのです。保育のプロである保育士と、小児科の看護師が子どものお世話をし、何かあれば医師である私が診ますから、職場に連絡がいくことはほぼありませんので、仕事に専念してもらえます。子どもが病気になりママが休めないとき、安心して預けられるセーフティーネットとしての役割を果たすのが病児保育だと考えています。

Q利用のハードルを下げるために工夫をしていると伺いました。
A
あおい小児科 検温などで体調の変化を診るほか、鼻水の吸引などの処置も行う

▲検温などで体調の変化を診るほか、鼻水の吸引などの処置も行う

とにかく気軽に利用してほしいという想いから、24時間いつでもウェブから予約できるシステムを2020年9月に導入しました。小児科の診療時間後に子どもが熱を出した場合にも、とりあえず病児保育のウェブ予約さえしておけば、翌日、就業時間に間に合うよう朝8時から診察をしますし、メール等でスタッフが適切に対応します。また、利用するのはほんの1~2日程度なのに、事前登録が必要だったり、何枚も書類を用意したりするのは親への負担が大きく、利用を妨げる要因になっていると思います。それで現在、行政と協議を重ね事前登録の廃止やペーパーレス化に移行しています。準備物が少なくて済むよう、食事等もこちらで用意していますよ。

Q病気の子どもを預けることに罪悪感をもつお母さんも多いのでは。
A
あおい小児科 1日の様子を細かく記録したものを写真と一緒に渡してくれる

▲1日の様子を細かく記録したものを写真と一緒に渡してくれる

罪悪感を抱いてしまうのは「病気の子どもを預けて仕事に行くの?」という社会の目もあるからではないでしょうか。子どもが病気をするのは当たり前のことなのに、なぜそのことでキャリアを諦めたり、病気の子ども預けることに罪悪感を感じなければならないのでしょうか。やはり、子どもが病気のときは親が仕事を休んで家庭で看てあげるのが一番です。でも、それができないときは病児保育を使えばいいんだよという、周囲の優しい眼差しがママを楽にします。周囲と社会の理解も必要です。それに、保育や看護のプロに預けるほうが治りも早く、適切に処置もできます。保育士が1対1で手厚く診ていますので、子どもにとっても良い環境だと思いますよ。

Q病児保育は感染症の子どもでも利用できるのですか?
A
あおい小児科 体調を見ながら外遊びや野菜の収穫など、子どもにうれしい体験も

▲体調を見ながら外遊びや野菜の収穫など、子どもにうれしい体験も

インフルエンザの場合は無理だと思っている方が多いのですが、インフルエンザを含むほぼすべての感染症の子どもを預かることが可能です。感染症ごとに部屋を分けていますし、むしろ何の病気かわかっているからこそ感染症対策は徹底しています。これは他施設でも同様ですが、これまで病児保育に預けて新たに病気になったというケースはほぼありません。利用に関しては、事前登録をしておけばよりスムーズではありますが、子どもがいつ病気になるかなんて予測はつかないと思います。当院のホームページから、いざという時のためにあらかじめユーザー登録をしておいてください。預かる時間は8時から18時までです。

ドクターからのメッセージ

青井 努院長

子育ての環境は20年前と比べて大きく様変わりしています。共働き世帯は専業主婦世帯の2倍となり、ひとり親世帯も全体の1割を占めるまでになっています。多くの子育て世帯は核家族で孤立している中、このコロナ禍がさらに孤立を深刻にしています。核家族化が進んでいるのに、周りに支援の手がないことが問題なのです。家庭と社会が協力して子育てをしないといけない時代なのではないでしょうか。仕事と子育てに追われている母親を、周囲が、社会が理解してあげてほしいです。「休めなかったら病児保育に預けたらいいんだよ」という周りの優しい目、みんなが助け合って社会で子育てを支援していくという考え方が大切だと思います。

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