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青井 努 院長の独自取材記事

あおい小児科

(今治市/伊予富田駅)

最終更新日:2020/11/30

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緑がいっぱいの前庭を眺められ開放感あふれる待合室に、かわいらしい工夫が散りばめられた処置室など、子ども目線で楽しく安らげる空間を創造している「あおい小児科」。院長の青井努先生が、地元である今治市の小児医療に貢献すべく1991年に開業した。医療を通じて子どもの健全な発育を支援することに注力しており、乳幼児健診や予防接種はもちろん、心身症など子どもの心の問題にも寄り添う姿勢を大切にしている。病児保育室「キッズケア・青い鳥」を院内2階に開設し、子育て支援にも尽力。「地域の子どもたちが健全に育つためのお手伝いをすることが開業医の役割」と語る青井先生に、小児医療にかける想いをたっぷりと聞いた。
(取材日2020年10月22日)

地域で連携し、地域の子どもを守り育てる

開業されるまでの経緯について教えてください。

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私は長崎大学医学部を卒業後、愛媛大学医学部小児科医局に入局しました。そこでは小児循環器を専門に臨床と研究を重ね、県立北宇和病院小児科や市立八幡浜総合病院小児科に勤務。小児科医師として10年ほど経験を積み、1991年に地元今治に戻り、開業をしました。当初から、ゆくゆくは地元で開業できればと考えていたのですが、一つ決め手となったのは、今治市内には長年小児科の新たな開業がなかったこと。地域の方に必要とされる場所で開業したいという思いはありましたね。

小児科医師として、先生が力を入れていることとは?

開業した当初は、風邪や感染症などの小児疾患を一般的に診ることで、故郷の小児医療に貢献できたらいいなという考えでした。しかし30年開業医として診療を行う中で、時代の変化とともに、子どもに関係するテーマも変わってきました。それは、虐待や発達障害、子どもの心の問題など。小学生、中学生になると、不登校や心身症のケースも出てきます。開業医としての役割は、目の前の患者さんに対応していくこと。初期症状はおなかが痛いとか、気分が悪いといった身体的症状かもしれませんが、そこに精神的な問題が絡んでいる場合があるんです。ですので、本格的なカウンセリングまではできなくても、まずはご本人やお母さんからきちんと話を聞いて、安心してもらうことを大事にしています。小さい頃からかかりつけ医として診ているからわかることもありますし、だからこそ何とかしてあげたいとも思うのです。

先生は「子どもの健全な発育を支援すること」を大切にされていますね。

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そうですね。3歳くらいまでの育ちがその後に大きく関わってくると考えられますから、そこまでを開業医として支援していく必要性を感じています。2〜3歳の時期というのは、お母さんはそれほど意識してお子さんに接していないかもしれませんが、成長して不登校などの問題が出てきたとき、その頃の育ちが関わっていることもあります。ですから、3歳までの母子保健や子育て支援に関して、発達心理学などをある程度踏まえた上で、医師の観点からできることをしっかりと実践していくことが開業小児科医師の役割であると思います。風邪などの病気を治療するのは当然ですが、そこから一歩踏み込んで、子育てで悩んでいるお母さんのニーズにお応えすることが大切。そのためには、医療だけでなく、保健福祉など地域のいろんな職種が連携をして、地域の家庭を支えていかなければと考えています。

働くママを応援する、病児保育室を開設

こちらでは病児保育を実施されていますが、始めたきっかけは?

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ずばり少子化ですね。今治市は転出者が多く、全国的に見ても20代から40代の女性の人口減が深刻な地域なんです。出産可能な年代の女性が減るということは、少子化が進むということ。ここにまず危機感を持ちました。私も妻も今治出身ですから、故郷のために何か医師としてできることはないかと。それが病児保育室を開設するに至った大きなきっかけです。お母さんが働きながら子育てができる環境を整えるためには、病気のお子さんを預かる病児保育施設が必要だろうと考えました。自分が残りの人生で、どんなお役に立てるのか。郷土愛もあるのでしょう。年を取ったらみんなそんな考えになるのかもしれません(笑)。

病児保育室の内容や、利用システムについて教えてください。

まだまだ認知度が低く、病児保育を入院施設と同じように考えている方が多いのですが、あくまでも預かるのは回復期のお子さん。保育園にはまだ行けないけど、きちんと小児科で診察を受けて、症状が和らいできているお子さんをお預かりするところです。当院の病児保育室は今治市在住の方が対象ですが、当院のかかりつけの患者さんでなくても利用できます。ただ、お子さんの基本情報や家族構成などを事前登録をしていただく必要があります。当初は、病児保育室の開いている時間帯しか電話予約の受付ができませんでしたが、利用へのハードルを少しでも下げるため、2020年9月からインターネットの予約システムに変更し、24時間受付を開始。できるだけ使いやすく、本当に必要な方が利用できるように今後も努めていきたいと思います。

お母さんたちから喜ばれているのでは?

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そうですね。事前登録までのハードルはありますが、利用された方のリピーター率は高いので、ニーズにお応えできていたらうれしい限りです。働くお母さんたちの中には、「これ以上休むと仕事を辞めなければいけなくなってしまう」というくらい追い詰められている方もいらっしゃいますから、今後も周知は続けていきたいですね。お母さんだけでなくお子さんからも「また行きたい」という声が多いんですよ。保育園と同じように遊んだりごはんを食べたりするのですが、疾患によってお部屋を分けることもあって保育士が一人ひとりとほぼマンツーマンで接するので、至れり尽くせり。それがうれしいみたいです。

子どもの健全な発育支援が開業医の使命

やりがいを感じる瞬間はどのような時ですか?

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小児科、特にかかりつけのクリニックは、長く続けているとやりがいを感じることが多いですね。開業当初に診ていた子が数十年後にはお母さんになって、自分の子どもを連れて来てくれる。まるで子どもや孫を見ているような、なんとも幸せな気持ちになります。自分の子どもたちはもうとっくに成人し、孫も生まれておじいちゃんになりました。ですが、子どもたちが小さい頃は、妻とともに私自身も子育てに悩んだこともありました。そうやって、自分たちなりに子育てに奮闘してきた経験があるからこそ、お母さんたちが抱える悩みも理解できますし、寄り添うこともできる。そのスタンスはこれからも大切にしたいですね。

休日の過ごし方や、オフタイムの楽しみを教えてください。

子どもたちも巣立ち、今の私たち夫婦の一番の楽しみであり自慢といえば、愛犬です。ミニチュア・シュナウザーの雄を2匹飼っているのですが、これが親子なんですよ。9歳のマロンと7歳のレオン。お父さんは優しい性格で、息子はとっても元気。レオンのほうはやんちゃ過ぎるためにトレーナーにしつけをお願いしたのですが、そこが警察犬を訓練する施設だったことから、小型犬ではありますが警察犬試験に合格。とは言っても嘱託なので、普段はわが家で暮らしています。妻も2匹のことが大好きですから、もう犬の話題がないと夫婦やっていけないくらい(笑)。当院の看板犬としても活躍してくれていますし、大切な家族です。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

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小児科医師として、身体疾患や体の発育だけでなく、育ちや環境に起因する子どもの心の問題も含めて、健全に育つためのお手伝いをすることが開業医の役割だろうと思うのです。先にもお話ししましたが、2〜3歳の育ちは人格の基礎であり、人との関係性の土台となります。人との関係性をどう認知するかは、小さい自分が無意識のうちにどれだけ無条件に愛されたか。それが人を信頼できる力になるし、自分を信頼する力にもなる。ですから、その時期の子育てに関して、悩みが生じたお母さんをサポートすることが、私の仕事ではないかと考えています。例えば人見知りや反抗期、赤ちゃん返りは決して悪いことではなく、その意味をお母さんがきちんと理解した上で、お子さんと向き合うことが大切なのです。そうしたことをしっかりとお伝えして、一緒にお子さんの成長を見守っていけたらと思います。

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