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吉野 到 院長の独自取材記事

吉野内科

(松山市/伊予和気駅)

最終更新日:2022/06/02

吉野到院長 吉野内科 main

「吉野内科」は1978年の開業以来、「地域に根づいた、身近にあるかかりつけ医」として、消化器疾患や生活習慣病をはじめ、内科疾患全般の診療を行っている。現在院長を務めるのは、2代目の吉野到(よしの・いたる)先生。日本医科大学を卒業後、愛媛大学医学部附属病院や総合病院で、内科や消化器内科、糖尿病の診療経験を積んだ後、2007年に吉野内科を継承した。勤務時代の幅広い経験を生かし、町のかかりつけ医として地域に住む人々の健康をサポートしている。子ども時代、昼夜関係なく医療に携わる父の背中を見続け、いつの日か父と同じ内科の医師になりたいと医療の道を志した吉野院長に、クリニックの診療内容から診療スタンス、プライベートまでじっくり話を聞いた。

(取材日2020年8月6日)

愛着ある地で、地域に根差したかかりつけ医をめざして

先生は2代目院長だそうですが、医師を志したきっかけから継承するまでの経緯を教えてください。

吉野到院長 吉野内科1

1978年に開設して以来、父の代から診療内容は変わることなく、消化器疾患や高血圧症、高脂血症、糖尿病といった生活習慣病の診療に加え、内科疾患全般の診療を行っています。幼い頃から父の背中を見続けてきましたが、昔は今のように救急体制も整っておらず、連絡が入れば休みや昼夜関係なく患者さんのために尽力する父をずっと見ながら育ってきました。小学生の頃の文集には「医師になりたい」って書いていたので、きっとその頃から意識していたのでしょうね。大学卒業後は、愛媛大学医学部附属病院をはじめ、県内の医療機関に勤務し経験を積みました。その中で、生まれ育った愛着のある地域で少しでも貢献したいと思うようになり、父が他界したことを機に継承することにしました。

内科、消化器内科、糖尿病内科とトータルで診られることのメリットは何ですか?

やはり幅広く診察ができるところでしょうか。多岐にわたる検査や、並行して糖尿病の治療もできます。腹部の臓器、例えばすい臓がん、大腸がんなど早い段階で発見できるように努めています。また、糖尿病などの生活習慣病はさまざまな合併症を引き起こすほか、発がんリスクを高めるとも指摘されています。当院のように内科疾患全般の健康管理を行うことができると速やかに次段階の治療に移せますし、総合的に診療できます。エコーを用いた腹部悪性腫瘍の早期発見のほか、細い管を鼻から入れる経鼻内視鏡、上部消化管内視鏡、大腸内視鏡を備え、消化器疾患の早期発見に努めています。

どのような患者さんが来院されていますか?

吉野到院長 吉野内科2

近所にお住まいの方が中心で、年齢的には高齢者の方が多いですね。内科なので風邪や胃腸炎、健診で再検査と言われた方など、症状も幅広いです。中でも生活習慣病や慢性疾患の患者さんが多いため、薬を用いたり、食事や運動など生活全般の指導をしたりしています。父の代からのお付き合いで3世代にわたっていらっしゃる方もいます。「先生の顔を見たら安心した」とか「少し話したら楽になった」など、ありがたいお言葉をいただくと、信頼関係が築けているのかなと思います。また、どうしても通院が困難になったという患者さんには訪問看護も行っています。地域の訪問看護ステーションや居宅介護事業所と連携をとりながら、住み慣れた自宅での療養生活を支援しています。

生活スタイルの変化とともに、望みにかなった治療を

グループホームが併設されているのですね。

吉野到院長 吉野内科3

はい。父の代から開設していますが、高齢化が進む中、ちょうど介護サービスとの提供体制が必要になってきていた時代だったのではないでしょうか。私たちがめざす「できる限り住み慣れた地域で、患者さんが安心して生活できるように」という想いのもと連携をとっているので、体調が優れない場合に常に医師がそばにいる安心感があったり、体調が急変した時など緊急時に対応できたり、即座に対処できるメリットがあります。医療依存度が高い状態の方は、必要に応じて医師の往診や訪問看護を受けることができるので、安心して生活が送ってもらえると思います。

先生が力を入れていらっしゃるのはどんな診療ですか?

何か一つの分野に、というよりも消化器内科・糖尿病内科を含めた内科全般に注力し、消化器疾患、糖尿病を中心としながら、インフルエンザなど感染症の治療や禁煙治療も行い、トータルな診療を心がけています。消化器内科では、食道・胃・十二指腸疾患の診断で用いられる上部消化管内視鏡の検査は苦しいといわれるものでしたが、今は細いカメラを用いて鼻の穴から内視鏡を挿入する検査もできます。糖尿病については、自覚症状が乏しいため病気の進行状態がわかりづらく、短期間の治療で治ってしまう病気ではありません。生活スタイルや体質、合併症の進行具合によりそれぞれに合った治療が必要です。当院では、コントロールの目安となるHbA1cの結果を診療時に説明し、糖尿病療養状態を患者さんと一緒に見ながら治療方針を決めています。

患者さんとの接し方や医療面など、普段の診察時で気をつけていることはありますか?

吉野到院長 吉野内科4

基本的なことですが、患者さん一人ひとりに丁寧に向き合うということです。診療にはあまり時間をかけず、症状に合ったお薬がほしいという人もいらっしゃれば、症状や治療に関する不安を抱えているため、じっくり時間をかけたいという人など生活スタイルによってさまざまです。患者さんがどのような診療を望んでいらっしゃるか話し合いながら、納得してもらった上で診療にあたっています。費用面、治療内容、時間的なことなど、患者さんが疑問や不安に感じていらっしゃることをお話しいただいて、不安を取り除けるよう努めています。

心のふれあいを大切に、地域医療に携わりたい

これまでの診療経験で、印象に残っている患者さんとのエピソードなどありますか?

吉野到院長 吉野内科5

かかりつけ医として通院していただいている患者さんで、病状が悪化し、通院することが難しくなった方がいました。ありがたいことに、最後まで診てもらいたいと在宅医療を望まれ、そのまま診療に伺わせてもらい最期の看取りまでさせていただきました。信頼関係のもと、こうして最初から最後まで診療にあたることができたことは医師として本望だと思う瞬間でした。その方の趣味が盆栽で、ずっと大事に育てられてきたものをいくつか譲り受けまして、現在育てています。樹形の美しさを保ち、樹の成長を促すために剪定が必要になってくるのですが、これがなかなか難しい。まだまだ初心者ですが、大事に育てられてきた思い出を受け継がせていただいているようで、格別な思いがあります。

趣味や息抜きなど、先生ご自身について教えてください。

趣味はマラソンです。毎年、愛媛マラソンに出場しているのですが、毎回3時間台を記録しているので、アスリート枠で出場しています。普段は、1日10キロくらいを目標に自宅の付近を走っていますが、何にも考えずじっくり自分に向き合える時間は、何よりのリフレッシュになっています。県外の大会にも出場していまして、高知や熊本、長野などいろいろな所へ行きました。中でも熊本県で開催される阿蘇の外輪山約120キロを32時間以内で回るトレイルレースは、達成感はもちろん美しい景色は忘れられないですね。今度は、富士山の山麓を走って歩くトレイルレースに出場したいと考えているところです。走ることにこんなに夢中になったのも、きっかけはダイエットなんです。今となっては患者さんへの食事療法や食事の内容などアドバイスもできますし、趣味が仕事に生かされているのかもしれません。

今後の展望も含め、読者にメッセージをお願いします。

吉野到院長 吉野内科6

特に力むことなく、これまでやってきたことの継続が重要だと考えています。世の中が便利になってきた分、ウェブにはいろいろな情報があふれています。患者さんの中には、この症状だったらこの薬を飲めば大丈夫だとか、こんな食事をすれば大丈夫と安易な知識を持っている方も結構見受けられます。そこで医師として長年の経験と正しい知識を持っている私たちがきっちりと伝え、診療にあたっていかなければならないと思っています。患者さんとの心のふれあいを大切に、気楽に通えてなんでも相談しやすい医師でありたいですし、これからも地域の皆さんの健康維持に携われるよう努めていきたいです。

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