山根 宏昭 院長、吉満 亜紀 先生の独自取材記事
山根クリニック
(廿日市市/宮内串戸駅)
最終更新日:2025/06/05

自然が豊かな広島県廿日市市で「地域のホームドクター」をモットーに、家族3人で診療をする「山根クリニック」。院長の山根宏昭先生は、乳腺外科や肛門外科といった外科治療だけでなく、訪問診療などにも幅広く対応をする。妹の吉満亜紀先生は、内視鏡検査やおなかのエコー検査をメインに担当し、3人の医師の専門分野を生かしながら地域住民の健康をさまざまな形でサポートしている。父であり同院の理事長でもある山根基(もとい)先生の姿を子どもの頃から見て育ち、自然と同じ医師の道に進むことを決めたという宏昭先生、亜紀先生に、診療のことから医師としての思いなど幅広く聞いた。
(取材日2025年2月21日)
地域住民一人ひとりに合わせた医療を提供し続ける
ご家族で診療をされていると伺いました。

【宏昭先生】父が理事長をしており、息子の私と妹の3人で「地域のホームドクター」として診療をしています。それぞれの専門分野を生かして診療ができるので、風邪や外傷といった一般の内科や外科分野をはじめ、消化器や乳腺、肛門に関わる疾患など対応可能な診療は多岐にわたります。肛門外科に対応するクリニックがこの辺りにはあまりないので、遠方からいらっしゃる方や他院から紹介でいらっしゃる方も通院されています。他には、健康診断で数値が良くなかった方やセカンドオピニオンを受けに来られる方もいらっしゃいます。
医師をめざされたきっかけや、クリニックでの診療について伺います。
【宏昭先生】当院の2階が住居でしたので働く父の姿を見て育ちました。自然と医師を志し、金沢の大学を卒業後、広島に帰り市民病院や総合病院で勤務、2021年の4月に当院へ戻ってきて家族3人体制になりました。父1人で対応をしていた時よりもマンパワーが増えたので訪問診療も可能になりました。
【亜紀先生】私も医師をめざしたのは、身近な職業だったのが大きいと思います。大学卒業後に東京の健診センターや健診クリニックでひたすら内視鏡検査の経験を積みました。当院では、一般的な外来と胃カメラ、大腸カメラといった内視鏡検査、おなかのエコー検査を担当しています。
訪問診療について詳しく教えてください。

【宏昭先生】末期がんの方や、脳梗塞によって手足を動かすことが難しくなり通院が困難な方、認知症の方などのご自宅に訪問しています。患者さんのご家族から直接ご連絡をいただくことや、退院が決まった際に病院の方からご連絡をいただくこともあります。訪問診療が受けられなければ、ご家族の方が補助をしながら通院することになります。ご自宅での介助も大変でしょうし、外出となるとさらに負担がかかります。訪問診療に伺うことができれば処方箋も出せますし、薬の量の調整やできる範囲の検査も行います。患者さんご本人だけでなく、ご家族の負担も軽減させることをめざしています。24時間体制で大変なこともありますが、ご自宅で過ごしたいという希望をできるだけかなえてあげたいと思っています。訪問診療をしていた患者さんが、お亡くなりになる前にご家族の方と旅行に行かれたり、楽しまれている様子を見ることができたらうれしいですね。
それぞれの得意分野を生かした多角的な診療体制
宏昭先生は外科手術の経験も豊富なのですね。

【宏昭先生】専門とする消化器外科を中心に、呼吸器外科、乳腺外科などいろいろな手術をやってきました。当院でもその経験を生かして、消化器外科、肛門外科や乳腺外科などの手術を行っています。手術をして患者さんに笑顔になってもらえたら、非常にやりがいを感じます。対応が難しい症状の方には、大きな病院を紹介しています。また、手術後のケアまで対応していましたので、抗がん剤治療をされている方がどういった治療を受けられているのかだいたいわかります。どのような副作用がいつ起こるかなどもおおむね予測ができますし、がんでなくても手術をされた方が術後どのような状態になるか経験から経過が予想できることもありますので、大きな病院で手術をされた後に、ご自宅近くで通えるクリニックをお探しの方には力になれるのではないかと思っています。
肛門外科に関しての相談にも乗られているそうですね。
【宏昭先生】そうですね。痛みや出血といったきっかけで来院される方が多いです。原因は食生活や寒いところでのお仕事など人によってさまざまです。デリケートな部分だけに、事前に説明したうえで治療に進むことをいつも以上に心がけていますね。なかなか相談しにくいところはあるとは思いますが、投薬のみで治療できることも多いですし、負担の少ない手術の方法もあります。ライフスタイルに合わせて治療の進め方を提案することができますので、我慢せず違和感などがあれば早めに来院されることをお勧めします。
こちらでは検診も受けられると伺いました。

【宏昭先生】乳がん検診や胃がん検診、大腸がん検診を行っています。乳がんは早期に発見をできれば完治の期待もできるとされています。より早い段階での発見ができるよう、ぜひ定期的に検診を受けていただきたいと思います。当院ではマンモグラフィ検査とエコー検査をしています。がんの疑いがある方には、細胞診や組織診の検査も行っています。胃カメラといった検査は億劫という方もいらっしゃると思います。早期発見・治療のためにも検診は受けていただきたいと思いますが、問診などで隠れている症状を見つけられる可能性もありますので、まずは気楽に受診だけでもしていただけたらと考えています。
亜紀先生は美容分野についても学ばれているのですね。
【亜紀先生】もともと美容や化粧品に興味があったんです。産後に肌が荒れてしまって、サンプルを取り寄せていろいろ試して自分が良いと思えるものを探し求めたり、美容皮膚科に通った経験もあります。そこから「何かお役に立てるといいな」と思い、美容分野の相談にも乗っています。普段は内視鏡検査をしていますので、なかなか聞きにくい部分もあると思いますが、可能な限り相談に乗ったりアドバイスができればと思っていますので、気軽に声をかけていただけたらと思います。
可能な限り負担を減らし、病気の早期発見・治療に尽力
内視鏡検査は、痛みや不快感を心配する人が多いですよね。

【亜紀先生】当院では鎮静剤を使用していますので、「健診センターではつらくて検査を受けられなかった」という方でも楽に受けていただけると思います。もちろん技術も磨かなければいけませんが、薬も上手に使いつつ、なるべく苦痛なく検査を受けていただきたいと思っています。検査を受けた方に「楽だった」とか、「また次も先生でお願いします」と言ってもらえたり、またここで検査を受けたいと思って来てもらえたりしたらうれしいです。
気軽に通院しやすい工夫をいろいろとされているのですね。
【宏昭先生】そうですね。ライフスタイルは一人ひとり違いますので、皆さんにご利用していただきやすいように考えています。お仕事などで忙しくて来院する時間がない方などには、オンライン診療も行っています。診察を受けていただければ処方箋が出せ、薬局から薬を郵送してもらうことができるので、外出ができないけれどお薬が欲しいといったご要望にお応えすることができるかと思います。オンライン診療や訪問診療などをご活用いただいて、ご自身に合う方法で医療を受けていただければと思います。スタッフも増員して、待ち時間の改善にも取り組んでいるほか、院内も通路の幅を広くしたり、お手洗いをバリアフリーにしたりとリフォームも行いました。車いすを使われている方から、ベビーカーを使われている方まで、誰もが通院しやすい環境になるよう今後も改善を図っていくつもりです。
心がけていらっしゃることはなんですか?

【亜紀先生】父の代から長く通ってくださっている患者さんが多く、病気と関係ないこともお話ししに来てくれることもあり、うれしいですね。病気に関しては父に教えてもらうことが多いですが、幅広く相談に乗れるように心がけています。誰かと話したいという方も多いと思います。ゆっくりお話を聞くこと、ご高齢な方には大きな声で話をすることも気をつけています。
【宏昭先生】皆さんが来やすい雰囲気になるよう気をつけています。当院に長い間通院されている患者さんもいらっしゃいまして、看護師とお話をされている様子を見ていると皆さんと良い関係を築けているのかなとは思っています。これからも「地域のホームドクター」として、皆さんの健康のサポートをしていきたいと思っております。
自由診療費用の目安
自由診療とは乳がん検診/5500円~、胃がん検診/1万3200円~、大腸がん検診/1万4300円~