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通院困難者のための訪問診療
救急医療の利用抑制という利点も

広島ハートクリニック安佐南

(広島市安佐南区/西原駅)

最終更新日:2026/04/30

広島ハートクリニック安佐南 通院困難者のための訪問診療 救急医療の利用抑制という利点も 広島ハートクリニック安佐南 通院困難者のための訪問診療 救急医療の利用抑制という利点も
  • 保険診療

高齢や重篤な病気、障害などによって通院が困難になった場合、医師らが定期的に患者の自宅を訪問して診療を行う訪問診療を利用することができる。広島市安佐南区にある「広島ハートクリニック安佐南」でも、訪問診療を実施している。時には自宅での看取りも行い、地域の患者が最期まで住み慣れた自宅で過ごせるようサポートしている。「24時間365日、医師が自宅へ駆けつける体制を取ることは、近年人手不足が深刻化している救急医療の現場をフォローする役割もあるんです」。今回は中村真幸院長と木南貴博先生の2人に、同院が心を込めて取り組む訪問診療について尋ねた。

(取材日2026年3月27日)

患者だけでなく介護者の負担にも配慮、患者を支えるため地域の看護・介護従事者とも連携

Q訪問診療とは、どのような医療なのでしょうか?
A
広島ハートクリニック安佐南 訪問診療について話す中村院長と木南先生

▲訪問診療について話す中村院長と木南先生

【中村院長】自力での通院が困難になった患者さんに対して、医師が定期的に患者さん宅へ出向くかたちで提供される医療です。対象となるのはご家族が付き添わないと通院が難しい方や、末期がんや特定の難病、要介護度が高くて自分では動けない方です。目安としては、タクシーを使っても自力での通院が困難な方が利用できると考えてください。
【木南先生】ご自宅で最期まで過ごしてお看取りを希望される方にも対応しています。夜中に息を引き取られた場合に、死亡診断をしに伺うこともあります。

Q実際にはどのような場合に訪問診療が利用されていますか?
A
広島ハートクリニック安佐南 要介護度の高い人や認知症の人が利用することが多い

▲要介護度の高い人や認知症の人が利用することが多い

【中村院長】要介護度の高い方や認知症の方が多いですね。若くても末期のがん、難病で自宅療養中の方にもご利用いただいています。高齢者の場合は普段比較的元気でも、突然肺炎や脱水症状を起こすことがあります。そんな時、日頃から訪問診療を利用していただいていれば、救急車を呼ばなくても私たちで解決できる場合が多いです。そういう点で、訪問診療は救急医療を圧迫しないためにも必要なシステムだと考えています。
【木南先生】新型コロナウイルス感染症が流行した頃は、特に利用が多かったですね。これから高齢化が進んでいくと、訪問診療の需要はますます高くなるのではと予想しています。

Q自宅ではどのような診療を受けることができるのですか?
A
広島ハートクリニック安佐南 自宅でもクリニックの外来とほぼ同様の診療が可能

▲自宅でもクリニックの外来とほぼ同様の診療が可能

【中村院長】血圧測定、超音波検査、心電図などを含め、クリニックの外来とほぼ同様の診療が可能です。ただし頻繁な検査を当院だけで行うのは難しいので、訪問看護師の方にも入ってもらい、日頃の体調管理はそちらでお願いしています。終末期の患者さんに対しては、これから予想される容態の変化をご家族に説明し、受け入れられるように心構えを持っていただくことも大事です。ご家族が介護できる範囲も状況によって違うので、介護が厳しい状態になったら緩和ケア病棟などへつなぐこともあります。その見極めも訪問診療における大切な役割です。
【木南先生】治療に関しては、がんに伴う痛みの緩和治療なども自宅で行うことができます。

Qそれぞれのご専門を生かして診療されることもありますか?
A
広島ハートクリニック安佐南 自宅でも安心して過ごせるように配慮している

▲自宅でも安心して過ごせるように配慮している

【中村院長】私の専門である循環器疾患に関しては、患者さんに動悸や息苦しい症状が出て、ご家族が焦ることもよくあります。それで自宅で看病することを諦めるケースが少なくありませんが、「これからこんな症状が出ますよ」とあらかじめ説明しておくことで、自宅でもある程度安心して過ごしていただけるよう配慮していますね。
【木南先生】私は消化器内科が専門ですが、病院勤務で幅広い診療に対応してきたので、消化器以外の症状も詳しく診られます。病院では、在宅療養していた患者さんを緊急で受け入れることも経験してきましたから、訪問診療として何をどこまですべきか、どこまで可能なのかも判断できるのが強みです。

Q地域の病院と連携することもありますか?
A
広島ハートクリニック安佐南 関係機関と協力体制をつくり対応することが大切だという

▲関係機関と協力体制をつくり対応することが大切だという

【木南先生】そうですね。自分で診られる範囲はできる限り対応しますが、状態が急変したケースでは病院へ搬送したことも過去にありました。
【中村院長】ご家族の介護力が限界を超えないように、あまりにも負担が大きそうな場合は、短期的なレスパイト入院を勧めることもあります。連携する病院への入院まで、継続してフォローできるところが当院の特徴です。ご家族の生活が破綻してしまわないように、関係機関と協力体制をつくり対応していくことを心がけています。

ドクターからのメッセージ

中村 真幸院長、木南 貴博先生

【中村院長】訪問診療は、訪問看護師やヘルパーステーションと連携しながら、外来診療では難しい患者さんの「暮らし」の部分までカバーできるのがメリットです。自宅での療養を始めると、食欲が戻って長く暮らせている方もいらっしゃいます。家というものは患者さんにとって特別な場所だと感じているので、できる限り最期まで在宅で診続けたいと思っています。
【木南先生】在宅医療では介護者の存在と、介助しやすい家の環境づくりも大事です。不便を感じている部分を見つけて、一つ一つ解消していくように心がけています。「自宅で看取る」という選択肢があることを多くの人に知っていただき、望むお看取りができるよう支えていきたいです。