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新田 哲也 院長の独自取材記事

新田小児科医院

(広島市西区/横川駅)

最終更新日:2021/10/12

新田哲也院長 新田小児科医院 main

JR山陽本線の横川駅より徒歩約10分の場所にある「新田小児科医院」は、新田司郎先生が1959年に開業したクリニックだ。現在院長を務める新田哲也先生は司郎先生の孫、つまり3代目の院長。複数の病院の小児科で研鑽を積み、約3年前に院長に就任したばかりだ。開業以来、60年以上にわたり地域のかかりつけ医として親しまれてきた歴史を大切に守りつつ、「次代へ向けて一歩ずつ進歩していきたい」と意欲を燃やす哲也院長。祖父や父との思い出、小児医療への想い、地域のかかりつけ医としての役割などを、優しく穏やかな口調で語ってもらった。

(取材日2020年8月26日)

3代にわたって地域の健康を見守り続ける

先生が3代目の院長とお聞きしています。

新田哲也院長 新田小児科医院1

そうですね。祖父が1959年に開業して以来、60年以上にわたり、この地で診療を続けてきました。私が子どもの頃は、今ほど救急医療の体制が整っていなかった時代。夜中に往診依頼の電話が入ったり、お母さんがお子さんをおんぶして駆け込んでくることもしばしば。でもそんな時でも、祖父も父も嫌な顔ひとつせず、真摯に穏やかに対応していました。その姿を見て、幼心に医師という職業に憧れを抱き、ごくごく自然な流れで、医師をめざすようになったのだと思います。

小児科の医師になることを決めたのはいつ頃でしょうか。

新田哲也院長 新田小児科医院2

大学卒業のタイミングで小児科の医師になることを決めました。父からは「医院を継いでほしい」といったような要望は特になかったのですが、漠然と将来は医院を継ぐことになるのだろうとは思っていましたので、小児科の医師になることがベストな選択肢だと考えたんです。大学の先生からは「小児科はその特徴柄、仕事とプライベートの区別がつけづらい」とアドバイスをいただきましたが、昼夜を問わず、笑顔で患者に対応していた祖父と父の背中を見て育ってきたので、何とも思いませんでしたね。むしろ、望むところだ、という心境でした(笑)。

大学卒業後は、複数の病院で勤務されたのですね。

ええ。さまざまな病院の小児科で、さまざまな患者さんを診療してきました。病気を克服して元気を取り戻した患者さんがいる一方で、悲しい結果に終わってしまった患者さんもいます。そんな時はとことん思い悩み、葛藤しますが、最後は自分にこのように言い聞かせるようにしているんです。「反省すべきはしっかりと反省し、その経験を存分に生かして、いま生きている患者さんに向き合っていこう」と。振り返ってみると、その繰り返しだったような気がします。元気に暮らしているかつての患者さんはもちろん、亡くなられた患者さんのご家族とも、いまだに交流が続いているケースもあります。「将来は医師になりたい!」と言ってくれるお子さんもいるんですよ。そんな声を耳にした時は、この仕事を続けてきて良かった、医師冥利に尽きるなぁ、と感慨深くなりますね。

他の医療機関とのネットワークを生かした診療を展開

小児科だけでなく内科も標榜されています。

新田哲也院長 新田小児科医院3

私自身は勤務医時代も含めて、長年にわたり小児医療の分野で経験と研鑽を重ねてきました。これまで培ってきた、小児の疾患に関する知識や知見を生かして的確な診療を提供できるよう、日々努めています。実際に患者さんの大半がお子さんですが、内科全般に関する基本的な診療も行っています。祖父の代から通ってくださる患者さんもいるんですよ。ただ、設備やマンパワーの問題から、当院ではベストな診療を行うことができないと判断した場合には、速やかに他の病院等をご紹介します。それが地域のかかりつけ医の重要な役割だと自覚していますし、地域の医療機関と多岐にわたるネットワークを構築できているのも、当院の強みだと自負しています。祖父と父から受け継いだ大切な財産ですね。

普段の診療で心がけていることはありますか。

新田哲也院長 新田小児科医院4

お子さんには、できるだけ負担をかけたくないとは思っています。ですので、極力苦痛の少ない治療方法について絶えず探求していますし、なだめたり笑わせたり、コミュニケーションの面でも工夫を凝らすようにしています。また、まだ意志の疎通ができない小さな子どもが患者さんの場合は、お母さんやお父さんとのコミュニケーションが重要になります。さまざまな質問を通じて対話を深め、子どもの状態をお互いに理解する必要があるからです。定期健診などで来院される患者さんについては、その状態をつぶさに観察することを心がけています。患者さん一人ひとりのことを、日常生活を含め、よく知ることが地域のかかりつけ医の責務。些細な変化や兆候も見逃さず、適切な治療を迅速に提供できる医師で在り続けたいと思っています。

勉強会などにも積極的に参加されているそうですね。

医療の世界は、日進月歩のスピードで進化しています。ですので、常に最新の情報や知識を取り入れ、自分自身をアップデートする努力を継続しなければ、医師としての成長は望めませんし、患者さんに最善の治療を提供することもできないんです。また、小児科に限らず、さまざまな診療科の医師と知り合い、交流を深められるのも、こうした勉強会に参加することで得られる大きなメリット。人脈づくりにもたいへん役立ちます。祖父と父から受け継いだネットワークに、自分自身で築いたネットワークを加え、いざという時に頼り頼られる、地域の中でキラリと光る医院でありたいですね。

これまでも、これからも、地域で愛される医院へ

院長に就任してから新たに始められたことはありますか。

新田哲也院長 新田小児科医院5

これといってないかもしれません。強いて言えば、エコー機器を導入したことでしょうか。「地域の皆さんの健康を誠意を持って見守る」という当院のモットーは、これからも変わらないと思います。先代の院長である父とは数ヵ月しかともに仕事をしませんでした。意見が食い違うこともたびたびありましたが、基本的には「やりたいようにやればいい」というスタンスで、私の言うことを寛大に受け入れてくれる医師でした。祖父と父が紡いできた地域の方々との信頼関係を大切にしながら、自分自身の考えやアイデア、オリジナリティーを少しずつ発揮しながら、当院の新たな伝統を築いていきたいですね。

休日の過ごし方を教えてください。

新田哲也院長 新田小児科医院6

寝ていますかね(笑)。仕事にすごく集中してしまうタイプなので、そのぶんクタクタになっちゃって。休みの日には、ついつい寝過ごしてしまうことが多いんです。気分転換にドライブすることも結構あります。気ままに車を運転して、道中の温泉に漬かったりしています。特に予定も決めず、その時々で心地良いと感じることをのんびりとやるのが、私にとっての最高のリフレッシュ方法ですね。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

昨今の新型コロナウィルス感染拡大の影響もあり、受診を控える患者さんもいらっしゃるようです。ただこの問題があっても、予防接種などの基本的かつ日常的な処置を受けることの重要性は何ら変わりません。十分に注意しつつ、神経質になりすぎないことも大切です。当院では予防接種を行う際にも、副作用や日常生活を送るうえでの注意点など、細部にわたり、きちんと丁寧に説明することを心がけています。また、子育てに関する悩みなども、ぜひ気軽にご相談ください。これからも、地域の皆さんのお困り事に親身に寄り添える、ご近所のお医者さんで在り続けるべく、3代目院長として努力を重ねていきたいと思います。

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