心が疲れたなと感じたら
医療機関の受診も検討しよう
そごう心療内科クリニック
(広島市南区/的場町駅)
最終更新日:2024/10/01


- 保険診療
家庭や仕事のストレス、複雑な人間関係、SNSによるコミュニケーションの行き違いなどから、近年増加傾向にあるという抑うつ状態や不安障害。知らぬ間に症状が進み、気がつくと日常生活に影響を及ぼしていることもある。また、別の病気が原因で、抑うつ状態を引き起こすこともある。広島市南区にある「そごう心療内科クリニック」は、精神科、心療内科の診療を始めて50年になるクリニックだ。「一方的な治療ではなく、互いに考えて解決していこうという気持ちを大切にしています」という2代目院長の十河正信先生に、心の不調の原因や兆候、専門家に相談することのメリット、受診のタイミング、日常生活において気をつけておきたいことなどを聞いた。
(取材日2024年4月3日)
目次
対話を重視し、患者とともに歩んでいく治療法を大切に
- Q心の不調を感じた時はどのようにしたらよいでしょうか?
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A
▲少しでもサインに気づいたら早めの受診を
自分一人で頑張ろうとせず、まずは周りの人に相談してほしいですね。相談先としては、自分のことをよく知っている家族や友人がいいと思います。仕事の悩みでしたら、同僚や上司がよいでしょう。けれども、真面目で人当たりが良く、悩みをためこんでしまう人もいます。その場合は、家族や同僚が変化に気づいて、優しく声をかけてほしいです。あまりにつらそうだったら、心療内科などを受診することを勧めてもらえるとより良いですね。また、「眠れなくなった」「寝ても体の疲れが取れない」「倦怠感が強い」「趣味が楽しめなくなった」「食欲がなくなった」といったことが抑うつのサインなので、それらに思い当たる場合は早めに受診してください。
- Q心療内科や精神科を受診するメリットは何ですか?
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A
▲患者との対話が大切になる診察室
悩みは思い切って話すことが重要です。医療機関には心の疲れに対するスペシャリストがいますので、悩みを共有して気持ちを楽にすることも望めます。ため込んだままだと自律神経にまで悪影響を及ぼすことがあるため、非常に危険です。なお、甲状腺の病気や糖尿病、膠原病、貧血などが抑うつ状態を引き起こす場合もあります。例えば貧血は、血液内のヘモグロビンの濃度が減少することで、酸素が体に十分に行き渡らなくなります。すると、疲れやすくなったり、無気力状態になったりするんです。それらは検査をしないとわかりませんので、その意味でも受診することが大切。インターネットの情報などで自己判断するのはやめたほうがよいでしょう。
- Q最近は、抑うつや不安障害に悩む方が増えているそうですね。
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A
▲抑うつや不安障害も人により症状はさまざま
どちらも増加傾向にあります。抑うつは、学校や会社での人間関係、仕事でのストレスが主な原因で、男性にやや多く見られます。不安障害は女性に多い傾向があります。鍵や火の元を確認しないと不安になるといった強迫性障害、満員のバスやエレベーター、人のいない公園が怖い広場恐怖症、人と接するのが怖い、人前に出られないという社交不安障害、自分で対処できないことに直面すると過呼吸や動悸、手足の震え、汗が出るといったパニック障害など、多様な症状があります。最近はSNSを使っている人が多いため、顔が見えない相手から投げられるきつい言葉に強い不安感や恐怖心を抱く人も増えています。
- Qこちらのクリニックでは対話を重視されているそうですね。
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A
▲対話を重視した丁寧な診察を心がけている
ゆっくりと信頼関係を築きたいという思いから、初診の際はたっぷり時間を取って話を聞くよう心がけています。周りの人に話せなかったようなことも、専門家にだったら話せるという場合もあるでしょう。勇気を出して話をすることも、治療にはとても重要です。話を聞く際は、患者さんとともに歩む気持ちを行動で示すように心がけています。そのため、「今まで大変だったね」という共感や、「話してくれてありがとう」という感謝の気持ちを、しっかり言葉にします。また、きちんと話を聞いていることを伝えるために、患者さんの話を要約して返すこともします。一方的な治療ではなく、互いに考えて解決していこうという気持ちを大切にしているんです。
- Q心に不調を起こさないため日常的にできることはありますか?
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A
▲健康な生活、人との対話が大切だと話す十河院長
基本的なことですが、早寝早起きを心がけ、生活リズムを乱さないことが大事です。睡眠と食事をしっかり取り、ウォーキングなど有酸素運動をして、健康な生活を心がけてください。日光を浴びるのも、とても大切です。反対に、暴飲暴食はやめましょう。お酒の飲みすぎで朝起きるのがつらくなり、そこから心の不調を来すケースもあります。最も大切なのは親友や家族など、何でも話せる人をつくることです。こういったことに気をつけることで、心の不調の改善につながる場合もありますし、予防にもつながります。