近隣の基幹病院と連携の上、24時間体制で訪問診療や往診に対応

Q訪問診療とは、どのような医療サービスでしょうか？

A

▲佐貫内科医院では、2025年5月から新たに訪問診療を開始した

通院が難しい患者さんや、自宅療養が必要な患者さんに対して、その方が生活されているご自宅や介護施設へ出向いて医療を提供するのが訪問診療です。対象となるエリアは「医療機関から16km以内の範囲」にお住まいの患者さんで、松江市なら市内ほぼ全域が対象となりますし、当院の場合、クリニックが八雲町にあるので郊外の奥出雲町や玉湯町、安来市の広瀬町なども範囲内ですね。提供する医療は診察や血液検査、尿検査、簡単な心電図やエコー検査など、一般的な外来診療と同レベルの医療を受けることができますよ。在宅医療の患者さんに多い「胃ろう」や「中心静脈栄養の点滴」などの専門的な処置・管理にも、訪問看護師と連携して対応します。

Q急な往診にも対応されているそうですね。

A

▲定期訪問のほか、突発的な往診や、緊急入院の対応・手配にも対応

まず、訪問診療と往診の定義からご説明すると、「月に2回、第1・3火曜日で」といったふうに訪問日を決めてその計画のとおりに実施するのが「訪問診療」。それに対して、患者さんが急に具合が悪くなった時など、突発的な依頼に対応するのが「往診」です。当院は「機能強化型在宅療養支援診療所」として、地域の基幹病院と連携し、往診はもちろん、緊急入院の対応・手配や、看取りとなった際の対応も行います。当院の電話番号にかけていただければ24時間つながるようにしています。研究会参加などで私が直接伺えない時でも、連携する病院と協力することで、切れ目のない医療を提供していきます。

Q訪問診療を希望する場合、どのような手順を踏めば良いでしょう？

A

▲「気軽にご相談ください」と仁宣副院長はほほ笑む

当院に直接ご連絡いただいても結構ですし、担当のケアマネジャーさんがおられる方はそちらを通してご相談いただくのも手ですね。当院には社会福祉士が在籍しているので、介護保険の申請をしておられない方も一から相談に応じますよ。今は通えているけれど将来的に不安……といった場合にも「通えるうちは外来で、難しくなったら訪問へ移行する」といった柔軟な対応も可能です。費用面を心配される方もおられますが、訪問診療は基本的に医療保険が適応されるので経済的負担は大きくなく、利用しやすい医療サービスだと思います。公共交通機関やタクシーを使いなんとか頑張って通院しているといった方も、一度検討してみてもいいかもしれませんね。

Qこちらの訪問診療には、どのような特徴がありますか？

A

▲仁宣副院長と、その父・佐貫裕院長で連携し、急な往診にも対応

地域に根差したクリニックとして、ご高齢の患者さんの罹患率が高い、高血圧症や糖尿病などの生活習慣病の治療に長く力を入れてきましたので、その点は訪問診療にも生かせているのではと感じています。常勤医が2人在籍しているので、急な往診にも柔軟に対応しやすいのも強みですね。私自身は循環器内科が専門なので、心血管疾患の治療はもちろん、将来的には心臓リハビリテーションにも対応したいと考えています。また、当法人ではデイケア施設の運営もしているので、送迎つきのデイケアでリハビリを行うなど、介護・医療両面でのサポートも可能です。外来・在宅・介護までシームレスに対応し、患者さんやご家族全員の健康を支えていきたいです。

Q訪問診療で心がけていることはありますか？

A

▲地域に根差したクリニックとして外来・訪問の両軸で尽力していく

当院は、この辺りが松江市に合併される前の「八雲村」だった頃からたくさんの患者さんに寄り添い、地域密着の診療を続けてきたという自負があります。だからこそ、「漏れがない医療を患者さんに提供していきたい」と思い、この度の訪問診療への展開を決めました。単なる提供先ではなく、「あなたに診てもらいたい」と思っていただけるような訪問診療をめざしていきます。自宅だと医療のレベルが劣ってしまうのではと心配される方もいるかもしれませんが、当院の訪問診療では検査も含めて外来診療と同レベルの医療を提供しています。患者さんやご家族に安心して過ごしていただけるように努めてまいります。気軽にご相談いただけたらうれしいです。