全国のドクター8,907人の想いを取材
クリニック・病院 161,004件の情報を掲載(2021年12月02日現在)

  1. TOP
  2. 島根県
  3. 松江市
  4. 乃木駅
  5. 内田クリニック
  6. 内田 昭弘 院長、内田 明子 副院長

内田 昭弘 院長、内田 明子 副院長の独自取材記事

内田クリニック

(松江市/乃木駅)

最終更新日:2021/10/12

80184 top

JR山陰本線・乃木駅から徒歩10分の「内田クリニック」は不妊治療専門の婦人科と、内科を併設し、婦人科担当の内田昭弘院長と内科担当で妻の内田明子副院長が二人三脚で運営している。内田院長は「不妊に悩む人がどうしたら家族をつくれるか」という思いから生殖医療を学び、1997年に開業。内科疾患が不妊に関わっていることが多いことから、総合的な不妊治療を提供したいと、明子副院長に声をかけて2005年に内科を開設した。内科では予防医学に力を入れ地域の人の受診も多い。患者や相談者に対して真摯に向き合う2人に、クリニックの取り組みを聞いた。

(取材日2020年12月9日)

総合的な不妊治療を提供したいと内科を開設

院長が産婦人科専門の医師を志した理由、開業までの経緯を教えてください。

1

【内田院長】産婦人科に進んだのは、医学部の学生時代に聞いた「仮に産婦人科がなくなったらすべての科がなくなる」という産婦人科の教授の言葉がきっかけです。「子どもが生まれなければ、診てあげる人自体がいなくなる」という意味で、とても印象に残り、産婦人科に魅力を感じました。その後大学病院に入り、研修医時代に済生会江津総合病院の産科に勤務したのですが、生命が誕生して家族ができる場面に出会えることにやりがいを感じる中で、不妊で悩んでいる方々の力になれないかと思うようになっていきました。産婦人科が好きだからこそ何とかしたいと思ったのです。しかし大学では不妊治療だけに集中するのは難しく、1997年に当時としては珍しかった不妊治療専門のクリニックを立ち上げました。

副院長のご経歴と、クリニックでの内科の開設についてお聞かせください。

【明子副院長】不妊は、内科の疾患が原因になっていることがあるため、「総合的に診たいから内科をしてくれないか」と院長から声をかけてもらい、開設に至りました。ただ私はもともと放射線科の領域の医師として、内視鏡や超音波、CTなどの検査と読影がメインで、当直や外来での内科診療は経験こそあったものの、不妊治療に関する内科疾患については不安がありました。ですが不妊に関係するのは糖尿病の予備軍、甲状腺異常が多いと知り、これまでの診療や検査を通じてなじみのある疾患だったので、引き受けることにしたんです。勉強しながら院長にも教えてもらい、ここまでやってこれました。

不妊と内科疾患にはどのような関わりがありますか?

2

【明子副院長】一般的に女性は男性よりも生活習慣病になりにくいのですが、病気としては現れていなかったり、健康診断では問題なくても、不妊の原因になっている場合があります。不妊治療では、最初にスクリーニング検査をしますが、そこで初めて糖代謝や甲状腺の軽い異常がわかることも。またコレステロール値が高い、体重を落とした方が良いほうもいますが、不妊治療中となると妊娠の可能性がある人たちですので、コレステロールを下げる薬を出すことができません。しかしコレステロールを下げなければ妊娠中の合併症の危険もありますので、生活習慣改善の指導を行っていきます。お薬は、妊娠している可能性がある人に対しても院長と相談しながら処方していますし、予防接種も行っています。

不妊治療中の二人をサポートする体制を整備

不妊カウンセリングや専門看護師への相談ができるのですね。

3

【内田院長】開業した1997年当時は、大学病院でも体外受精で良い結果に結びつく人は1年でもほんのわずかでした。そういう時代ですから、クリニックを開いても、どうしても妊娠できない人たちがいたわけです。治療に通っても良い結果を得られない人たちが、納得して落ち着いて治療を継続したり、生活を送れるようにしたりするには、どうしたらいいのか、自分たちに何ができるか。それが大きな課題でした。そこで始めたのが、心理カウンセリングが受けられる体制と、看護師と患者さんが1対1で相談や質問ができる時間を設けるということでした。以来、ある程度の質問は看護師だけで対応できるように皆、勉強していますし、カウンセラーも自身の不妊治療の経験も踏まえた親身なカウンセリングを行ってくれています。また、行政と協力し妊娠できないカップルの方へ、家族をつくるための選択肢には養子や里親という形もあることをお伝えするようにしています。

妊活セミナーも主催しているそうですね。

【内田院長】セミナーでは、「不妊の基礎について」、「タイミング療法から排卵誘発剤や人工授精について」、「高度生殖補助医療について」という3つのテーマを年4クール、1クール3回開催していて、当院を受診していない方も参加できます。医師・看護師・培養士・カウンセラーがそれぞれの立場から話をして、お二人が「不妊について決断ができる知識と情報を持つ」ことが目標です。不妊治療を考えている人、すでに治療している人は、こちらが驚くほど情報を収集して、勉強をしている人が少なくありません。しかしまったく知らないという人も多いです。しかし知識がなければ、治療を受ける時に選択肢があっても選ぶことができません。皆さんに選択ができる知識や情報を得てほしいと、セミナーを開催しています。

不妊治療と内科、それぞれどのような治療を受けられますか?

4

【内田院長】タイミング法から体外受精、顕微授精など、一通りの生殖医療を提供しています。まずは検査をして、その結果を見てどの治療を行うかお二人と考えていきますが、体に負担が少ない方法での妊娠が一番。ですので、まずはタイミング法から始めていきます。不妊治療に大切なのはお二人に適した治療をしっかり行うこと。それができれば妊娠につなげていける期待も上げられると考えていますが、実際はそう簡単ではありません。私は不妊治療の専門家として可能性のある治療の提示をしますが、それをどこまで行うかはお二人の考えを尊重します。
【明子副院長】婦人科との関わりで、早期の糖代謝異常、潜在性の甲状腺機能異常もたくさん診ているので、生活習慣病の管理や、禁煙治療など、予防医学に自然と重心が向くようになりました。また放射線科で内視鏡検査やエコーをしていたので、胃腸の疾患の検査のほか、健康診断や人間ドックにも対応しています。

できる限り早めの相談を

不妊治療を迷っている人に知っておいてほしいことはありますか?

5

【内田院長】妊娠出産において、女性の年齢にはリミットがあります。できれば30歳までに1人目の妊娠出産をすることがベストとされていますが、それぞれの生き方やライフスタイルがあり、一概に言うことができないことも承知しています。ただ、「子どもが欲しい。家族をつくりたい」というカップル、特に35歳を過ぎて結婚をされてお子さんを望む場合はなるべく早く相談してほしいと伝えたいです。そのために、まずご夫妻で「子どもは欲しい? じゃあ何人?」とライフプランの話をしてほしい。1人目を産んだ後、2人目はだいたい3年後、3人目となるとさらに3年後になります。「結婚=子ども」だけではありませんが、何人家族がよいのか、逆算をしながらこれからを相談してほしいと思います。

内科の診療で心がけていることは何ですか?

【明子副院長】患者さんとしっかりお話しして、背景までくみ取ってあげたいと思っています。女性医師の強みとして、院長には話せないけど女性には話せるという方が少なからずいます。もちろん、ドクターに対して敷居の高さを感じている方も多いのですが、話ができないドクターにならないように心がけています。それでも話せない人は、待ち時間に看護師さんに問診してもらって関係性をつくってもらい、診察室でその内容を確認しながら不調の原因を探っていきます。私は父を胃がんで亡くしており、子ども心にドクターがもっと患者さんの背景や気持ちを拾い上げることができるのではないかと感じていたので、その気持ちが根源にあるのだと思います。

今後の展望をお聞かせください。

6

【内田院長】個人の多様性を認められる社会になり始めている今、LGBTのカップルの方がどうしたら家族をつくれるか、生殖医療の現場から考えていかなくてはと思っています。日本では精子提供できても卵子はできないといった治療面や、同性婚などの制度面の課題もあります。しかし、産婦人科医療でご夫婦ベースから内縁関係の治療も認められつつあったり、学校でジェンダーレスの教育が始まったりと変化は始まっていると感じます。子どもたちが大きくなった時に状況が変わっていてほしいと願い、現場から行動を起こして発信をしていきたいです。

自由診療費用の目安

自由診療とは

【婦人科】人工授精代(1周期)/3万円~5万円、体外受精(1周期)/40万円~50万円、顕微授精(1周期)/45万円~55万円、凍結融解胚移植(1周期)/20万円~25万円
【内科】健康診断(特定検診など自治体のものを除く)/3500~9500円、人間ドック(外来半日ドック)/3万8000~5万円、各種の任意接種ワクチン(B型肝炎、インフルエンザ、風疹、HPVなど)/3000円~1万6500円

Access