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石田 寿一 院長の独自取材記事

石田内科循環器科医院

(米子市/弓ケ浜駅)

最終更新日:2022/04/21

石田寿一院長 石田内科循環器科医院 main

国道431号線の鉄工団地入口から車で5分の場所にあり外浜線に面する「石田内科循環器科医院」は、日ノ丸バスの夜見上谷入口停留所から徒歩1分とバスでの通院も便利。石田寿一(いしだ・ひさいち)院長が1987年に開業以来、近隣住民の健康維持に貢献してきた。赤れんがで造られた建物に足を踏み入れると、高い位置にまで窓が配置された吹き抜けの開放的な空間が広がる。長年米子エリアの循環器医療に尽力してきた石田院長。自身も高齢になり、体力的な理由から現在の終日診療は週3日だが、かかりつけ医としてより良い医療を提供できるよう疾患に関する知識のアップデートも欠かさない。「どんなことでも相談してほしい」と穏やかな笑顔を見せる石田院長に、これまでの足跡や患者への思いなど、じっくり語ってもらった。

(取材日2022年3月24日)

循環器疾患などの経過観察を中心とした診療を提供

ご専門は循環器内科と伺いました。

石田寿一院長 石田内科循環器科医院1

はい。50年以上前にさかのぼりますが、私が学生だった頃は40~50代になると脳卒中になる人が増え、50代で後遺症に苦しむという人も珍しくない時代だったんですね。1969年に鳥取大学医学部を卒業後、大学の付属病院に勤務していた時、循環器内科には血圧が高い状態が続いて入院される患者さんが多くいらっしゃいました。血圧をコントロールするための薬がない時代で、患者さんが頭痛を訴えて目の前で倒れることもありました。大学病院においてもこのような大変な状況であることに衝撃を受け、高血圧に苦しむ人を助けたいという思いが高まり、循環器内科の道へ進みました。

大変な時代を経験されてきたのですね。

そうですね。高血圧についてはその後、血圧をコントロールするためのカルシウム拮抗剤やβ遮断薬が登場して治療が劇的に変化し、脳卒中や脳梗塞の患者さんも減少につながりました。しかし、そのうちに食生活の欧米化の影響から、今度は心筋梗塞や狭心症などで亡くなる方が増えてきたのです。そこで、冠動脈造影の知識や技術を身につけるために九州の小倉記念病院で勉強する機会をいただきました。その後、こちらへ戻ってきてからは虚血性心疾患を専門として山陰労災病院循環器内科の立ち上げにも携わらせていただきました。そこでは、胸の痛みを訴える患者さんには冠動脈造影検査を行い、心筋梗塞が発見されれば即時に入院治療に入ります。夜中に治療を行ったり、立て続けに患者さんが運ばれてきたりして徹夜が続くこともありましたが、大切な命を救うことに大きなやりがいを感じていました。

循環器内科は、緊急性が高い病気を多く扱う診療科なのですね。

石田寿一院長 石田内科循環器科医院2

特に心筋梗塞や狭心症といった虚血性心疾患は、症状が出たらすぐに処置しなければなりません。当時は若く、使命感を持って治療にあたっていましたが、ハードな診療への対応も年齢的に限界があります。循環器内科の急性期治療にあたる者の宿命として、40代になると自分自身の体力の衰えを感じてきました。院内で若い先生方が育ってきたのを見届け、1987年に退職して循環器疾患の経過観察、コントロールを中心とした診療を行うべく当院を開業しました。高齢者に多い疾患であるため、患者さんの通いやすさを考え、ご高齢の方が多く暮らすこの地を選びました。以降、近隣にお住まいの方々の生活習慣病などを診ながら、心臓疾患などの疑いがある患者さんがいれば病院に紹介するといったかたちで診療を続けています。35年たちますので10年、20年と通われている患者さんも多く、皆さんとは古くからの友達のようなお付き合いをしています。

近隣の医療機関と連携し、より良い治療へと導く

どのような患者さんが来院されますか?

石田寿一院長 石田内科循環器科医院3

当院の患者さんは、糖尿病や高脂血症、高血圧症といった生活習慣病の方、狭心症や心筋梗塞後・心不全のある方がほとんどです。また、新患で来られる方は検診で血圧や糖尿病を指摘された方が多く、そのほか胸痛・背部痛・動悸などの心疾患疑いの方もよく来院されますね。患者さんの話をよく聞いて、循環器疾患などの疑いがあれば病院へ紹介して必要な検査・治療を受けていただいています。また、最近は糖尿病の方が増えています。病気をコントロールする薬も進化しており、私自身も知識のアップデートに努めています。どのような病気も私一人ですべてを診ることは難しいため、近隣の医療機関と連携して患者さんがより良い治療を早く受けられるよう心がけています。病院にご紹介するときには「ちゃんと帰ってくるんだよ」と声をかけて送り出しています。

どのような検査ができますか?

24時間心電図や24時間血圧測定、胃のバリウム検査、デジタルエックス線撮影などが可能です。24時間血圧測定は24時間の血圧を連続して測定し、折れ線グラフで確認できるもので、就寝時の状況も把握できて血圧管理に有用な検査です。病気の見極めにおいては、病院勤務時代に多くの患者さんに向き合ってきた経験が大いに役立っていると感じています。

建物や院内もこだわられていますね。

石田寿一院長 石田内科循環器科医院4

はい。自宅と隣接した医院を作りましたが、35年たっても診療に支障を来すような劣化もなく、しっかりしたものを建てていただいたと感謝しています。壁の高い位置にまで窓があり、吹き抜けという造りは開放的で気に入っていますね。冬はストーブや掘りごたつを用意して、暖かく過ごせるよう努めてきました。医院全体に目が行き届くよう、ワンルームの中央に診察スペースがあり、周囲に等間隔で採血や点滴、心電図、エックス線といった検査を行うエリアを配置しています。また患者さんなどからお花をいただくと待合室に飾り、大切に育てています。ランやカトレアなど毎年きれいな花を咲かせ、患者さんや私たちの目を楽しませてくれます。スタッフがお子さんの入学式や卒業式にコサージュ代わりに胸に飾っていくこともあるんですよ。

定期的な健康チェックで健康長寿に

医師をめざしたきっかけをお聞かせください。

石田寿一院長 石田内科循環器科医院5

小学生の頃に病気で約1年間、学校を休んで入院したことがあります。この時に、自分も助けてもらったので、何か人の助けになるような仕事をしたいという思いが芽生えたのかもしれません。現実的に将来の進路を考えた時に、医師が選択肢の一つにありました。幸運にも医学を学ぶ機会に恵まれ、医師になってからも周囲の先生方の熱心な指導を受けたからこそここまでやってこられたのだと思います。誰にもいつか必ず死は訪れますが、私たちが医療を行うのは、できるだけ長く健康な人生を送っていただくためだと考えています。年齢とともに衰えるのは仕方のないことですが、そのスピードを緩やかにして、長く元気に生きられるようお手伝いできればと思っています。

これからどのような患者さんに来ていただきたいですか?

どんな症状でもかかりつけ医として対応しますので、まずはご相談いただきたいですね。当院で診られる症状であれば診て、症状をお聞きして必要だと判断すれば、近隣の医療機関の先生方とのネットワークを生かして適切な病院・クリニックにご紹介します。眼科や耳鼻咽喉科に関することでも、足が痛いといった症状でも構いません。普段の患者さんの体調をよく理解した上で、専門の先生のところでより良い治療を受けていただけるよう、最初の窓口になるのもかかりつけ医の役割だと考えて対応しています。現在は、私自身の体力面を考慮して終日診療は週3日とさせていただいていますが、循環器内科にとどまらず、なんでも安心してご相談いただける医院をめざしています。

最後に、読者のへのメッセージをお願いします。

石田寿一院長 石田内科循環器科医院6

若いうちは夢中で仕事をして、自分の体について考える余裕などないかもしれません。しかし、40~50代になったらご自身の体をいたわり、健康状態をしっかり把握していただきたいと思います。企業健診や国民健康保険の基本健診などで毎年ご自身の健康状態をチェックすれば、糖尿病や高血圧症、そのほかの病気も早期に発見できて、早期に治療を受ければ大事に至るリスクも減るでしょう。当院の開業当初から見ると、現在の平均余命は約10歳も延びており、患者さんの中には80代後半、90代でもしゃんとされている方がたくさんいらっしゃいます。これは食生活の改善や病気の早期発見・早期治療が可能になったことに加え、薬の開発が進み病気をうまくコントロールできるようになったからでしょう。特に人生後半になったら、ご自分の体に目を向けて健康管理に努めてください。今後ともかかりつけ医として皆さんの健康維持に貢献していければうれしく思います。

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