重大な病気が隠れていることも
呼吸器専門クリニックが治療の近道
田村クリニック
(宝塚市/逆瀬川駅)
最終更新日:2025/06/10


- 保険診療
ただの咳、と我慢したり放置したりしている人は多いはず。咳は驚くほど体力を削る上に、発熱を伴っている場合は重症化も懸念されるとか。「1週間以上咳が続くなら、当院へ気軽に相談してください」という「田村クリニック」の田村大介院長は、神戸大学医学部附属病院の呼吸器内科で長く診療を続け、肺がんや結核などの重篤な治療にも精通している。2020年にクリニックを本格継承してから、さらに画像の読影に磨きがかかったと話す。「肺の中で何が起こっているか想像がつきますし、そこから病態を見極めて、治療の道筋をつけていくことが私の仕事」と呼吸器内科の専門家の目線で、日々診療にあたっている。そんな田村院長に、咳についてさまざまな角度から解説してもらった。
(取材日2025年4月15日)
目次
長引く咳は、肺がんや結核などの重大な病気が原因の可能性も。安心のためにも呼吸器専門クリニックへ
- Qこちらではどのような呼吸器疾患を診てもらえるのですか?
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A
▲これまでの経験を生かし、専門性の高い呼吸器内科診療を提供
咳、痰、血痰、動悸、息切れなど、呼吸器疾患を幅広く診ています。動悸、息切れなどは「心臓の病気」を心配しがちですが、検査をしたら肺の病気だったということもあるので、回り道せずに当院へご相談いただきたいですね。血痰も大きな病気を疑いがちですが、肺からの出血かどうかを見極めることが大事です。実は鼻や口からの出血が原因だった、ということもありますから、安心のためにもぜひ受診をお勧めします。3週間以上続く長びく咳の原因は他に咳喘息やアトピー咳嗽、逆流性食道炎なども疑われますがその判断はなかなか難しいためご自身で判断せずやはり専門の医師を頼っていただいたほうが良いですね。
- Q咳症状がある場合のベストな受診のタイミングはいつですか?
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A
▲悪い病気の可能性を除外した上で、診断と治療を行う
ウイルス感染に伴う風邪症候群や気管支炎・肺炎などは急性咳嗽(がいそう)といわれるカテゴリーに入ることが多く、3週間以内に収まることが多い咳ですがこれも適切な治療のもとでの話ですのでやはり早めに専門家に相談してください。咳は体力を消耗しますし、風邪をひいているならなおのこと悪循環に陥ってしまうこともありますので、つらいと思ったらすぐに来てください。基本的に1週間たっても続く咳は「普通ではない」と思ってもらいたいですね。特に発熱を伴う咳の場合は発熱が丸2日以上続くのであれば早々に受診されても早すぎるということはありません。結局症状が気になった時にはいつでも来ていただければ良いと思っています。
- Q呼吸器専門のクリニックを受診するメリットを教えてください。
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A
▲長引く咳は我慢せずに早めに受診を
早い段階から呼吸器専門のクリニックを受診いただくことで見落としてはいけない重大な呼吸器疾患を無駄な時間を費やすことなく速やかに見つけることができることだと思います。まずエックス線写真を撮って専門的な視点で読影し、肺がんなどの悪性の疾患が隠れていないかを判断します。私は大学病院にいた頃から多くの画像診断をしてきましたので、見逃さないように細心の注意を払っています。またつらい症状を長引かせることは、患者さんにとってデメリットしかありません。症状緩和の最短距離を通るためにも、呼吸器の専門クリニックを受診するほうが良いですね。
- Qここではどのような検査や治療を受けられますか?
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A
▲検査結果をもとにさまざまな呼吸器疾患から絞り、治療を進める
画像診断、肺機能検査を必要に応じて行うほか、呼気一酸化窒素濃度測定器で気道の炎症状態を評価し、採血で全身の状態を見極めてからお薬の調整へ移ります。ここまでを一貫して行ってから治療のゴールをめざすイメージです。検査や治療においては、大きな病院の呼吸器内科と同じ流れをめざして取り組んでいるので、当院へ直接ご相談いただけるほうが早いですし、結果的にリーズナブルではないかと思っています。呼気一酸化窒素濃度の測定は喘息の診断や治療効果の判定に有用です。当院では喘息治療開始後もこうした検査を定期的に行いこれらのデータをもとに喘息の病状をモニターしています。
- Q先生が呼吸器疾患を診る上で大切にしていることは何ですか?
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A
▲症状を繰り返さないためにも、治療の継続が必要と話す田村院長
漫然と治療をするのではなく、患者さんの状態に合わせて適切に治療を行うことです。慢性的な疾患の場合治療を始めたら何も治療を変更せずに同じ薬をワンパターンで処方する、ということになりがちです。しかしメリハリのない治療は患者さんの不安や不信感につながりますし、治療意欲の低下にもつながりかねません。ですから私は患者さんの状態を診て適切に薬を減らす、そして治療目標は休薬・中止をするという考えを前提に治療を提案しています。ただ薬をお守りのように感じている患者さんの気持ちを無視して一方的に治療を変更することは良くないので常に患者さんとコミュニケーションを取りつつ治療を一緒に考えて進めていくようにしています。