痛みや不安に配慮
麻酔を使用して苦痛に配慮した内視鏡検査
吉江胃腸科外科
(伊丹市/稲野駅)
最終更新日:2021/10/12
日本人の死亡原因の上位に上がる胃がんや大腸がん。超高齢社会に突入した日本で、今後も増加が予想されるこの2つの悪性疾患の早期発見に役立つのが内視鏡検査だ。もちろん、がんだけではなく、さまざまな消化器疾患の診断・治療にも大いに役立っている。しかし「カメラを挿入するのが苦しいのではないか」「痛みが大きいのではないか」と検査に不安を感じ、大事な検査だとわかりつつも、恐怖心からなんとなく検査を避けている人は多いのだそう。そこで今回は、消化器の専門家として多くの内視鏡検査を行ってきた「吉江胃腸科外科」の吉江秀範副院長に、内視鏡検査のメリット、検査に伴う苦痛を軽減するための工夫についてなど詳しく聞かせてもらった。
(取材日2020年3月10日)
目次
消化器疾患の早期発見に役立つ内視鏡検査。35歳を過ぎたらぜひ一度検査を
- Q内視鏡検査では、どのようなことがわかるのでしょうか?
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A
内視鏡検査とは、胃や大腸に潜む病気を発見できる検査で、日本人に多い胃がんや大腸がんの早期発見に役立てられています。胃の場合は鼻か口から、大腸検査の場合は肛門から先端に小型カメラがついた細い管を挿入して行います。食道、胃、十二指腸潰瘍や大腸の粘膜を直接観察することができ、がんはもちろん、逆流性食道炎や胃炎、大腸ポリープや炎症性疾患の発見・治療にも力を発揮します。普段見えない部分を可視化できる検査ですので、さまざまな症状の原因を探っていくのに適した検査と言えるでしょう。もしも病変が見つかれば組織を採取して顕微鏡で細胞を調べることもできますし、ポリープの切除などの治療も同時に行うことも可能です。
- Qどのような年代の方が検査を検討すべきでしょうか?
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A
胃カメラは35歳くらい、大腸カメラは40歳くらいで受けてみるといいと思います。現在は無症状であっても、その人の胃や腸の状態を確認することができるからです。例えばピロリ菌の有無で胃がんのリスクは大きく変化しますし、大腸がんも40歳頃から増え始めます。現在の内視鏡の解像度は非常に高く、粘膜を拡大して観察することで、わずかな異常やポリープが良性か悪性かなど、さまざまな面から評価することができます。異常が見つからなければ安心ですし、定期観察をすることでがんなどの早期発見につなげることも。35歳や40歳の誕生日など人生の節目で検査を受けられるといいのではないでしょうか。
- Q貴院では胃と大腸の内視鏡検査を受けられるそうですね。
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A
胃カメラは月曜から土曜日までの9時〜12時。大腸カメラは火曜日と第1・第2・第4・第5土曜日の9時〜12時と月、水、金の13時~16時に受けていただけます。基本的には予約制ですが、症状によっては当日の検査も可能です。数多くの消化器疾患を診てきた院長と消化器が専門の私で検査を行っており、患者さんに安心して検査を受けていただけるように体制を整えています。内視鏡検査は苦痛が多いのではないかと敬遠される検査ではありますが、健康寿命を延ばすためにも大切な検査です。専門家ならではの視点で丁寧な検査をしておりますので、怖がらずになんでもご相談ください。
- Q検査の苦痛をなくすため、工夫されていることはありますか?
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A
当院では麻酔を使用し、なるべく痛みが少ないように検査を行っており、多くの方に喜んでいただいています。もちろん、検査中は血圧や血液中の酸素飽和度をモニターしており、安全にも十分配慮しています。また大腸検査では観察のために腸を膨らませる必要があるのですが、当院では空気ではなく二酸化炭素で膨らませます。二酸化炭素は速やかに体に吸収されるため、おなかの張りや苦しみがほとんどない特徴があります。ただ、大腸の形態や走行、痛みの感じ方も人それぞれ。検査中の患者さんの様子に常に注意を払い、体の負担を小さくできるように細心の注意を払っています。
- Q検査前に必要な準備や検査時間、検査後の注意点は?
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A
胃カメラによる検査は、10分~15分くらい、大腸カメラの検査も30分~40分くらいと比較的短時間で終了します。胃カメラの場合は前日夕食後からの絶食が必要となります。大腸検査の場合は検査当日の朝だけ絶食ですが、大腸の中を空っぽにするために下剤を服用していただきます。水を飲むのも禁止とされる場合もありますが、当院では適量であれば水分はOKです。検査に麻酔を使用した場合は、麻酔がしっかり覚めるまでベッドで休んでからの帰宅となりますが、麻酔を使用しない場合にはすぐに帰宅していただけます。また、麻酔を希望する場合は、検査当日の運転は禁止です。持病がある場合は事前に相談いただければと思います。