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吉江 秀範 副院長の独自取材記事

吉江胃腸科外科

(伊丹市/稲野駅)

最終更新日:2021/10/12

吉江秀範副院長 吉江胃腸科外科 main

阪急伊丹線の稲野駅からすぐの場所にある「医療法人社団 吉江胃腸科外科」は、19床の入院設備を備えるクリニックだ。1987年に吉江哲郎院長が開業し、30年以上にわたり地域に根差して幅広い医療を提供してきた。院長とともに診療にあたっているのは消化器領域の診療を専門とする吉江秀範副院長。常に新しい知識を取り入れ、より良い治療、各患者の生活に合わせた医療を提供しようと尽力している。「専門性の高い病院も必要ですが、1人の患者さんの全身状態を診る病院も必要」と話す吉江副院長。真摯に患者と向き合う毎日の中、「仲間と組んで音楽を演奏するのが楽しみ」という一面も。温かな人柄が随所に感じられるインタビューとなった。

(取材日2020年1月21日)

外科手術や入院にも対応する地域のクリニック

入院設備のあるクリニックと伺っていますが、特徴を教えてください。

吉江秀範副院長 吉江胃腸科外科1

院長である父が1987年に開業したのですが、当時は有床診療所が多く、外科医師としての手術などの経験を生かせるようなクリニックにしたかったようです。時代の変化で入院設備のあるクリニックは減ってきていますが、大規模病院では包括医療が推進されているし、主な疾患の治療に偏りがちです。外来診察後の経過が心配な場合や、一人暮らしで夜間の経過が不安な患者さんに短期間の経過観察入院していただくなどの対処ができることが当院の特徴です。夜中に具合が悪くなっても大規模病院にはすぐに入院できないこともあります。また、緊急手術が必要なほどではない外傷は、受け入れてもらえないこともあるでしょう。例えば先日も、足の骨折で救急搬送された方の応急処置を行い、受け入れ先が決まるまで入院されました。きっちり橋渡しができたと思います。

どのような患者さんが多く来られていますか?

周辺の地域の方がほとんどですね。療養目的の入院は高齢の方が多いですが、内視鏡の検査や治療に来られる30~40代の方も結構いらっしゃいますね。内視鏡治療で入院が必要な場合は、当日入院で1泊か2泊なので、忙しい世代にとって都合が良いのだと思います。他におなかの症状で食べられないとか、夏なら熱中症などですね。外来では胃や腸の不調をはじめ内科全般の疾患を診ています。粉瘤や縫合などの小手術も行っていますし、外傷や、腰痛・関節痛など整形外科の症状の方も来られています。

2017年に副院長に就任なさったそうですが、それまでの経緯は?

吉江秀範副院長 吉江胃腸科外科2

子どもの頃から父と同じ道をめざしていたわけではありませんが、医師という仕事はやはり素晴らしいですし、せっかく身近にこういった環境もあるのだから医師になろうと考えるようになりました。進む科を決める時にも、循環器内科・耳鼻科・外科で迷ったんです。いずれもがんをはじめ大変な病気に手術で対処することができます。僕の中で医師は、外来での診察と手術のどちらもできるイメージがあって、それにぴったりなのが、結局父と同じ主に消化器系の外科だったわけです。大学卒業後は、兵庫医科大学や明和病院などで臨床経験を積みました。数多くの手術を手がけましたし、病院によっては術中の麻酔もかけないといけなくて、全身管理についてかなり勉強しました。当然、術後の患者さんの様子を常に気にかけておく必要があり大変でしたが、本当にさまざまなことを学ばせていただきました。

患者から教わったことを日々の診療に生かす

そのようなご経験から、先生はどんな影響を受けられたのでしょう?

吉江秀範副院長 吉江胃腸科外科3

上司や先輩のドクターからはたくさんのことを教えていただきましたが、一番の「先生」は患者さんなんですよ。良いことばかりではなくつらいこともありましたから、今の患者さんをそのような目に遭わせてはいけないという思いが常に心の底にあります。だから、検査を勧めても受けたくないとおっしゃる方、病気がわかっても治療を拒む方に、あえて厳しいことを言わなくてはいけない。「後に残るのは後悔しかない」と伝えることが、今まで診てきた患者さんへの恩義だと思っています。また、明和病院の外科の先生方の姿勢にも影響を受けました。僕のモットーである「常にブラッシュアップして、より良い治療を患者さんに還元する」という意識が培われました。

具体的に教えてください。

明和病院の先生方は、日々の臨床の中から題材を見つけてデータを取ったり、珍しい症例を報告したり、研究や勉強をとても熱心になさっていたんです。僕はそういうことは大学病院ですることだと間違った認識を持っていたので驚きました。僕も研究報告などを行いましたが、発表のためには自身の深い知識が必要なので、おのずと勉強しましたね。自分のだけでなく他の先生の手術時のビデオを見直していると、患者さんに良かれと思ってしていたことにも、より良い方法や別の視点に気づくことがありました。内科の領域にも20年前の常識が通用しなくなっている部分がたくさんあります。時間がある限りセミナーや学会にも顔を出して、新たな知見など患者さんのメリットになることを常に取り入れていかなければいけないと、強く思うようになりました。

先生が特に注力されている診療は?

吉江秀範副院長 吉江胃腸科外科4

内視鏡検査です。診断に関しては、当院でも大規模病院に引けを取らないよう努めています。学会や研究会で学んだことを生かし、病気の早期発見・治療に努めています。他には超音波、エックス線、動脈硬化のABI検査に加え、より迅速に結果を出すために血液検査機器も導入しました。急を要する炎症反応や脂質・血糖の異常などがその場でわかります。血液検査を外部に依頼すると日を改めて結果を聞きに来てもらう必要があるため、以前は結果報告時には既に状態が変わっていることもありました。それがその日に結果をお伝えできるようになったので、早く治療を始められるようになりました。気になる症状があれば早めに受診していただきたいですね。胃がんの場合はリスクを把握するためにもピロリ菌をお持ちかどうかを知ることが大切だと思います。それによってどのくらいのスパンで検査を受ければよいか認識できますから。

フレキシブルな対応で患者の全身管理を行う

以前と比べて、変化を感じられることは何かありますすか?

吉江秀範副院長 吉江胃腸科外科5

特に若い方は内視鏡の検査や治療について、また薬についてもよく調べておられることですね。説明する前から「こういうことでしょう?」とおっしゃる方も(笑)。いいことだと思いますよ。ただ間違った情報を信じてしまっている時は、納得してもらえるように時間をかけて説明します。病名が同じであっても状態や時期によって対処の仕方がまったく違うこともありますから。同じ「胃がん」でも初期の方と末期の方と同じ対応をしたら大変なことになるでしょう? 医師は目の前の患者さんに最善のことを考えているのだから、誤った情報に踊らされないように啓発していかないといけないと思っています。

今後の展望についてお聞かせください。

当院ができて30年以上たつので、当たり前に続けてきたことを見直し、大規模病院と差異のない、今の医療レベルに見合った治療を提供していきたい。同時に、気軽に短期間入院できる、フレキシブルに動ける面は大切に守っていきたいと考えています。以前は満床のことが多かったけれど、在宅医療に切り替わったり、施設に入られる方も増えてきたため少し空きが出ています。急患を受け入れられるという意味では、患者さんのメリットが大きくなったかもしれません。ご自身のことだけでなくご家族のことも気軽に相談できる、地域の方から頼りにされる存在でありたいです。

では最後に、読者へメッセージをお願いします。

吉江秀範副院長 吉江胃腸科外科6

まずは気になることがあれば、相談だけでもいいので受診していただきたいですね。当院はスタッフも気さくな優しい人が多いので、気軽に何でも相談してください。また、どの病院へ行かれる場合でも、思っていることや症状を包み隠さず伝えてほしい。こんなこと言ったら笑われるとか恥ずかしいとか思ってしまって、かなりたってから「実は……」と大事なことを言い出されることがよくあります。初対面の医師にはなかなか言いづらいこともあるでしょうが、些細な情報からわかることもあるし、適切な診断に結びつくのです。生活環境などのバックグラウンドも、より患者さんに合った治療計画のためには必要な情報です。信頼できる医師を見つけて適切な治療を受けていただきたいと思います。

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