全国のドクター9,327人の想いを取材
クリニック・病院 160,990件の情報を掲載(2020年11月25日現在)

  1. TOP
  2. 兵庫県
  3. 西宮市
  4. 苦楽園口駅
  5. たけまさクリニック
  6. 家田 泰浩 院長

家田 泰浩 院長の独自取材記事

たけまさクリニック

(西宮市/苦楽園口駅)

最終更新日:2020/09/02

77610

阪急甲陽線の苦楽園口駅から徒歩15分。静かな住宅地の一角にある「たけまさクリニック」。現在名誉院長を務める竹政順三郎前院長が1975年に開設したクリニックを、家田泰浩現院長が引き継いで2015年に新規開院。家田院長は近畿大学医学部附属病院(現・近畿大学病院)をはじめ基幹病院で20年以上呼吸器病学の診療に携わりながら、救急診療やへき地医療も経験してきたベテラン内科医師だ。同院では、呼吸器疾患を中心とする内科一般から、外傷・打撲といった外科、さらには看取りまで見据えた在宅医療にも対応。「地域のかかりつけ医として近隣住民の健康寿命を延ばすため、幅広く貢献していきたい」と語る家田院長に、さまざまな話を聞いた。
(取材日2019年12月9日)

呼吸器疾患を中心に内科・外科領域を幅広く診療

家田先生のご専門は呼吸器内科だそうですね。専門に選ばれた理由はなんですか?

1

大学に入った当初は他の科にも興味がありましたが、呼吸器はほかの臓器にも深い関係があり、知るほどに奥が深い科目だというのがわかってきて、やりがいのある分野だと思うようになりました。父が呼吸器疾患を患っていたことと、大学で所属していた硬式テニス部の顧問が呼吸器内科の教授だったため教室に出入りする機会が多かったことも理由の一つです。結局大学を離れるまでの20年近く、呼吸器病学の勉強を続けてきましたね。呼吸器の病気では、喘息、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、肺がん、アレルギー疾患などが、近年増加傾向にあります。中でもCOPDは喘息などに比べてまだあまりよく知られていませんが、怖い病気の一つなので、地域医療に携わる者として重要な病気の啓発活動をしていきたいと考えています。

こちらの医院を引き継ぐまでの経緯を教えてください。

近畿大学医学部附属病院で内科医師として勤務する傍ら、救命救急センターで救急診療のスキルを学び、1年間は国立南和歌山病院(現:南和歌山医療センター)の呼吸器内科でも勤務しました。その間、週に1日は和歌山県田辺市龍神村の診療所に赴き、へき地医療も経験しました。赴任直後は見知らぬ土地で慣れないことも多く、また、重病な患者さんも多くいらっしゃったので、多忙でした。一方で初めて地元を離れたので少しホームシックにもなりました。当時はテレビの放映時間が終わった後、僕が生まれ育った大阪の夜景がずっと画面に映っていて、それを見ては「大阪に帰りたいなあ」などと思ったりも(笑)。その後も基幹病院で研鑽を重ねていましたが、西宮協立脳神経外科病院に勤務していた時、義理の父と仲が良かった竹政先生から、当院を引き継ぎませんかというお話があり、お引き受けすることにしました。

引き継ぎにあたってリニューアルしたところはありますか?

2

全体的に昔ながらのクリニックという造りだったので、受付にあったガラスの仕切りを取り払ってオープンな雰囲気にしたり、待合スペースの椅子を一人掛けのソファーに替えたりしました。ソファーの色も、少しでも居心地が良く感じられるようにと、明るい水色や薄いオレンジ色を選んでいます。クリニック名も「竹政クリニック」から変えようかという案もありましたが、それまでの40年間の診療を通して、地域に深く根づいていた名前でしたので、少しやわらかい雰囲気になるように「たけまさクリニック」とひらがなにしました。

院内処方の長所を生かして患者の負担を軽減

現在の診療体制を教えてください。

3

診察は僕を中心として、竹政名誉院長も週2回午前中に診察しています。名誉院長は外科が専門ですが、2人とも内科・外科ともに一般的な診療を行っています。スタッフはほかに看護師、事務職、薬剤師で、基本的に院内処方をしています。患者さんは具合が悪くて来院されているわけですから、院内処方にすることで移動や支払いの手間が一度で済みますし、薬剤師からほかのお薬との飲み合わせを含めたアドバイスをお伝えすることもできます。ほかにも、呼吸器疾患があると吸入器を使用することが多く、説明が不十分だとうまく使用できない場合もありますから、そういったことも含めて、スタッフの協力にはいつも感謝しています。

どのような患者さんが多いですか?

年齢は小児からお年寄りまでと幅広く、症状もさまざまです。呼吸器疾患に関しては、咳が長引いているという患者さんが増えたような印象があります。2ヵ月以上咳が続いているような場合は、詳しく話をお聞きしながら、エックス線検査や、呼気中の一酸化窒素の濃度を測定して原因を調べ、治療法を考えます。咳の原因もさまざまで、風邪などの感染症によるものから、喘息やアレルギー、時にはストレスが原因となることもあります。大学病院の心療内科で実際にあったことですが、家にいる時に限って喘息の発作が起こるという患者さんがいて、よく調べたら子育ての心労が重なり、そのストレスが原因だったということもありました。そういう場合には心療内科の先生と協力しながら治療を行うこともあります。

咳の治療も多いと思いますが、患者側が気をつけることなどありますか?

4

喘息など慢性の呼吸器疾患の患者さんは、長期にわたる通院が必要となります。ただ、治っていなくてもある程度症状が治まると、来院されなくなってしまうことも少なくありません。当院では、患者さんの生活なども考慮した上で、受診の目安をアドバイスさせていただいていますから、どんなことも気軽に話していただければと思います。もしも治療を中断したままにしていると、喘息の発作が原因で日常生活に支障が出るだけでなく、重篤な場合は命に関わることもあります。そうならないように、かかりつけ医かどうかにはこだわらず、お近くの医療機関を早めに受診していただきたいと思います。

地域の「よろず屋」のようなクリニックをめざす

訪問診療にも積極的に取り組まれているそうですね。

5

当院を継承したその日に、それまで長年通われていた患者さんから訪問診療の依頼があったのが最初でした。以前龍神村の診療所から往診していた経験もあり、通常診療の延長のような感覚で、ごく自然に二つ返事でお引き受けしました。自分自身も小学生の頃に祖父を自宅で看取り、医師になってからは病院でしたが父を看取りました。当院の患者さんも通院が困難となれば訪問診療に移行し、ご自宅で看取らせていただければ理想だと思います。現在は自分と患者さんの時間の都合を合わせて訪問していますが、患者さんの顔を見て、お元気そうな様子だと安心します。訪問診療の内容も、来院していただいた時とできるだけ同じになるように心がけています。設備などの違いから完全に同じようにはいかないこともありますが、工夫しながらより良い診療ができるように努力していきたいです。

どのようなクリニックをめざしていますか?

呼吸器疾患を中心にしながら、生活習慣病などの内科領域から、外傷や打撲といった外科領域まで、幅広く対応できるクリニックにしたいと考えています。患者さんから「とりあえずたけまさクリニックに行けば何とかしてくれる」と思ってもらえるような、例えるなら「よろず屋」的なクリニックをめざしたいですね。もちろん僕自身は万能選手ではないので、自分では無理だと思うケースは、速やかに専門の医療機関などをご紹介するようにしています。そういった仲介役としての役割も含めて、患者さんにとって良い道案内のような存在になりたいですね。また、将来的には診療だけではなく、食や運動に関する指導なども提供できるようになるといいなと思います。そういったことも含め、患者さんの健康寿命を延ばすためのお手伝いをしていきたいですね。

読者へのメッセージをお願いします。

6

病気やけがの治療には、その道筋を示した「地図」のようなものがあると思います。ただ、医師と患者さんそれぞれが思い描いている地図の見方、見え方が違っていることが少なくありません。自分としては、それぞれの地図を重ねたとき、同じように見えるような診療を心がけていこうと思います。また、つらい症状でクリニックを訪れた方が、すっきり爽快とはいかなくても、“来てよかった”と思える、居心地の良いクリニックにしていきたいという気持ちも強く持っています。ですから自分自身のことを褒められるよりも、クリニックについて良い評価をいただけると、とてもうれしく感じます。それは子どものことを褒められて喜ぶ親の気持ちのようなものかもしれません。まだまだ道半ばですが、皆さまの信頼が得られるように、これからも頑張っていこうと思います。

Access