井上 英俊 院長の独自取材記事
いのうえウィメンズクリニック
(西宮市/門戸厄神駅)
最終更新日:2023/01/18

阪急今津線・門戸厄神駅東口から徒歩1分。「いのうえウィメンズクリニック」は、前院長が1966年に開業し、地域医療に50年以上も貢献しているクリニックだ。現院長の井上英俊先生は、内科医としての経験を生かし、産婦人科だけでなく内科も診療し、更年期障害、糖尿病、高脂血症など生活習慣病の診療も行い、最近では美容相談にも対応している。院内は、自然光が入る明るい受付からピンクを基調としたやわらかな印象の室内となっている。井上院長は「患者さんは、体調に悪いところがあっても、どの科へ行ったらいいかわからない方もいらっしゃいます。そういう場合は、当院が窓口となってこの科へ行ったらいいですよ、とアドバイスをすることができます」と優しく穏やかに語る。適切な治療を受けることが大事だと語る井上院長に話を聞いた。
(取材日2022年11月14日)
産婦人科だけでなく内科の診療にも対応
診療方針について教えてください。

当院は産婦人科だけでなく、内科もメインに行っています。父も産婦人科の医師でしたが、私は医学生の頃から、内科の強みも生かしたクリニックにしていきたいと考え、研修先は内科を希望いたしました。当時は、今のように研修医がすべての科をローテーションで回る時代ではなく、専門の科を選べたんですね。内科を希望した理由は、生活習慣病に悩む患者さんも診たい気持ちがあったからです。ですので、産婦人科には行きにくいという方は、内科への受診として当院を訪れてもらえたらと思います。女性は年齢を重ねると、更年期障害や生活習慣病などさまざまな症状や疾患に悩む方が増えていきます。普段の生活でお困りのこと、ちょっと気になることをまとめてご相談いただけたら、内科と産婦人科両方の視点を持って診察することができるので、患者さんにとってご安心いただけるかなと思います。
患者さんの診察で心がけていることについて教えてください。
患者さんの話をよく聞いてあげる、ということですね。「病は気から」のように、つらい気持ちをためないことがどんな方にも必要だと思います。話を聞いてあげるだけで気持ちが軽くなって、症状の感じ方も変わることがあるものです。ただ、大事なことは「深刻な症状を見逃してはいけない」ということです。話を聞いている中で、「これはちょっと重い病気だな」「これは内診をしたほうがよさそうだな」と思う時もあります。検査が必要な患者さんを見落としてはいけません。ですので、少しでもそう感じたときは、まずは検査をさせていただいています。結果によっては、ご本人が心配しすぎないよう配慮しながら大きな病院で適切な検査を受けるようお話をしています。
診療で心がけていることは何ですか?

できるだけ相手の気持ちになって話を聞くようにしたり、声をかけたりすることですね。そして、また、患者さんの中には「産婦人科の内診は女性医師がいい」とおっしゃる方もいます。ですので、当院では月に2回、第2・第4の土曜日は女性医師が担当しております。もし、女性医師の診療を希望される場合は、遠慮なくおっしゃってください。
内科医の視点を持ちながら、産婦人科の往診も行う
患者層について教えてください。

さまざまな年齢の方がいらっしゃいますが、40代後半から60代ぐらいが一番多い層だと思います。先ほども申し上げたとおり、更年期障害や生活習慣病に悩まれる患者さんが多いかと感じます。また、その年代の方は美容面にも関心を持たれている方が多いので、患者さんが喜ぶなら、と最近は美容に関する相談にも対応しています。通っていただける患者さんに喜んでいただけると私もうれしいので、美容に限らず相談したいことがあれば、気軽におっしゃってください。
先生は往診もされているのですね。
はい。研修後は、数年間は大学病院などで内科医として働いていました。その頃から、将来は往診もやろうと決めていました。なぜなら、産婦人科の医師で往診をしている医師はとても少ないからです。往診を受けられる患者さんは、脳梗塞や心臓疾患などの治療をされている方が多くいらっしゃいます。ただ、往診する医師の多くは内科医で、往診をする婦人科医が少ないというのが現状だと当時から感じていました。お年を召されていたり、寝たきりで通院が困難だったりする患者さんでも、産婦人科医療を届けてあげたいという気持ちで、週に3、4回行っています。あまり遠くまでは行けませんが、芦屋や宝塚のほうまで行っています。
どんなときに医師として喜びを感じますか。

われわれ開業医は、病院で行われているような高度な医療は基本的に行えません。しかし、自分の持っている知識を活用して、患者さんを適切に病院へ紹介することはできます。そうした対応で、患者さんから感謝されたときはうれしいですね。医師として当然なのですが、やはりそういうときは喜びを感じます。また、紹介先の病院で大きな病気が見つかって、後日患者さんから感謝のお言葉をいただけた場合には「良かったな」と心から思えますね。
困り事があれば気軽に相談を
医師をめざされたきっかけについて教えてください。

父が産婦人科医として開業していたので、父の影響は大きいと思います。父が当院を開業したのは1966年ですが、その頃は自宅兼診療所で、分娩も行っていました。そのため、「いつも忙しくて家にいない」というのが父の印象でした。分娩はいつ起こるかわからないですからね(笑)。そんな働く父の姿を子どもの頃からよく見ていました。忙しいながらも、仕事熱心な父のことは、子どもの頃から尊敬していました。
先生の趣味について教えてください。
ウィンタースポーツ、スキーですね。もう40年以上やっています。私が好きなスキー場は、長野県の白馬八方尾根にあるスキー場です。風が吹きさらしで、自然の厳しさを感じられるところに、とてもやりがいを感じます。全長3000メートルの長いコースもあって、初級者コースから超上級者コースまであります。スキーが好きな人にとっては、メジャーなスキー場の一つだと思います。仕事もあるので、よく1泊2日で行っています。何度訪れても飽きないスキー場ですね。ウィンタースポーツ以外では、大型バイクにも乗ったりしています。
地域の方へのメッセージをお願いいたします。

地域医療に貢献したいと思っていますので、何でも困ったことがあったら一度相談に、気楽な気持ちで来ていただければと思います。当院は予防医学にも力を入れています。インフルエンザ、肺炎球菌、帯状疱疹などほとんどのワクチンは打てるようにしております。予防接種のときだけ来られる方もいらっしゃいますよ。また、内科で訪ねてきていただいたら、問診の際に必要に応じて婦人科のこともちらっと聞きますので、内科から受診して産婦人科の治療に進むということも可能です。産婦人科だから来にくい、敷居が高いと思っておられる方は、まずは内科からいらしていただけたらと思います。