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川野 悦司 院長の独自取材記事

川野内科クリニック

(西宮市/西宮駅)

最終更新日:2020/04/01

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阪神西宮駅とJRさくら夙川駅から徒歩約4分のところに立つ「川野内科クリニック」。院長の川野悦司先生は、「早期発見・早期治療」をクリニックの柱として掲げ、その重要性を伝えるために力を注いできた。それだけに、1989年の開業後、新築された現在の診療所には2階に健康診断フロアを併設し、患者が安心して受けられるよう「かかりつけ医」による一連の検査を実施。健診後の健康管理はもちろん、どんな病気も見過ごさないために、たとえ少ない確率でもその可能性が疑われるときは精査をして、深刻な病気の発見に努めてきた。相互の信頼関係が構築されている患者とは「親戚以上のつながり」という川野院長に、理念や抱負、地域医療への想いなど、じっくり話を聞いた。
(取材日2019年7月11日)

救命救急医療を通して学んだ、対応を見極める目

医師をめざされた動機を聞かせてください。

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両親も親戚も医療従事者ではなく、医療とはあまり縁のない環境で育ちましたので、外から医師の世界を見た時に、世襲が多いせいか閉鎖的に感じたのです。明らかになっていない、関係者にしか見えない部分があるようにも感じ、患者さんサイドの思いや立場をきちんとくみ取れているのかな、と疑問を持ちました。それが、自分が医師になって安心できる医療を提供したいと思うようになったきっかけです。内科を選んだのは、最初はとりあえず内科をと受診される方が大半ですので、それだけ貢献できる機会がある科だと思ったからです。

循環器を専門とされ、救命救急医療でも研鑽を積まれたと伺いました。

大阪大学医学部第一内科に入局後、大阪大学附属病院にて研修を行い、国立大阪病院医療センター(現・大阪医療センター)に勤務していました。早く医療に携わりたくて勉強に打ち込んだかいもあり、24歳と若くして医師になれましたので、土日はなく夜間もずっと仕事という毎日であっても体力的に平気でしたし、何より研修期間を十分に取れたことが貴重でした。命に関わる状態で搬送されて来る患者さんは、たとえ同じ疾患であってもケースはさまざまです。瞬時に対応を見極める目は、経験に裏打ちされて養われてくると救命救急を通して学ばせていただきましたし、私自身心底やりがいを感じておりました。命がつながった患者さんとそのご家族の中には、開業してからもずっと通ってくださる方も大勢いらっしゃり、一生のお付き合いをさせていただいています。

遠方からの来院もあるのでしょうか?

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鳥取県や姫路などかなり西のほうからお越しになる方や大阪にお住まいの方、また淡路島や近隣外へ転居されても引き続き通って来てくださる方が結構おられます。私は西宮の街の持つ雰囲気や地域性が好きなのですが、アクセスの面でも西宮にクリニックを構えて良かったと思っています。あと昔から外資系企業が多いところなので、英語・フランス語のネイティブの方たちもよくおみえになります。英語にはもともと興味があり、開業後も勉強に励み通訳レベルに達しましたので、実は通訳会社にも所属しています。ただ、忙しいのでお仕事はお引き受けできていませんが(笑)。フランス語も国連での公用語ですから第2外国語として学び、英語でカバーできないところを補うときに役立っています。ホームページには英語記載を設けていて、健診や診療でコミュニケーションが取れずにお困りだった方たちにも、安心して通っていただけているようです。

少ない確率でも、その可能性を見逃さないための診療を

注力されていることは何ですか?

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健康診断でご自分の体を把握していただくことと、その上での健康管理です。開業当時は、今と比べて健康診断への世間的な関心も薄かったため、会社健診のない主婦の方や個人事業主の方の健康管理が心配でした。この辺りは商店街や事業所も多かったので、とにかく健診の重要性を一人ひとりにお伝えし、地域の講演会でも、症状が出てからでは早期発見にならないこと、いかに早期に治療に入れるかで、その後の人生が変わってくる可能性があることなどをお話ししてきました。実際に健診でがんなどの深刻な病気が見つかった方もおられて、その方々が実体験から「検査を受けて良かった」と周囲への発信源になっていかれました。まだインターネット社会ではなかった頃ですが、西宮は古くからのコミュニティーがしっかり築かれていたので、その波及効果は大きかったですね。

健康診断専用のフロアも併設されていますね。

血液検査で異常値が出たり、極端に血圧が高かったりと健診結果によっては緊急を要するケースもありますから、かかりつけ医が一連で担当するメリットは大きいと感じます。患者さんも安心して受けやすくなると思いますので、15年前ここに新築移転した際、2階に健診施設を設けました。健診では血液検査や心電図などの基本的な検査のほかに、追加で心臓や頸部、腹部の超音波検査や、便ヘモグロビン検査、骨粗しょう症検査、認知症検査なども実施しており、疾患の早期発見に努めています。例えば頸部の超音波では血流を調べることができるので、脳梗塞や心筋梗塞、認知症の予防・早期発見につなげています。もし問題が見つかれば、予防的治療を行うとともに生活習慣の改善のアドバイスも行っています。気になることがあればそのままにせず、気軽にご相談いただきたいですね。

診療にあたって、心がけていることを教えてください。

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当院には、高血圧・高脂血症・糖尿病などの生活習慣病、心臓病から風邪に至るまで、さまざまな症状で幅広い年齢層の方が来院されますが、すべての方に対し、患者さんが話しやすく相談しやすくあることを心がけながら、お話にじっくり耳を傾けています。それは患者さんに安心して治療を受けていただくためなのはもちろん、病気を見逃さないためにも大事なことだと考えています。というのも、中には患者さんが訴えておられる臓器とは別の部位に疾患があることもあるからです。だからこそ、常に患者さんの訴えをもとに、それ以外のあらゆる疾患の可能性を網羅して診ていくことを軸に据えています。

患者の立場に立った診療提供のためにチームで連携

印象に残っている患者さんはいらっしゃいますか?

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以前、午前中に腹痛があり自宅近くの診療所で内視鏡検査を受けて異常なしと言われた方が、どうしても気になるからと夕方当院を受診されたことがあります。低い確率とはいえ腹痛でも心筋梗塞の可能性があるので診ていくと、すでに心筋梗塞を起こしていて即座に搬送したというケースがありました。先ほどお話しした、あらゆる可能性を想定して対応することの大切さを痛感した出来事でしたね。ほかにも、可能な限り調べていくことで初期の膵臓がんが見つかった方も何人かおられます。長年の患者さんとは相互に信頼関係が成り立ち、親戚以上のつながりがありますから、病気の芽の段階で発見できることは私にとっても大きな喜びです。

先ほどスタッフの方とお話しされていましたが、チームワークが良さそうですね。

患者さんの立場に立った診療であるために、スタッフも毎日話し合ってより良いサポートとホスピタリティーの提供に努めてくれています。例えば風邪や気になる症状などで来院された際に、いろいろな可能性を考えて見逃さないための問診を行っていると診察が長引くこともあります。そうしたときにいち早く察知して、診療の中断や聞き逃しなどがないよう、集中して診療を行うために一丸となってバックアップしてくれます。みんな同じ理念を持ち、チーム力を発揮してくれていますので、いつもありがたく思っています。

今後の展望を聞かせてください。

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患者さんのためを思うと、治療や病気を治すことはもちろんですが管理していくことが重要です。食事・運動・禁煙を含むライフスタイルの改善が健康を守る秘訣だと考え、開業以来取り組んできましたので浸透してきた実感はあります。また、患者さんに納得していただくためには自分で実践することが大事だと思っています。そのため、7時間睡眠を推奨するためにまずは自分でやってみたり、胃カメラやホルター心電図などの各種検査も受けたりしながら、患者さんの気持ちを理解できるよう努めています。診療に大切なのは薬の処方だけではなく、総合的に診ることです。それがあって初めて良い治療ができると考えています。何十年も診てきた患者さんたちの高齢化は免れませんが、信頼して摂生に励んでくださる患者さんたちに今後も尽くしていくことが私のやりがいです。

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