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松本 憲和  院長、松本 憲 名誉院長 の独自取材記事

松本整形外科診療所

(西宮市/今津駅)

最終更新日:2023/07/21

松本憲和 院長、松本憲 名誉院長 松本整形外科診療所 main

1987年、阪急今津線今津駅エリアに開業した「松本整形外科診療所」。同院を開業した現名誉院長の松本憲(けん)先生と、2017年から同院の院長を務める松本憲和先生は、現在2人体制で幅広い病気に対応。MRIによる検査や理学療法士による運動器リハビリテーションなども実施し、地域医療を支える存在となっている。同院には近隣住民のみならず、高校球児やスポーツに励む大人まで受診。スポーツ経験のある2人だからこそ、率直に相談できる雰囲気もあるのだろう。診療において大切なのは、患者が求めるニーズに適切に応えることであり、そのためのコミュニケーションは不可欠だと語る2人に、同院の診療方針など詳しく話を聞いた。

(取材日2023年6月29日)

高齢者だけでなくスポーツに励む大人まで通う整形外科

患者さんの年齢層や主訴について教えてください。

松本憲和 院長、松本憲 名誉院長 松本整形外科診療所1

【憲和院長】当院は、私の父であり前院長であり、現名誉院長である松本憲が1987年に開業し、長年整形外科の診療に取り組んできました。2017年に私が院長職を継承してからは、父のことは大先生と呼び、常時2人体制で診療にあたっています。主に新規の患者さんは私が、開業当時から通ってくださっている患者さんは父が担当していますが、そうした30年来の患者さんは少なくありません。また、当院の近くには小・中学校があるので子どもの受診も多く、幅広い年齢層の方にお越しいただいている印象です。
【憲名誉院長】30年来の患者さんというと「30年も治せていないの?」と院長から冗談を言われますが(笑)、当院を信頼していただき、長く通ってくださっていることをたいへんうれしく思っています。訴えの多い症状としては、腰痛、四十肩、五十肩、それから膝の痛みですね。若い患者さんだとスポーツによるケガも多いです。

高校球児やスポーツに励む大人も診ていらっしゃるそうですね。

【憲名誉院長】そうですね。ここは甲子園球場から近いので、球児の駆け込み寺のようになっていて、以前は試合が朝8時からある日は朝6時に出勤することもあったんですよ。私自身、幼少期から40代の半ばまで野球をしていましたから、一生懸命な高校生たちを見ると本当にかわいく思います。診療では、ケガの程度や試合にかける本人の想いなどを総合的に判断して対応します。
【憲和院長】私自身、長年スポーツをしているのでケガは絶えないんですね。これまでに骨折も脱臼もしましたし、足首の靱帯を切ったり、腰のヘルニアの手術をしたり、膝の軟骨もすり減らしている状態ですから、もう一般的な整形外科の病気はおおよそ体験したのではないかと思います。そうした経験から身をもって実感していることもありますので、それを診療に生かしていければという思いがあります。

お2人ともスポーツマンでいらっしゃるんですね。リハビリにも注力されているんでしょうか。

松本憲和 院長、松本憲 名誉院長 松本整形外科診療所2

【憲和院長】当院には、さまざまな機器を備えたリハビリルームがありますが、そうした機器を利用するだけでなく、理学療法士による運動器リハビリにも注力しています。適切な運動によって筋力を上げ、患者さん自身が持つ本来の力を取り戻し、健康につなげていくことを目標に取り組んでいます。
【憲名誉院長】筋力トレーニングというと若い方が行うイメージですが、80代、90代の方でも効果が期待できるんですよ。また、当院には現在2人の理学療法士さんが在籍していますが、2人とも丁寧かつ熱意があり、理学療法士の人柄も通院のモチベーションアップにつながる大事な要素だと考えています。

患者目線の治療で、求められているニーズに応える

MRI導入のメリットや、得意とする診療分野について聞かせてください。

松本憲和 院長、松本憲 名誉院長 松本整形外科診療所3

【憲名誉院長】当院では開業2年目からMRIを導入し、現在は2代目の新しいものを使用しています。MRIを使用すると、圧迫骨折など、時にエックス線では判明しづらい病気の早期発見・早期治療につなげられますし、心配のないケースについては、患者さんの不安をいち早く解消して差し上げるために有用です。MRIがなければ、大きな病院に予約を入れて行かなければならず、骨折の場合の装具の完成まで含めると治療開始まで日数がかかり、患者さんの負担が増してしまうでしょう。
【憲和院長】名誉院長は「足」のスペシャリストとして長年活躍してきましたし、私も大学卒業後に、足の分野を専門的に学ぶべく、足の治療のエキスパートである教授のもとで研鑽を積みました。また、関節リウマチの治療についても得意としています。

診療において、どのようなことを重視していらっしゃいますか。

【憲和院長】整形外科というのはいわば「痛み」を診るところなのですね。腰痛があっても仕事を休めない方や、スポーツをする方であれば痛みを押してでも続けなければならないこともありますから、その中で一人ひとりに適した治療を提案していかなければなりません。そのために心がけているのは、患者さんにとって信頼できるかかりつけ医となり、生活習慣やお仕事の内容、経済力などについても、失礼のないように伺っていくということです。運動したくない方に運動療法を強いることはできませんし、経済面で不安がある方に特別なインソールを作りませんかと提案しても困らせるだけです。また、検査結果を見て、単に「悪い」とだけ言ってしまったら患者さんは不安になりますから、丁寧なご説明も心がけています。

憲名誉院長はいかがですか。35年を越える診療の中で大切になさってきたことがあれば聞かせてください。

松本憲和 院長、松本憲 名誉院長 松本整形外科診療所4

【憲名誉院長】院長の言うように、患者さんの求めている正解と医師の求めている正解は必ずしも一致しないということを常に心に留めています。患者さんが何を求めているかということを理解し、投げかけられた質問に適切に返答することが大切だと思います。痛みを取ってほしいのか、不安を解消したいのか、患者さんと目線を同じにして、患者さんにとって納得のゆく医療を提供することが第1です。病気を診るのではなく「人を診る」、そんな医療を提供していきたいです。

家族の存在が、親しまれる診療所を育む

なぜ医師になろうと思われたのですか。

松本憲和 院長、松本憲 名誉院長 松本整形外科診療所5

【憲名誉院長】私の父の夢は医師になることだったのですが、病気で目を悪くして、盲学校の先生になったのですね。そこで、どうしても私に医学部に行ってほしいと言われたんですよ。医師になることに不満はありませんでしたが、言われるがままに受験し、1年目は不合格。そして2年目の合格発表を待っている時に父がふとこう言ったんです。「今回医学部がだめだったら好きなようにしていいよ」と。「文学部に行って新聞記者になりたかったんだろう」と言われて驚きました。そんな父の想いを聞いた時に、もしまた不合格でも、また医学部をめざそうと決意したんです。
【憲和院長】私も父の影響が大きかったです。ただ、スポーツをしていたので、人の体の動き一つ一つに名前がついている整形外科で学ぶことは楽しかったですし、そうした動きを自分でもできるかどうか考えるのも楽しかったんです。そういう意味でも整形外科に進んで良かったと思っています。

スタッフの中には先生の奥さまもいらっしゃるそうですね。お2人から見たご家族の印象を聞かせてください。

【憲名誉院長】憲和院長については、根気強く真摯に患者さんの話に耳を傾けている姿を見て、私が理想とすることをしっかりと踏襲してくれているなと感じますし、診察に関してもたいへん信頼しています。また、私の妻は当院の事務長を務めているのですが、必要な時に皆をまとめてくれたり、殺風景になりがちな院内を絵画で飾ってくれたりするなど、縁の下で私たちを支えてくれている存在ですね。
【憲和院長】名誉院長はとにかくパワフルです。それでいて穏やかで、優しい性格が患者さんからの信頼にもつながっていると思います。私の妻は受付に入ってもらっていますが、患者さんから対応が良いとお褒めの言葉をいただくことも多く、よくやってくれていると感謝しています。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

松本憲和 院長、松本憲 名誉院長 松本整形外科診療所6

【憲和院長】ケガで痛みがあるときは整形外科を受診していただき、まずは適切な診断を受けることが大切です。最近では超音波検査も発達していますし、気軽に検査を受けていただくことができますので、気になることがあればぜひ気楽な気持ちでお越しください。その上で、患者さんのニーズに合わせた治療をご提供していきたいと考えています。また、運動器リハビリについては今後理学療法士の人数を増やし、更に充実させていきたいと考えています。

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