病気の早期発見・治療のために
循環器内科でできることとは?
兵頭内科眼科・ハートクリニック
(尼崎市/塚口駅)
最終更新日:2025/05/15


- 保険診療
動悸や息切れ、胸の痛みといった症状が急に現れると、誰でも大きな不安に駆られるもの。こうした心疾患の疑いがあるケースでは循環器内科を受診するのが一般的とされているが、普段から関わることが少ないために診療のイメージがつきにくく、ハードルのようなものを感じる人もいるだろう。こうした中で循環器内科を専門としながらも、生活習慣病を含めたトータルな診療で地域の健康をサポートしているのが「兵頭内科眼科・ハートクリニック」の兵頭永一院長。重大な病気に至らないためにはどうすればいいのか、そもそも病気にならないためには何をすればいいのか、日本循環器学会循環器専門医であり、総合内科にも通じた医学博士の立場からアドバイスしてもらった。
(取材日2025年4月28日)
目次
症状が出てから慌てるよりも、重要なのは未病のうちから生活習慣を見直すこと
- Qどのような症状があれば循環器内科を受診すべきでしょうか?
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A
▲いつもと違う症状がある場合は速やかに受診を
当院にお越しになる患者さんの症状としては、不整脈や胸痛、動悸・息切れなどが代表例です。こうした症状は普段の生活ではあまり出ることはありませんので、不安を感じるのは無理もないことでしょう。例えば、胸の痛みは狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患、動悸や息切れは心不全などの可能性が疑われますが、症状だけですぐに病状を判断することはできません。また、心疾患以外にも肺の病気や帯状疱疹など、さまざまなケースが考えられます。特に胸痛に関しては動脈疾患などの怖い病気が潜んでいる可能性がありますから、いつもと違う症状があった場合は速やかにお近くの循環器内科を受診することをお勧めします。
- Q動悸や息切れがある場合、どのような疾患が考えられますか?
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A
▲検査を行い、症状の原因を発見する
動悸や息切れ、呼吸困難などがあった場合、循環器で一番に疑われるのは弁膜の異常や心筋梗塞などによる心不全、不整脈です。ただし、肺の病気や貧血、甲状腺機能の問題なども考えられるため、原因は必ずしも心臓や血管の病気とは限りません。いずれにしても重大な疾患が隠れている可能性があり、動悸であれば24時間ホルター心電図、息切れだけなら心臓や肺の検査など、血液検査を含めて原因を特定していく必要があります。私は循環器が専門ですが、肺と心臓を専門とする医局の出身で病気の見極めも得意としています。早期発見・早期治療につなげるためにも、大したことはなかったと安心するためにも、症状があればまずは受診にお越しください。
- Q高血圧症や高脂血症を放置するとどのようなリスクがありますか?
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A
▲幅広い視点で病気の治療・改善をサポート
高血圧症や高脂血症(脂質異常症)は糖尿病と並ぶ生活習慣病と考えられ、放置していると動脈硬化がどんどん進行し、脳血管障害や心臓病といった重大な病気のリスクが高まります。血管が老いることで心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすだけではありません。全身の老化が進行して感染症にもかかりやすくなりますから、あらゆる病気につながる恐れが増えると考えられるでしょう。治療では血圧やコレステロール、血糖値などのコントロールが必要ですが、大切なのは運動や食事、睡眠などを含めた指導によって生活習慣をトータルな視点で改善していくこと。健康寿命を少しでも延長したいと考えるなら、今のうちからしっかりと取り組んでいくことが重要です。
- Q生活習慣病の中で、特に注目すべき病気や治療法はありますか?
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A
▲合併症予防のため、さまざまな治療法を提案
生活習慣病の多くは合併症を引き起こしますが、特に注意していただきたいのは糖尿病で、当院でも特に治療に力を入れています。糖尿病の治療には食事管理・運動指導・薬物療法の3つがあり、当院では管理栄養士による栄養指導や、運動指導を含めたトータルなサポートが可能です。また、近年ではGLP-1受容体作動薬やSGLT2阻害薬といった薬が使用できるようになり、特に肥満気味の体型の方に用いると症状の改善や生命予後の改善が期待できるというデータが報告されています。しかしながら大切なのは、やはりご自身の体に対する患者さんの意識です。生活習慣を少しでも改善できるよう、私たちも全力でバックアップしたいと思います。
- Q早期発見・治療のために大切なことは何でしょうか?
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A
▲さまざまな機器で検査を行い、病気の早期発見・治療につなげる
当院ではさまざまな検査機器を用意し、迅速な検査や精密な診断を行うことで病気の早期発見と早期治療につなげています。しかしながら、その前にまず未病の段階から患者さんをご指導し、症状が出る前に災いの芽を摘み取っておくこと、病気にならずに健康を保っていただくことに力を注いでいます。中でも着目していただきたいのは適度な運動です。特にご高齢になるとフレイルなどの問題があるため私たちも啓発に努めていますが、まずは皆さんに意識を持っていただき、いかにすれば習慣づけられるかをアドバイスいたします。そして何か症状があれば検査や診断をしっかりと行い、改善に向けたベストな道を相談しながら一緒に探っていきましょう。