足のだるさ・むくみなどの症状に
日帰りで行う下肢静脈瘤の治療
兵頭内科眼科・ハートクリニック
(尼崎市/塚口駅)
最終更新日:2022/11/10
- 保険診療
長時間の立ち仕事に従事している人や、女性を中心に発症しやすいといわれている下肢静脈瘤。症状としては、足のだるさやむくみ、こむら返りなどがあり、足の血管がこぶのように浮き上がってくる。進行すると皮膚に色素沈着が生じるだけでなく、皮膚潰瘍や肺塞栓症を引き起こす可能性もあるため、症状がある場合は早めの受診が望ましいそうだ。尼崎市塚口にある「兵頭内科眼科・ハートクリニック」では、下肢静脈瘤に対してさまざまな治療の選択肢を用意し、症状に応じて治療法を選択。中でも日帰りで行われる手術治療については、費用面のみならず、身体・精神的にも患者にとってのメリットは多いという。今回は院長の兵頭永一先生に、下肢静脈瘤に対する治療の選択肢や日帰り手術の流れについて、詳しい話を聞いた。
(取材日2020年12月11日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q下肢静脈瘤について教えてください。
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A
体内を流れる血液は、心臓から動脈を通って全身に行き渡り、静脈を通って心臓に戻ります。静脈の内側には一定の間隔で弁がついていて、血液が逆流しない仕組みになっています。しかし、生活習慣や体質により弁の機能が弱くなると、血液が逆流し、うまく心臓に戻らずに静脈内にたまってしまいます。たまった血液によって足の血管がこぶ状に浮き上がるのが下肢静脈瘤です。立ち仕事が多い美容師や料理人などに発症しやすいといわれ、足のむくみやだるさ、痛み、こむら返りといった症状が現れるほか、進行すると皮膚に潰瘍ができることも。血栓が生じると肺塞栓症になる可能性もあるため、症状がある人は早めに医療機関で診てもらいましょう。
- Q治療となると、どのような選択肢がありますか?
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A
治療の選択肢として、保存的治療、硬化療法、手術、血管内治療があげられます。保存的治療は弾性ストッキングを用いた圧迫療法で、硬化療法は薬剤を用いて血管を固め閉塞させる治療です。手術には、足の付け根で血管を結んで血流を遮断する高位結紮術と、原因となる血管を抜去する静脈抜去術があります。血管内治療は現在の標準治療となっており、レーザー・高周波治療およびグルー治療があります。いずれの治療も日帰りで受けることができるのが利点ですね。当院では静脈瘤の状態に合わせて各種治療を組み合わせ、患者さんにとって最善と考えられる治療法を選択しています。
- Qレーザー治療とグルー治療、それぞれのメリットは何ですか?
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A
血管内治療である高周波・レーザー治療とグルー治療はカテーテルを用いて行う侵襲の少ない治療で、日帰りで行うことができます。高周波・レーザー治療は熱で静脈瘤を焼く治療法で、蛇行が強かったり再発した静脈瘤などグルー治療が難しい場合にも対応できます。血管を焼くことから、まれですが色素沈着や神経障害を生じることがあります。また血管周囲の局所麻酔が必要です。一方、グルー治療は瞬間接着剤で静脈瘤を閉塞させる治療です。熱を使わないことから麻酔は不要でレーザー治療のような合併症はほとんどありませんが、接着剤に対するアレルギー反応を起こすことがあります。術後の弾性ストッキングの着用が不要となることもあります。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1診察
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受付で問診票をもらったら、いつからどんな症状があるのかを詳しく記入しよう。問診票の内容をもとに行う診察では、足のかゆみやむくみ、だるさ、痛み、こむら返りといった症状や静脈瘤の有無などを確認する。視診や触診が行われるため着脱しやすい衣類が望ましい。
- 2超音波検査
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静脈の状態を把握するために、臨床検査技師による超音波検査を受ける。超音波検査の所要時間はだいたい30分程度で、静脈の太さや血液の逆流の有無、またその範囲や血栓の有無、神経走行まで、さまざまなポイントで確認していく。血液の逆流が認められ、症状を伴っている場合は下肢静脈瘤の治療に移行するそうだ。女性でも安心して検査を受けられるように、同院には女性の臨床検査技師が在籍。
- 3診断
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超音波検査を受けて下肢静脈瘤の診断がつけば、症状や生活スタイル、希望などをもとに医師と相談しながら治療方法を決定する。手術および血管内治療が必要となった場合は、術前検査として感染症などの採血検査と心電図検査、胸部レントゲン検査などを受ける。
- 4治療
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治療時はクリニックで用意される術衣に着替える。治療の所要時間は1時間から長くても2時間程度で、終了後は1時間ほどリカバリールームで休みながら、抗生物質を点滴してもらう。その後、弾性ストッキングを着用して帰宅できるが、当日は入浴を控えよう。
- 5術後のケア
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治療翌日に通院。超音波検査で静脈の状態を確認し、傷を消毒してもらう。問題なければ1週間、1ヵ月、3ヵ月と徐々に間隔を長くして計4回通院する。治療後3日間は昼間・就寝時に弾性ストッキングを着用して生活し、出血を防ぐ。4日目以降には運動もできるそうだ。術後2週間は日中のみ弾性ストッキングを着用する。
自由診療費用の目安
自由診療とは弾性ストッキング/2500円または3500円