コンタクトレンズ処方は眼科へ
緑内障の早期発見につながることも
明生アイクリニック
(神戸市中央区/三ノ宮駅)
最終更新日:2025/01/16


- 保険診療
最近ではインターネットの通信販売サイトなどで簡単に手に入るコンタクトレンズだが、合わないレンズを装着して目を痛めてしまったり、頭痛などの症状が出たりする人も少なくない。「ネット通販はとても便利ですが、ご自身の判断だけでコンタクトレンズを選ぶと思わぬトラブルが生じる場合もあります」と話すのは、「明生アイクリニック」の小松重昭院長だ。同院はコンタクトレンズの処方を中心とした目の健康管理を専門に行うクリニックで、若年層から高齢者まで幅広い患者が訪れる。コンタクトレンズをクリニックで処方してもらうと、「適切なレンズが見つかりやすい上に、緑内障など隠れた病気の早期発見が期待できるというメリットもある」と話す小松院長。処方や検査の流れについて詳しく聞いた。
(取材日2024年1月16日)
目次
試用装着で自分に合うコンタクトレンズを見極め、複数の検査で緑内障など隠れた病気の早期発見を
- Qコンタクトレンズや眼鏡を作る際の流れを教えてください。
-
A
▲一人ひとりのニーズに合わせたレンズを提案
クリニックでは、まず検査をして目の状態や見え方などを調べ、生活状況などをヒアリングしてから合うレンズや度数を吟味していきます。というのも目の健康状態やどんなものを見たいのかによって、適したレンズは変わってくるからです。例えば一日中パソコンなど近くの物を見る人に1.0の見え方で合わせると疲れるだけです。そして重要となるのは、「環境」「度数」「ピント」の3要素です。環境とは、一日中エアコンが効いた部屋にいて目が乾燥しやすい、持病があるなど、その人の目を取り巻く環境のこと。度数は皆さんよく気にしていますが、度数が合っていてもピント合わせの筋肉が疲れていると近くも遠くも見えにくくなってしまいます。
- Qコンタクトレンズや眼鏡を購入するのに処方箋は必要ですか?
-
A
▲目の負担を軽減するためにクリニックで診察することが大切
処方箋がなくても、通販サイトなどでご自身で購入していただくことは可能です。ですが、ピントが合わなくなってきているのに「度数が足りないんだ」と思い込んで強い度数のレンズを買うことで、目に負担をかけてしまうこともあるので要注意です。通販はとても便利ですが、自己判断だけで選ぶとトラブルを起こしかねません。乱視がある方や左右で見え方が違う方は、なおさらクリニックで診断してもらってから購入することをお勧めします。特に眼鏡ではそういった調整が難しく、さらに子どもさんの場合は成長とともに左右の目の間の距離が変わってくるので、定期的にクリニックで診てもらった方がいいと思います。
- Q適していないものを使い続けると、どんな影響がありますか?
-
A
▲同院ではさまざまなレンズを確かめることが可能
度数やピントが合っていないと目の疲れ、目の奥の痛み、頭痛、夕方になるとぼやけるなどの症状が現れます。また使い方を誤ると、目に傷が入ったり、アレルギー性結膜炎などを発症することも。ごくまれではありますが、微生物に感染してほぼ失明状態になる人もいます。リスクは低くても起こったときの代償が大きいので、眼科で指導を受けて正しくコンタクトレンズや眼鏡を使っていただいたほうがいいです。当院のように、クリニックによってはいろんなレンズを実際に試してから、ぴったりのものを選べるところもあります。それがクリニックを受診する大きなメリットでしょうね。
- Q来院ついでに緑内障の検査を受けることもできるそうですね。
-
A
▲自覚症状があまりない緑内障の検査も行っている
そうですね。緑内障とは視野が徐々に欠けていく病気です。発症していても自分で気づくのは難しく、はっきりと視野が欠けていると気づいたときには末期の状態になっているという、怖い病気なんですよ。日本人の失明原因のトップは緑内障で、何と17人に1人が緑内障というデータもあります。ですから、コンタクトレンズ処方のついでに自覚症状のない緑内障を発見して、治療までつなげることが理想ですね。検査そのものは20分程度で終わり、ほぼ痛みもかゆみもありません。高齢者の病気というイメージがあるかもしれませんが、20代の若い方でも発症するリスクはあります。
- Q緑内障の検査・治療はどのように行いますか?
-
A
▲緑内障の治療は病状の進行度や年齢を考慮して治療の有無を判断
まずは眼圧を測り、角膜の厚みで補正します。さらに視神経乳頭をチェックして、疑いがあればOCTで視神経繊維の厚みをみたり視野検査にて病状の進行を確認して、最終的には年齢を考慮のうえで治療の有無を含めて決定します。その後は病状によって3ヵ月から1年ごとの検診、もし病状が進行すれば専門的な施設に紹介します。そして治療の必要があれば、目薬を処方します。薬の種類は主に8系統あり、非常に数が多いので、喘息や不整脈などその人の他の疾患なども加味して選択します。最近は合剤も多くなり使いやすくなりました。コンタクトレンズの方はなるべく1日1回の点眼で済むように配慮しますので、ご相談ください。