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宮本 英明 理事長の独自取材記事

宮本耳鼻咽喉科

(神戸市須磨区/板宿駅)

最終更新日:2023/01/26

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板宿駅から徒歩で3分、新町商店街の近くにある「宮本耳鼻咽喉科」は1963年の開業から3世代にわたって地域の健康を支えてきた。2014年に理事長を継承した宮本英明先生は、「これからも地域に根差した治療をしていきたい」と和やかに語る。「風邪の症状には内科より、耳鼻咽喉科を受診されたほうが専門的な治療ができる」という宮本理事長の意思は地域にも根づいているようで、同院には風邪症状の患者が多く訪れる。実際、鼻汁や喉の痛みは、内科では風邪の症状と診断され服薬療法となるが、耳鼻咽喉科では服薬に加え、より専門的な処置ができるため、早い改善につながりやすいという。子どもから高齢者まで幅広い年代層の診察にあたる、穏やかな宮本理事長に話を聞いた。

(取材日2022年9月10日)

エックス線や耳鳴り検査装置など、設備が充実

設備を充実させ、検査に注力されているそうですね。

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耳垢や鼻の詰まり、喉の痛みなどの一般的な治療だけでなく、地域の耳鼻咽喉科ではあまり行わないような検査も行えるように設備を整えています。耳鳴りですと、耳鳴検査装置を使用し、どんな耳鳴りなのか、キーンという音なのかブーンという音なのか詳しく検査していきます。耳鳴りは自覚症状だけですので、実際にどんな耳鳴りが聞こえるのか細かく知るために専門的機器を使用しております。事故などが原因の場合は、労災を希望される患者さんも多いですので、労災認定のための詳しい検査ができる点が特徴かなと思います。他にも、耳音響放射検査も行い、内耳の検査も詳しく行っています。また、エックス線では患者さんの鼻の骨格を目視できるので、骨格が症状に影響を与えていないか判断できます。

鼻の骨格が症状に影響していることもあるのですか?

ありますよ。鼻中隔湾曲症といって、鼻のちょうど中央に位置する鼻中隔が湾曲している、つまり曲がってしまっていると、鼻詰まりやいびきなどといった症状が現れやすくなってしまいます。また、エックス線で鼻の片側だけに症状が強く出ているとわかった場合、虫歯が原因である可能性もあります。上の歯に虫歯があり、その炎症が上のほうに波及してしまっていると、鼻の症状を起こしやすくしてしまうのです。虫歯の治療は当院ではできませんので、まずは患者さんに歯科クリニックに行ってもらい、虫歯の治療と並行して診察していくことになります。

他に、耳鼻咽喉科での検査ではどんなことがわかりますか?

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カビなども発見できます。耳の中にも鼻の中にも、カビが生えることはあります。耳の場合は、例えば外耳道真菌症という病気があり、耳の中の通り道である外耳道にカビが発生してしまいます。実は、このカビが生える原因はご自身の耳かきである場合が多いのです。耳かきを繰り返すことにより外耳道の防御層を破壊してしまい、そこにカビが生え、外耳道真菌症を引き起こしてしまうのです。カビは自然治癒することがありません。カビを取り除くには、かなり時間がかかり、週3回ほど通院していただいても数ヵ月かかることもあります。

耳鼻咽喉科でできること、得意なこと

風邪症状の患者さんにも対応されていますね。

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濃い色の鼻汁や痰がらみの咳で悩まれると、内科のクリニックを受診される方が多いと思いますが、内科ですと、いわゆる風邪症状と見なされることが多くあります。ですが、鼻汁や喉の炎症は、内科のみの治療だとなかなか症状が改善につながらず、当院にお越しになる方もいらっしゃいます。濃い鼻汁で悩まれる方の多くは、副鼻腔炎を発症されています。カビが引き起こす場合もありますが、まれなケースです。咳払いがひどいときは、喉に炎症があるのですが炎症の原因は鼻から垂れてくる鼻汁の場合もあります。鼻の奥に鼻汁が垂れ込む後鼻漏という状態により咳払いが出てしまっている場合もあり、その場合は、喉の炎症だけでなく鼻の治療も施す必要があります。このように、耳・鼻・喉に特化した診察や治療が可能なので、もし、風邪症状が出たら、耳鼻咽喉科を受診することで早い改善につながることもあるのではないかと思います。

耳鼻咽喉科ならではの診療についてもう少しお聞かせください。

耳鼻咽喉科の良い点は、処置ができることです。鼻汁が詰まっていたら鼻汁の吸引器がありますし、喉の炎症を抑えるためのネブライザーという機器もあります。赤ちゃんの鼻汁を吸わせに来る患者さんもいらっしゃいますよ。親御さんには、できれば電動式の鼻汁吸引機をご家庭に一台お持ちになることをお勧めしています。夜、鼻汁が詰まって苦しんでいる時に、吸ってあげるだけですし、呼吸が楽になれば寝つきもよくなるでしょう。小さなお子さんの鼻汁がなかなか治らない場合、耳鼻咽喉科では中耳炎を引き起こさないかを一番心配します。当院なら抗生剤を処方して早めの対応をすることが多いです。ただ、抗生剤を使わない場合は、中耳炎を引き起こさないよう、2日に一度吸引機で鼻汁を吸う処置をします。治療機器は、別の疾患を引き起こさないための予防にもつながっているのです。

耳掃除も耳鼻咽喉科の受診を推奨されているそうですね。

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耳は繊細な器官ですので、実は耳掃除は十分注意が必要な行為なのです。特に、未就学のお子さんへは家庭で耳掃除をしないよう伝えています。よくあるのが、親御さんが小さなお子さんの耳掃除をしようと耳の中に綿棒を入れたところ、本人が嫌がって首を振ってしまい、外耳道を傷つけたり、鼓膜を破ってしまうというケースです。もし、耳垢がたまっているなと思われたら、当院にお越しいただきたいと思います。耳掃除はお子さんだけでなく、大人の方にもお勧めしていません。多くの方は、耳の中を強くいじりすぎて傷つけていたり、触ってはいけない奥の器官まで触れてしまっています。基本的に、カサカサした耳垢なら自然と耳から出てきます。それでも気になる場合は、赤ちゃん用の綿棒で耳の入り口をちょっと触る程度で良いと思います。もし、当院で耳掃除をされる場合は、3ヵ月から半年ごとにお越しになる程度で十分ですよ。

これまで以上に、地域に根差した医療を

医師になられたきっかけをお聞かせください。

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祖父も父も医師で、父が開業しましたので、私が子どもの頃は自分も将来医師になるのだろう、と漠然と考えていました。正直、大人になったら勝手に医師になれると思っていたのです(笑)。しかし、高校受験の時になって「どうやら医師になるのは大変そうだぞ」と感じ始めました。また、ちょうどその頃、阪神・淡路大震災がありました。当時、父が開業した当院は1階にあり、家族は2階で寝ていたのですが、院内は無事だったものの、機器などは倒れて大変な状況になっていました。しかし、震災の次の日から父は院内全面にブルーシートを敷き、器具を煮沸消毒しながら診療を始めたのです。震災の被害に遭い、少し前まで埋もれていたような方々へ、父は治療していました。その時、初めて父の働く姿を見て、「医師ってかっこいいな」と医師への思いを強くしました。

クリニックを継承するまではどのようなご経験を積まれましたか?

近畿大学医学部を卒業後、同大学で2年の研修を積み、附属病院耳鼻咽喉科学教室にて約5年、近畿大学医学部堺病院で約2年勤めました。大学病院では、外来診療だけでなく手術や病棟業務を行い、がん患者さんの治療にも多く携わっていました。その経験を生かし、当院でもがんを見落とさないよう常に注視しています。例えば声が枯れて受診された患者さんの声や、耳垂れといった症状の特徴からがんの疑いを見逃さないようにしています。がんが原因で症状を起こしているケースは多くはありませんが、何か気になる症状がありましたら、早めに受診していただければと思います。

読者へメッセージをお願いします。

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感染症の流行で、受診控えをされている方もいらっしゃいますが、突発性難聴など症状が出たらすぐに治療を施さないと治癒が難しくなる病気もあります。当院は、感染症対策もしっかり行っていますので、どうぞ怖がらず、気になることがありましたらお越しいただきたいと思います。

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