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松井 誠一郎 院長の独自取材記事

瀬川外科

(神戸市須磨区/板宿駅)

最終更新日:2019/08/28

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山陽電鉄と神戸市営地下鉄西神線の板宿駅からほど近い場所にある「瀬川外科」。整形外科・外科・皮膚科を掲げ、地域に根づいて診療を行っている診療所だ。患者の痛みや症状をしっかりと分析し、正確な診断に努める松井誠一郎院長のもとには、子どもから高齢者まで幅広い年齢層の患者が訪れる。診療の一方で須磨区医師会会長として地域医療の連携に取り組むなど、日々多忙を極めながらも、バイオリンや写真を愛する趣味人の一面も持つ松井院長。その豊かな人間性が醸すとても穏やかな笑顔と口調も、患者に人気の一因といえそうだ。そんな松井院長に、腰痛の話や整形外科医師として行うペインクリニックについての話、また外反母趾の日帰り手術についてなど、話を聞いた。
(取材日2019年1月29日)

正確な診断をするため、診断名にこだわらずに診療

工学部を卒業した後に医学部へ入学したそうですね。医学部に進んだ理由について教えてください。

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もともと大学を選ぶときに工学部か医学部か迷っていた時期があったんです。それで東大の工学部を選んで卒業し一時は設計の仕事をしたんですが、生物の機能や構造を分析して人工的に再現利用する生体工学に興味があったこともあり、それなら実際に人間の体を扱う医師がいいかなと思うようになったんです。それで医学部への道を進むことにしました。大阪大学の医学部を卒業してからは、大学の整形外科に入局し、その後は伊丹市民病院や大阪府立病院、川西市民病院などを経て、2002年にこの病院を継承開業しました。

なぜ、継承しての開業の道を選んだのでしょう?

一時お手伝いをしていた病院の奥さんのご実家が、この瀬川外科だったんですね。その院長は当時すでに引退していらっしゃったんですが「ここを継承してくれないか」という話があって。名前はそのまま残してほしいということだったので、名前は瀬川外科のまま継承開業したわけです。以前ここは有床の外科中心の診療所だったんですが、わたしは整形外科が専門なので、ペインクリニックを含む整形外科をメインに外科・皮膚科を掲げ、入院設備はなくして2階をリハビリテーションに、3階を手術室に改造して今に至っています。

診察をする上で大切にしていることを教えてください。

まず患者さんが何を希望しているかということですね。皆さんいろいろな疾患を抱えていますので、それをどこまでどの部分を治療するかという希望を聞くこと。あとは正確な診断をすること。例えば痛みに関して言うと、何がどういう状態で痛みが出ているのかということを、きっちり解剖学的に考えながら診ること。正確な診断をするために、診断名にこだわらないこと。診断名で決められない病態・病状というのがあるので、それをいかに正確に掴むかというのが重要なんですね。例えば「腰が痛い」という症状でMRI画像を見たら脊柱管狭窄症だったと。でも腰が痛いのは、筋肉の痛みなどもっと他の痛みが出ている場合が多いわけで。その場合は手術をする必要はなく、腰の痛みを取ればいい。画像にこだわらず、患者さんの自覚症状をしっかり把握した上で、正確な診断をしていくことが大切。そのためにも必ず患者さんの体を触って診断するようにしています。

体を触って診断してわかることがあるんですね。

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はい。どの部分がどの程度、どんな時ににどのように痛いのか。そういう情報が重要なので、実際に触ったり動かしてみると大体その痛みの原因が判断できるわけです。患者さんの体を触りながら、こういうふうにしたらどの程度痛がるとか……。画像だけではない患者さんの体からの情報を得ながら診断しています。

痛みの原因を見極め、的確なアプローチで症状改善へ

整形外科で得意な分野について教えてください。

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もともと脊椎や関節が専門で、勤務医の頃は多く手術も行っていました。今は保存的な治療が多いですね。それぞれの症状や生活スタイルに合わせて、痛みを和らげるペインクリニックにも力を入れています。一般的にはペインクリニックというのは麻酔科がやっていて、多くの人は神経を主に考えて神経ブロックをメインにやっています。整形外科医が行うペインクリニックというのは、神経ブロックもやりますけれど、解剖学的にさまざまな原因を考えながら診療をしていきますので、治療の幅が広いんです。例えば「膝が痛い」という場合は、関節の中だけを考えるのではなく、膝の周りにいろんな筋肉や靭帯がついていますから、そこに痛みの原因がある場合もありますので、それに応じた治療をする。必ずしも膝にヒアルロン酸の注射をしたからといって、良くなるわけではないということですね。

それぞれに応じたアプローチが必要なんですね。

腰痛の場合だと、画像で骨が変形しているからといって、必ずしもそれが腰痛の原因ではない。一番多いのは筋肉の痛みですね。それが、骨が曲がっているために筋肉の痛みが起きているのか、姿勢や普段の作業が問題なのか、一時的なものか、筋肉が変性して血流が悪くなっているのか、あるいは神経が関係しているのか。痛みの原因は、いろいろ複雑に絡み合っているので、そこを見極めてそれぞれに応じた治療を行います。アプローチとしては、例えば腰痛なら、急性の痛みで動くことができない場合はブロック注射をします。慢性的な腰の痛みの場合は、ブロック注射をしても一時的にしか効果が続かないため、薬や運動療法で、必要に応じて漢方も使って治療します。

患者さんは地元の方が多いのですか?

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地元の人が多いです。子どもから高齢者まで幅広くいらっしゃいますよ。子どもは外傷や皮膚科の疾患で来ることが多いです。外科では外傷の治療や傷をきれいに治す形成だったり、皮膚科があるので、思春期の子はニキビ治療で来る子も結構いますね。日帰り手術やペインクリニックでは、外反母趾や手根管症候群、ばね指、関節リウマチ、それによる足部変形、腱鞘炎の日帰り手術をやっていますので、インターネットやクチコミで遠くから来る人もいらっしゃいます。「外反母趾の日帰り手術ができる」というので、三重県から来られた方もいましたね。外反母趾の手術については、当院では足の部分に伝達麻酔を行って手術をすることが可能となっています。本格的に骨を切って形成するのですが、この手術法で日帰りは全国でもあまり多くはないかと思います。

患者のつらさや痛みを受け止めることができる存在に

須磨区医師会の会長を務めていらっしゃいますが、先生がめざしている地域医療とはなんですか?

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須磨区は大きな病院の数がほかに比べると少ないので、たくさんある開業医が連携して一つの病院のような機能を持たせたいと考えています。あとは、医療と介護の連携。内科同士でグループをつくって在宅医療を行うというケースはよくあるんですけど、そうではなくて、内科、整形外科、皮膚化、眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・精神科などの開業医の医師が集まって、知識を集結し連携することで総合病院のような在宅医療をしていこうと考えています。地域住民の方がこの地で生涯笑顔で暮らしていけるようにサポートできるよう、今動いているところです。

院内にきれいな写真がたくさん飾られていますが、先生が撮ったものですか?

そうです。写真を撮ることが好きで、休みの日や旅行に行ったときに撮っています。神戸市医師会の写真部に所属していて、展覧会に出展したりしています。草花や自然の風景を撮るのが好きですね。カメラ歴は長いですよ。20年ぐらい。フィルム時代からですね。バイオリンも趣味で高校生の頃からやっています。今は兵庫県医師会交響楽団でヴィオラを弾いていて、大阪にいたときは大阪府医師会のフィルハーモニーでバイオリンを弾いていました。練習は毎日1時間はやっています。診療が終わった後、食事を終えて寝る前に。日々忙しいですけど、カメラもバイオリンも好きですから、寝る時間を削ってでも時間をなんとか捻出して楽しんでいます(笑)。

今後の展望をお聞かせください。

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今のレベルを維持していきながら、地域の医療に貢献していきたいですね。ここは下町のいい雰囲気がある町で、患者さんとの距離感も近い。その分患者さんはなんでも話してくれるし、話しやすい関係が築けていると思います。その信頼関係を大切に、それぞれの患者さんのタイプに合わせて丁寧に診療をしていきたい。「自分のつらさや痛みをわかってくれた」と患者さんに思ってもらえるような医師でありたいです。

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