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丸山 勝也 院長の独自取材記事

丸山内科クリニック

(神戸市須磨区/妙法寺駅)

最終更新日:2024/07/22

丸山勝也院長 丸山内科クリニック main

神戸市須磨区にある「丸山内科クリニック」。2020年7月、丸山勝也院長が長年にわたり地域に貢献した「高石内科クリニック」を継承し、名称も新たに生まれ変わった。以前から通院していた糖尿病患者も引き続き診療しながら、自身が専門とする循環器疾患などの得意分野を生かして、より幅広い医療を提供している。診療は基本的に予約制で、問診から検査、検査結果の共有に至るまできちんと時間を確保しているのも同院の特徴。患者の検査に対する意識向上にも取り組んでいるという。勤務医時代にさまざまな病院で知見を深めてきた丸山院長は、治療はもちろん予防面からのアプローチにも注力している。今回は、これまでの丸山院長の経歴や地域医療への思い、診療時の心がけ、検診や腸内環境の重要性をはじめ同院が注力していることについて話を聞いた。

(取材日2023年11月29日)

内科全般に広く対応し、全身の健康維持をめざす

継承から3年ほどたちましたが、継承当初から何か変化はありましたか?

丸山勝也院長 丸山内科クリニック1

私が院長を引き継いだ当初は、患者さんは妙法寺周辺の近隣の方が中心でした。ですが、最近は医療圏が広がってきたように思います。年齢層も40~50代といった比較的若い世代で、遠方からもお越しになられています。「会社の健康診断で引っかかった」「急に血圧が上がってきたので心配」といったお悩みが多く、いわゆる生活習慣病予備軍といわれる方たちからのご相談が増えてきた印象ですね。継承して以来、当院では治療はもちろんですが、定期的な検診に注力し、患者さんの健康サポートに努めてきました。「あそこのクリニックはしっかり診てくれる」と思っていただけているのではないでしょうか。

丸山院長は循環器内科がご専門だそうですね。

私は「全身を知り、トータルな治療を行いたい」という気持ちから内科の道に進み、その中でも心臓という、命に直結する臓器を扱う循環器内科を専門に選びました。勤務医時代には複数の病院に勤めたのですが、いずれも救急の現場に立つことが多かったため、短時間のうちに患者さんの状態を把握し治療する力を養えたと思います。物事をゆっくり考える時間ももちろん大切ではあるものの、その場で判断してすぐに動く訓練ができたのは良かったですね。また、病院では他科の先生とのつながりも自然と生まれますので、循環器以外の観点からの考え方も柔軟に取り入れながら成長できました。

どのような思いで地域に医療を提供していますか?

丸山勝也院長 丸山内科クリニック2

直近で勤めていた病院の院長が外科系の専門だった背景もあり、私は内科系を幅広く任せていただいていました。循環器内科を専門としつつも、内科の医師として糖尿病の管理を行い、消化器系の分野も一通り学んでいます。だからこそ、地域のクリニックとして患者さんのさまざまなお悩みや困り事に応じられるのが、私の強みです。特に周辺地域には高齢の方が多いこともあって、糖尿病や高血圧、慢性腎臓病など複数の疾患を抱える人も多く、健康維持のサポートが私たちの役目でもあります。例えば、当院では睡眠時無呼吸症候群の自宅検査にも対応しています。睡眠時無呼吸症候群は、QOLが低下するばかりでなく、さまざまな合併症を引き起こす恐れのある怖い病気です。大きな病気になる前の段階で見つけて治療するなど、予防医学的なアプローチにも注力していきたいと考えています。

予約診療で十分な時間をかけ、検査や説明も丁寧に実施

診療する際に気をつけていることは何ですか?

丸山勝也院長 丸山内科クリニック3

当院では、丁寧な診療を心がけています。当院の患者さんの90%以上が予約診療で、一人あたりの診療時間は必ず15分以上とっています。特に問診を重要視していて、じっくり聞き取り、何か変わったことがあればきちんとお調べするのが特徴です。検査結果ではわかりやすい言葉で説明し、撮影した画像を患者さんと一緒に見ながらお話しします。患者さんにとっても結果を次回にお伝えするよりも、現在の状況や治療内容のイメージが鮮明なうちに共有したほうが良いと思っていますので、そのための時間も十分に確保するようにしています。

前院長の代からの糖尿病の患者さんも変わらず来院しているそうですね。

患者さんの約3割は糖尿病患者さんで、私が引き続き治療を行っています。とはいえ、継承時は新型コロナウイルス感染症流行下にあり、糖尿病の教育入院ができなかったため、高石先生から引き継いだ患者さんたちをどう診ていくか非常に苦慮しましたね。幸いその頃、糖尿病の新しい薬が誕生しました。中には週に1回の投与で済むものもあり、教育入院をせずとも、クリニックの外来で糖尿病のコントロールが図れるようになったのです。血糖値も、以前ならば1日に3~4回、指先に針を刺して計測していました。それが専用の器具を腕に装着するだけで、1~2分ごとに血糖値を測れるまでに進化しています。こちらを2週間ほど継続使用することで、より適切な糖尿病治療を行えるようになりましたね。

クリニックとして注力していることは何ですか?

丸山勝也院長 丸山内科クリニック4

定期的な検診です。複数の疾患がある患者さんも多いですし、新型コロナウイルス感染症の流行で生活様式が変わったため、さまざまな病気に対する免疫力が下がっている恐れがあります。当初は必要な時に心電図やエックス線、動脈硬化を調べる血圧脈波検査などを提案していました。ですが、どうしても都合の良いタイミングがなかったり、患者さんが受診を忘れてしまったりして検査ができないケースも少なくありません。そこで「何月と何月に心電図を撮りましょう」という形で検査月間を設けて、集中的に検査を受けていただくようにしたんです。患者さんの中には年に1回、もしくは数年に1回受ければ良いという考えの方もいらっしゃいます。ですが、検査月間はそうした意識の患者さんの経過も追っていきたいとの考えから生まれた取り組みでもあります。定期的に検査を受けることで、健康に対するモチベーション維持にもつながるでしょう。

脂肪肝検査や腸内環境の重要性など新しい分野にも注力

新しく脂肪肝検査も導入されたそうですね。

丸山勝也院長 丸山内科クリニック5

今までは脂肪肝といえば、アルコールが主な原因と考えられていましたが、今はアルコールを飲まない人でも、加齢や生活習慣の変化で脂肪肝になる人が増えてきています。また、脂肪肝は放っておくと肝硬変や肝臓がんになるリスクが高まるだけでなく、それ自体が動脈硬化の原因になるといわれています。当院では、肝臓の硬さと脂肪量を素早く測定できる機器を導入しました。これまで肝硬変や脂肪肝の評価は針を刺して行う肝生検検査が一般的でしたが、先進の脂肪肝検査は、超音波を用い、繰り返し検査を行うことができます。また、数値化されるので、治療の経過の把握にも役立ちますね。兵庫県内ではまだ大きな病院に数台しか導入されていない機器ですが、当院では、定期検診や成人病検査でも活用するようにしています。

また、腸内環境の役割についても学んでいらっしゃると聞きました。

はい。こちらは実は、私自身の体験を機に興味を持った分野です。具体的にお話しすると、勤務医時代に肥満になってしまった時期があり、改善策を探したところ、「腸内環境を整えることが大事」という結論に至りました。そこで、ビフィズス菌や乳酸菌と、それらの栄養源である食物繊維を同時に摂取するよう努めていました。この経験を「何らかのかたちで診療に取り入れられないか」と思いつき、今日まで勉強しています。腸内環境は腸疾患をはじめ、高血圧や糖尿病、さらに認知症やうつ病などさまざまな病気と関係があるとされています。他科の先生も注目し、研究している分野ですので、当院でも患者さん一人ひとりにオーダーメイドの診療を実践できるよう研鑽に励んでいます。

今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

丸山勝也院長 丸山内科クリニック6

この地域の皆さんを末永く診たいという気持ちがありますね。そのためにも、新しい治療や検査機器、新薬はどんどん取り入れていきたいと思っています。その一方で、将来的には別の地区に分院を開設するなど、よりたくさんの人たちのお役に立ちたいと思っています。特に、40~50代の働き世代の方に腸内環境の大切さについてお伝えしたいと考えていますので、引き続き研鑽に努めていきたいですね。当院は循環器疾患や糖尿病を得意としていますが、中にはおなかが痛い、膝が痛いといった相談をされる時もあります。でも、それこそが地域のかかりつけ医。窓口を広げ、必要があれば他科を紹介します。腸内環境の重要性についてもご興味があればご説明しますので、ぜひお気軽にご来院ください。

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