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骨粗しょう症の予防と早期発見
若い頃からの心がけが重要

飯尾整形外科クリニック

(神戸市灘区/六甲駅)

最終更新日:2020/07/21

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  • 保険診療

女性の平均寿命が85歳を超え過去最長を更新し続ける今日、いつまでも自立して健康に過ごしたいと多くの女性が望む。そんな中、閉経後の女性に多い骨粗しょう症は、骨の内部でじわじわと進行し、進行すると痛みや骨折が寝たきりを誘発し、生活の質を低下させ健康寿命を損なう原因になり得る。骨の内部で日々生じる変化はなかなか自覚できないので見落としがちな病気だが、早期から予防や治療が始められれば、その後の症状や進行は大きく変わる。「だからこそ、女性には閉経前の30~50代から骨粗しょう症に関する知識を持ってほしいですね」と語る「飯尾整形外科クリニック」の飯尾純院長に、発症のメカニズムや予防、早期発見・治療の重要性について聞いた。(取材日2019年4月25日)

遺伝的な要素や骨の強さを骨密度測定で把握しつつ、若い時期から食事や運動で予防に努めることが重要

Q高齢の女性に多い骨粗しょう症、どのような病気ですか?
A
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▲骨の異常や問題点を早期に発見し、治療につなげることをめざす

骨粗しょう症は、骨が弱くなって骨折や変形、痛みが起こる病気です。健康な骨の内部はスポンジのような形をした骨の梁(はり)構造が縦横無尽に密集していますが、骨粗しょう症ではこの梁構造が細くまばらになり、スカスカになってしまいます。このような骨の内部の変化を骨密度の低下と呼びますが、骨粗しょう症が知らないうちに進行して骨密度が低下しすぎると骨が脆くなってしまい、骨格に加わる外力に耐えきれずに、軽い衝撃で背中や腰の骨、大腿骨、肩、手首、肋骨、骨盤、すねなどを骨折するようになります。骨折すると痛みのために動きにくくなり、背骨が変形すると見た目も老けて見えてしまうなど、日常生活にも大きな支障が生じます。

Q骨粗しょう症になりやすい人には、特徴や傾向がありますか?
A
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▲豊富な知識と経験に基づいた診療を提供

体の中で骨の量は成長期にどんどん増加し20歳頃にピークを迎え、20~40代の間は最大の量を維持しますが、40代後半から徐々に低下し始めます。特に女性では、閉経によりエストロゲンという骨を守るホルモンが減少して急速に骨が弱くなってしまいます。また、骨の強さは遺伝とも大きく関係すると考えられていて、親族、特に母親が骨粗しょう症にかかっていたという人は、十分に注意と予防が必要です。さらに、やせ型の体型の方や、思春期の運動不足や極端なダイエットで骨が十分な量まで増えていない方もなりやすく、日常的な喫煙、過度な飲酒、食生活の偏り、運動不足などの生活習慣も骨粗しょう症と関係することがわかっています。

Q骨密度低下の原因は? また、低下した骨密度は改善できますか?
A
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▲模型を使い、わかりやすく伝えることを心がける

健康な骨では、骨を溶かす破骨細胞と骨を作り出す骨芽細胞がバランスよく働いて、骨の密度を維持しています。閉経前の女性の体の中では、エストロゲンが破骨細胞の勢いをコントロールしていますが、閉経後はエストロゲンが減るために破骨細胞の勢いが徐々に活発になり、若い頃からためこんでいた「骨の貯金」はどんどん減ってゆきます。また、病気の治療で薬物を使用したり、ホルモンをコントロールする治療を受けると、若い方でも骨密度が低下しやすくなる場合があります。しかし、食事でカルシウムなど骨に必要な栄養を取り、適度な運動で骨に刺激を与え、適切な薬の治療をすることで、骨密度を維持したり改善することが期待できます。

Qこちらで受けられる検査・治療について教えてください。
A
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▲全身用の骨密度測定器が導入されている

問診で生活の様子やご家族の病歴をお伺いし、視診や触診も行います。エックス線検査では、背骨の変形や無自覚の骨折がないか、過去の骨折の既往歴や経過などを調べます。さらに全身用の骨密度測定装置(DXA装置)を用いて腰椎と大腿骨の骨密度を測定します。準備を含めて数分程度で行え、服を着たまま受けられます。また血液検査で破骨細胞と骨芽細胞の状況を詳細に調べ、治療が必要かどうか、またどのような治療が適切かを確認した上で十分に説明を行い、病状やご希望に応じて、食事や運動の指導や必要ならば薬物治療を提案します。なお、治療中は定期的に骨密度測定を行い、治療の効果を患者さまとご一緒に確認しています。

Q骨粗しょう症を予防するために、できることはありますか?
A
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▲治療だけでなく、体を動かす習慣が大切と語る院長

骨粗しょう症の症状が出るのは閉経後ですが、若い頃からの生活に大きく影響を受ける病気です。予防するためには食事と運動が大事と考えられています。食事では、骨をつくるのに必要なカルシウムや蛋白質、さらにはビタミンDやビタミンKなどが不足しないように心がけてください。運動では、成長期はもちろん20歳以降も日頃から運動習慣を取り入れて、日常的に骨に適度な圧力変化を与え、しっかりとした骨を作りながら骨密度を維持することが大事です。子育てや家事、ウォーキングなども立派な運動になりますね。たとえ遺伝的な要素を持つ人でも、若い年代に骨量のピークをできるだけ高めておくことが、骨粗しょう症の予防に役立ちます。

ドクターからのメッセージ

飯尾 純院長

30~50代の女性には、骨粗しょう症はまだ先のことに思えるかもしれません。しかし、ご自身が持つリスクや遺伝的な要因を把握し、食生活や運動に意識を向けることは老後の健康寿命に大きく影響します。また、若い頃からちょっとした外力で骨折を繰り返したり、長引く咳で肋骨を骨折した経験があれば、それは骨の弱さを示すシグナルかもしれません。骨粗しょう症の怖さは、重大な痛みや骨折が起こるまで自覚しにくいところです。骨粗しょう症の情報に目を向けてみて、ご自身で気になる要因があれば、閉経後に一度は骨密度測定を受けてください。またお子さんをお持ちでしたら、食や運動に関する知識を子育てにもぜひ生かしてほしいと思います。

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