山中 昭文 理事長の独自取材記事
山中眼科クリニック
(神戸市東灘区/住吉駅)
最終更新日:2024/08/15
住吉駅の駅ビル内3階にある「山中眼科クリニック」。理事長を務めるのは、アメリカのマイアミ大学や福岡大学で研鑽を積み、医学博士であり、飛蚊症、網膜剥離、糖尿病網膜症などの眼底疾患を専門にする山中昭文理事長だ。現在は育った思い入れの深い東灘区において、「地域ナンバーワンの目のホームドクター」をめざして患者の幅広い訴えに対応する。たびたび「眼科医として、地域の皆さんのお役に立てることがあるとすれば、まさに医師冥利に尽きる思いです」と口にする山中理事長。平日に加え、土曜午後・日曜・祝日の診療を続けるのは、「休日に目のトラブルで困る人々を助けたい」という思いからだそうだ。取材では、同クリニックの特徴や目の検診の重要性、読者に知っておいてほしいことなどについてたっぷりと聞いた。
(取材日2024年7月18日)
幅広い分野で専門性の高い診療を提供できることが強み
まずはこちらのクリニックについてご紹介ください。
地域の皆さんの目の健康を一手に引き受ける、「地域ナンバーワンの目のホームドクター」をめざしています。私は近隣の幼稚園や保育園の園医、複数の小学校の校医も務めさせていただいており、当クリニックにはお子さんからご高齢の方まで幅広い年代の方がお越しくださっています。皆さんが目に違和感があるときや何か症状の出ているとき、また目に異常がないかチェックしたいと思うようなとき、いつでも気軽に受診できるクリニックでありたいです。コンタクトレンズの処方がメインというわけではなく、さまざまな目の病気に対応しています。町のクリニックではありますが、質の高い診療を提供できるよう努力していますので、目に関するお悩みなら、どんなことでもお気軽にご相談ください。
眼科医として、読者に伝えたいことはありますか?
人間の五感による知覚の割合は、聴覚や嗅覚、触覚などが数%であるのに対し、視覚は圧倒的に多い80%以上だとされています。このことからも、「見える」ということが人間の生活においてどれだけ大切なことか、おわかりいただけると思います。その「見える」ことを支えるのが眼科です。意外かもしれませんが、さまざまな診療科の中でも、眼科は扱う病気の種類がとても多く、診療範囲が多岐にわたり診察・治療が難しい科なんです。例えば糖尿病や関節リウマチ、高血圧、動脈硬化など全身疾患でも、目に異常が現れることがあります。目に腫瘍が生じることもありますし、脳腫瘍や脳神経とも、とても関わりが深いんです。眼科特有の網膜剥離や斜視などもあり、手術が必要な病気も多いです。当クリニックは、そういった幅広い分野をカバーすることで、少しでも皆さんのお力になりたいと思っています。
さまざまな診療に対応されているのですね。
水曜日の診療を担当する医学博士でもある福原雅之先生は、神経眼科学の専門家です。まぶたのけいれんや斜視、さらに緑内障も神経眼科の領域ですね。一方私は飛蚊症、網膜剥離、糖尿病網膜症などの眼底疾患が専門分野で、福岡大学への国内留学や、アメリカへの留学などを経て、研鑽を積んでまいりました。お互いの専門的な技術や知識を生かしつつ、一般的な眼科疾患にも幅広く対応できる点が強みだと思います。こちらで対応できない特殊な症例につきましては、迅速に専門の医療機関へご紹介しますので、ご安心ください。
患者のために検査の負担軽減に努め、休日診療も実施
専門性の高さに加え、患者さんが受診しやすい環境であることも強みの一つではないでしょうか。
ありがとうございます。当クリニックは住吉駅直結の駅ビル内3階にありますので、雨の日でもぬれずにお越しいただけます。JR神戸線住吉駅は快速が停車する駅でもあり、六甲ライナーも接続しているターミナル駅でもあり、各地域から通っていただきやすいと思います。クリニック外から診察の順番をリアルタイムで確認していただけるシステムを導入しているので、時間になるまで周辺でお買い物を楽しむというのもいいかもしれません。そのほかに患者さんのために行っているのが、休日の診療です。土曜・日曜・祝日においても、午前だけではなく午後の診療も行っています。スタッフに負担をかけていることは重々承知しているのですが、「うちが休日診療をやめれば、この地域の目の救急診療が立ちいかなくなってしまう」という使命感で続けているんです。協力してくれている先生方やスタッフには本当に感謝しています。
目の検診の重要性を伝えたいと伺いました。
目に病気がある場合、わかりやすく症状が出ることもありますが、実は自覚症状が出ないことも多いんです。ですからぜひ、定期的に眼科で目のチェックを受けることをお勧めします。特に注意が必要なのが、黒い虫のような浮遊物が動いて見える飛蚊症です。急に発生したりひどくなっていると感じたりする場合はもちろん、逆に症状が軽くなった、またはなくなったと感じる場合でも、それぞれに恐ろしい病気が隠れている可能性もあり危険です。皆さんお仕事などでお忙しいと思いますが、大切な目を守るために、ぜひ40歳を過ぎたら一度、眼科で検診を受けてみてください。
眼底検査における先進の検査機器を導入したそうですね。
一般的に眼底検査を行う場合、従来の方式では目薬で瞳を開くための散瞳の処置が必要です。そうしないと、眼球の奥にある網膜を見ることができませんからね。ただ、点眼してから瞳が開くよう導くまでに小一時間ほどの時間がかかり、さらに半日ほどは瞳が開いてまぶしくぼやけた状態が続くので、車の運転などはできません。そこで当クリニックでは、検査精度の向上と患者さんの負担軽減につなげるため、超・広角パノラマ眼底カメラを導入しました。こちらの眼底カメラでは、散瞳の処置が必要なく、わずか数秒で広い範囲をチェックできることが利点です。そのため検査後であっても運転が可能で、仕事などにもすぐ復帰でき、タイムパフォーマンスも良好です。取り入れている医療機関はまだとても少ないと思いますので、ご興味のある方はぜひお問い合わせください。
地域の人々を支える「目のホームドクター」をめざして
ドライアイの診療にも力を注がれているそうですね。
現代は、空調が効いた環境下で、長時間パソコンやスマートフォンを使うことが当たり前の状況になっていますよね。私たちは目が乾かないよう、通常1分間に20回くらいの頻度でまばたきをしています。しかし、スマートフォンの画面などを凝視していると極端にまばたきの回数が減って目の表面が乾き、見えづらい、疲れやすい、頭痛がする、充血する、目に傷がつくといった症状が出ます。生活の質はQOLといいますが、眼科ではQOV(クオリティーオブビジョン)、つまり見え方の質を維持する、高めるようめざすことが大切だという考え方があります。このQOV向上のため、ドライアイの診療にも力を注いでいるのです。ドライアイにはさまざまな種類がありますが、涙の量は十分なのに目が乾いてしまうといったマイボーム腺の異常を診断することは非常に難しく、その検査方法の研究に取り組んでいます。
先祖代々、地域の人々のために医療に従事されてきたそうですね。
ええ。実は代々医師の家系で、ご先祖は江戸時代、現在の兵庫県宍粟市にあたる山崎藩の藩医のような役割を果たしていたようです。僕は十何代目かで曽祖父の代からは西洋医学ですが、医学が蘭学と呼ばれていた時代から医療に従事していたということになりますね。当クリニックの名誉院長である父は、当時としてはかなり先進的な医師だったと思います。創生期の眼内レンズ手術の発展に携わっていたことから、国内外の大学病院に招へいされて手術を指導したこともあるそうです。網膜剥離を治すための硝子体手術でも、関西において先駆け的な存在だと聞いています。私もそういった先代たちの思いを受け継いで診療にあたっているといえますね。
最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。
「見える」ということは、私たちの生活においてとても重要なこと。当クリニックでなくとも構いませんので、ぜひかかりつけの眼科を持ち、日頃から目の健康をチェックされることをお勧めします。当クリニックは地域密着でありながら、さまざまな分野において質の高い診療を提供できることが強みだと自負しています。これからも努力を重ねてより良き先進の眼科医療を追求し、地域の皆さんの「目のホームドクター」として尽力していく所存です。