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田中 良樹 院長の独自取材記事

田中医院

(神戸市東灘区/摂津本山駅)

最終更新日:2023/02/17

田中良樹院長 田中医院 main

摂津本山駅南口から東へ歩くこと7分、趣きのある街並みの一角に「田中医院」はある。田中良樹院長の父が1961年に「田中小児科」として開業し、その後1989年に田中院長が継承。現在、専門とする高血圧症・心疾患から生活習慣病・認知症まで内科全般を幅広く診療している。とても親しみやすく穏やかな人柄の田中院長は、前院長と同じく「地域でより良い医療を提供するため」に尽力する熱い一面をもったベテラン医師。少しの時間も無駄にせず患者のために駆け回り、在宅医療や人生の最終段階において「どう死ぬかではなく、どう生きるか」を考えるAdvance Care Planningにも注力している。患者の生涯を医院全体でサポートする田中院長に、診療において大切にしていることや在宅医療などについて聞いた。

(取材日2022年12月12日)

地域で60年、患者を支えるコーチとして医療の提供を

長きにわたり地域を支えてきた医院だと伺いました。

田中良樹院長 田中医院1

この場所に小児科の医師だった父が開業したのが1961年。なので、当院は開業から60年余りたちます。今も昔もこの医院の上が自宅になっているので、私はここで生まれ育ったんですよ。だから父の背中を見て育つうちに自然と医師を志すようになりました。関西医科大学に入って大学院へ進んだ後は、そのまま附属病院のCCUという循環器に関する疾患の集中治療室で長く臨床・研究をしました。その後1989年に当院を継承したわけです。父が96歳で亡くなるまで、父は小児科、私は内科として一緒に診療していました。

専門や診療内容についてお聞かせください。

高血圧と心疾患が専門なので、それにつながるような糖尿病の患者さんも多く診ていますし、高血圧症などの生活習慣病、生活習慣病が原因で起こる狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患の患者さんもいらっしゃいます。もちろん風邪や腹痛なども含めて、一般内科・在宅医療まで幅広く対応しています。この地域も高齢化で認知症の患者さんが急増しているので、認知症の治療にも力を入れています。認知症の早期発見で大切なのは「気づき」。診察室や待合室では患者さんのちょっとした言動の変化を見逃さないように気をつけて、看護師やスタッフと定期的にミーティングを行い、患者さんをサポートするようにしています。

日々の診療で心がけていることはありますか?

田中良樹院長 田中医院2

主役は患者さんで、医師はサポート役のコーチだということを患者さんに理解してもらうことを心がけています。治療において、患者さんが「先生が言うから治療する」という考えだと治療の中断につながりかねません。だからいつも患者さんに「オリンピックに行くのはあなたで、僕らはコーチ」と話しています。自分が主役になって治療をするという意識を持つことで、治療に対するモチベーションが上がり、脳卒中や心筋梗塞などを予防することができる。眼鏡が必要な人が眼鏡をかけないで運転すると交通事故を起こしやすくなるでしょう。生活習慣病や心疾患などの慢性疾患も同じです。「この治療は眼鏡と一緒ですよ」と。自分のために眼鏡をかけて、自分の身は自分で守りましょうとお話しています。

在宅医療から終末期まで患者の人生にしっかり寄り添う

生活習慣病ではどのような治療がベースになるのですか?

田中良樹院長 田中医院3

糖尿病や生活習慣病から心筋梗塞や脳梗塞などを招かないためにも、服薬だけでなく生活習慣の見直しがまず大切。運動療法と食事療法をベースにして、それでも改善が見込めない場合は薬を処方しています。慢性疾患の治療は続けないと意味がないので、食事療法・運動療法ともに患者さん一人ひとりの生活に合わせて「きつ過ぎない、続けられる」指導をするようにしています。予約制でしっかりと時間をとって、専属の管理栄養士による栄養指導を定期的に行っているのですが、そこでも妥協点を探して「できること」を提案しています。運動の指導も、人によって価値観や生活スタイルの違いがあるので、そこを考慮してアドバイスをするようにしています。アドバイスは、その人に合わせてできるだけ具体的に行うことが大事ですね。

在宅医療の取り組みについてお聞かせください。

高齢で足腰が悪くなるなど通院できなくなった患者さんのご自宅へ、定期的に往診に行っています。午前診と午後診の間に私と看護師が自宅へ伺っています。訪問時には診察・治療・処方だけでなく、本人やご家族とお話をする中で悩み事なども聞き、患者さんのご家族の様子も見るようにしています。ご家族が介護で疲弊していないかどうか。今はマンパワーが足りない環境の中で介護をしている人がほとんどなので、ご家族のケアは心がけていますね。より良い在宅医療を提供するために、医師・看護師・ケアマネジャー・理学療法士などのスタッフ、場合によってはご家族も含めて定期的にカンファレンスも行っています。在宅医療はチーム医療なので、カンファレンスを通して共通意識を持つことが大切。その中で対策をみんなで考える。それぞれの立場での気づきがありますから、カンファレンスはとても重要だと考えています。

人生の最終段階を考えるAdvance Care Planningにも力を注いでいるそうですね。

田中良樹院長 田中医院4

人生の終末期にどのような医療やケアを受けたいか、意識がなくなったときに誰に決定してもらうのかなどを患者さんやご家族と一緒に考えていきます。それらをゲームのようなツールを使って段階的に考えて、ご自分の考えを整理していくわけです。これは「どう死にたいか」ではなく「どう生きたいか」を考える取り組みです。前もってそれらを考え、周りの人と共有することが、その人らしい生き方をサポートすることにつながるわけです。また、在宅医療についても言えますが、患者さんが人生を終えたときに、介護をしてきたご家族の気持ちが折れてうつ状態になってしまう人もいるので、ご家族のメンタルも診ていくようにしています。残されたご家族のケアも大事なんですね。ご家族とのつながりもあるので、最後までしっかりとサポートするというのが当院の方針です。

ゾーニングで患者を守るための発熱者専用の外来を設置

発熱者専用の外来を設けていると聞きました。どのように感染症対策をしているのですか?

田中良樹院長 田中医院5

発熱者専用の外来は、午前11時からと午後6時から完全予約制で対応しています。診察室は以前小児科の診療を行っていた診察室を利用して、待合スペースも別にして、一般の患者さんと接触しないよう配慮しています。レッドゾーンである診察室では、パーティションを設置しているほか、私と担当看護師もPPE(防護服)とフェイスガードを着用し、発熱者専用の外来の診察室を出るときにはPPEを脱いでウイルスを一般のエリアに持ち込まないように感染症対策に努めています。今は新型コロナウイルス感染症もまだ収束しておらず、インフルエンザの流行もありますので、発熱の患者さんはまずこちらで診察を受けてもらっています。

ご自身の健康維持のために何かしていることはありますか?

医院の上が自宅で移動するといってもそんなに動かないので、週に1回はジムに行って運動をするようにしています。ここの裏に保久良山という小高い山があってそこに神社があるので、そこまでウォーキングに行くこともよくありますね。片道30分くらいで登れる距離なんですが、それが結構きつくてね(笑)。いい運動になるんですよ。あとは気分転換に趣味の写真を撮りに出かけるとか。保久良山へのウォーキングの道中で撮ることもあるし、ちょっと近郊まで足を延ばすことも。四季の風景を撮っています。写真は診察室やお隣の薬局にも飾っていますよ。季節ごとにいろいろな風景を撮っているんですけど、写真はコピーして、訪問診療の患者さんにも届けています。訪問診療の患者さんは外に出かけられないので「今、外はこんな風景なんだよ」って話しながら季節を感じてもらおうと思っています。

最後に読者へメッセージをお願いします。

田中良樹院長 田中医院6

読者の皆さんに、ぜひAdvance Care Planningについて一度考えてみることをお勧めしたいですね。元気なのに終末期のことを考えるなんて縁起でもないと思われるかもしれませんが、これは「どう生きるか」ということを事前に考えておくことなんですね。それはタブーではなくて、考えることによって、今どうすべきかも見えてきます。そうした取り組みもここでさせていただいているので、ご自身はもちろんご家族のことで考えてみたいと思う方は、一度ご来院いただけたらと思います。

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