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長谷川 隆弥 院長の独自取材記事

長谷川クリニック

(東大阪市/鴻池新田駅)

最終更新日:2022/06/10

長谷川隆弥院長 長谷川クリニック main

鴻池新田駅から徒歩2分、住宅街の一角に位置する「長谷川クリニック」。3代目院長を務める長谷川隆弥院長の祖父が開業し、長年にわたって地域に暮らす住民の健康を守ってきた。長谷川院長は近畿大学医学部卒業後、病院勤務医として循環器内科の研鑽を積み、2004年に先代院長の父から同院を継承した。「継承後もしばらくは、小児科を専門とする父と2人体制で診療を行っていました」と振り返る長谷川院長。現在の診療でも、内科診療に加えて3歳以上の小児の診療に応じているという。感染症の流行によって社会生活の在り方が大きく変わっても、代々受け継がれてきた「かかりつけ医としての役割」を全うするべく診療を続ける同院。「かかりつけ医として、これからも頼られる存在でありたい」と語る長谷川院長に、診療にかける思いを聞いた。

(取材日2022年5月28日)

地域医療に力を尽くす歴史ある「街のかかりつけ医」

こちらのクリニックの歴史と、院長の経歴について教えてください。

長谷川隆弥院長 長谷川クリニック1

当院は私の祖父が開業し、2代目院長の父、3代目の私に至るまで、この地域で診療を続けてきました。わが家は何代にもわたって医師を輩出してきた家系で、祖父や父だけでなく、親戚の大多数が医師。育った環境が影響し、自然と私も「将来は医師になる」と心に決めていました。近畿大学医学部卒業後は、大阪府内をはじめ近畿地方の病院に勤務し、主に循環器内科の診療経験を積みました。循環器内科を専門としたのは、親戚から「これからの時代に需要が高まる診療科の一つ」として循環器内科を紹介されたのがきっかけです。確かに高齢化に伴い循環器疾患の数も増えていましたし、治療によって症状の大きな改善が期待できることもあるなど、診療のダイナミックさにも惹かれました。特にカテーテル治療は内科でありながら外科的な方法でアプローチする治療で、たくさんの経験を重ねてきました。

院長職を継承されたのはいつ頃のことなのですか?

2004年です。専門性を磨く一方で、医師になった当初から「将来的には実家を継ぎたい」とも考えていましたから。父からも「いつ戻ってくるんだ?」といった言葉があり、一区切りつくタイミングで戻ってきました。継承後しばらくは父と2人体制で診療をしていました。父は小児科が専門だったので、小児科診療のノウハウは父の診療を通じて学びました。父が引退してからも、3歳以上のお子さんの診療には応じています。

現在の診療体制について教えてください。

長谷川隆弥院長 長谷川クリニック2

医師は私のみで、看護師2人、事務職3人体制で診療を行っています。あと、数年前から月に数回、非常勤で臨床検査技師にも診療に入ってもらい、事前予約制で超音波検査に応じています。以前は、超音波検査が必要であれば他院を紹介していたのですが、患者さんから「ここで超音波検査もやってほしい」と言われて。せっかく検査体制を整えるなら、私が診療の合間に検査を行うよりも、専門の技師を招くのが良いと考えました。頸動脈、甲状腺、循環器、消化器など、クリニックで行える一通りの超音波検査に応じています。検査の結果、より精密な検査が必要とわかった場合には、専門の医療機関をご紹介して治療につなげます。

「話を聞くこと」も治療の一つ。患者の声に耳を傾ける

患者さんはこの地域にお住まいの方が中心なのでしょうか?

長谷川隆弥院長 長谷川クリニック3

大半が近隣にお住まいの方ですね。3代も続いていますから、祖父の代から受診されている方もいらっしゃいますよ。長年かかりつけとして利用してくださっている患者さんが結婚し、お子さん、さらにはお孫さんも一緒に受診するといったケースも珍しくありません。受診のきっかけは、だいたいがクチコミです。長年診療をしていると、自然と患者さんが患者さんを招くサイクルになるんですよね。ありがたい限りです。受診理由で多いのは、風邪や腹痛などの体調不良、高血圧や脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病に関することです。生活習慣病は高齢化に伴って増える病気ですし、循環器の病気を合併するケースも多いので、注意深く診療にあたっています。

診療時、どのような点に気を配っていますか?

まずは、患者さんが話しやすい雰囲気をつくることが大事ですね。初診では、患者さんとの会話を通じて敬語を使うべきか、フランクな口調のほうが良いかなど、一人ひとりの人となりに合わせて口調や話の運び方などを検討しています。診断について説明する際も、わかりやすさを重視しています。専門用語ばかり並べても患者さんにしてみたらピンと来ませんし、厳しい口調であれこれ言っても萎縮してしまうだけですから。もちろん、言うべきことははっきりと言いますが、頭ごなしな物言いはしません。このような診療スタイルもあってか、他院を受診した際の診断結果について「先生これってどういうこと?」と質問されることも。まずは担当した医師の説明をしっかり聞いてもらいたいところではあるのですが(笑)、何でも聞きやすい、相談しやすいと思っていただけているからなのかな、とも感じます。あとは、雑談でも何でも、患者さんの話には極力耳を傾けています。

一方的に診断するというより、膝を突き合わせて会話しているようなことでしょうか?

長谷川隆弥院長 長谷川クリニック4

そうですね。それこそ、ご家庭での悩みや仕事の愚痴など、ご病気とはまったく関係ないような内容でも、患者さんが話したいのであれば私は聞き役に徹します。もちろん、待ち時間に影響しない程度にですが。毎日の生活でため込んだ気持ちを診療中に吐き出してもらうイメージとでも言いましょうか。それだけでも気分がすっきりするのではないでしょうか。治療を「調子を良くするための方法」と捉えるなら、話を聞くことも治療の一環といえるでしょうね。私は学校医もしていますが、教員や会社員の皆さんは、それぞれに悩みや葛藤を抱えながら仕事に向き合っています。そういった方々の声に耳を傾け、寄り添う姿勢も、働く人たちの健やかな生活に必要になると思います。

医療連携も密に、病気の予防、健康維持・増進にも貢献

病院への紹介など、医療機関との連携体制についてもお聞かせください。

長谷川隆弥院長 長谷川クリニック5

必要に応じて、周辺の病院を紹介しています。幸い、大学関連の知人や親戚が病院勤務をしているので、紹介先には事欠かないです。紹介先は複数候補を出して、患者さん自身に選んでもらうようにしています。紹介後、実際に病院に足を運ぶのは患者さんですから、通いやすさなどを踏まえて、ご自身で決めてもらうのが一番と思っています。病院とはしっかり連携していますので、例えば退院後の経過観察など、ターミナルケアのような専門性が求められるケースを除いて、当院で対応しています。地域に根差したかかりつけ医というのは、いわば医療の窓口、橋渡し役といえるでしょう。適切な医療を受けられるよう、道筋を立てていく。この、地域のかかりつけ医の役割を全うするためにも、地域連携は欠かせないと思います。

健康的に暮らす上でのアドバイスなどありますか?

新型コロナウイルス感染症の影響で生活様式が様変わりしたことで運動不足になる人が多く、最近は糖尿病の数値が悪くなる人が増えているように感じます。リモートワークなどご自宅で仕事ができるようになったことで利便性を感じている人もいるかもしれませんが、通勤・通学といった移動がなくなると当然ながら運動量は減ってしまいます。リモートワーク中も、例えば休憩時間や終業後に近所を散歩したりストレッチしたりと、軽い運動を習慣づけてほしいですね。日光を浴びるのも意識しましょう。感染症が防げたとしても、ほかの病気のリスクが高まってしまっては元も子もありません。無理のない範囲で、感染症対策にも気を配りながら、体を動かすことに取り組んでみましょう。

今後の目標について教えてください。

長谷川隆弥院長 長谷川クリニック6

生活様式などがどれだけ変わっても、今後もかかりつけ医として地域の健康を守ることに貢献していきたいと思っています。感染症対策の影響で、ご近所同士の他愛もない会話が減った、外出も控えるようになったといった声を耳にします。当院でも受診控えが見受けられました。これまで感じたことのないストレスにも見舞われていることでしょう。どんな社会においてもかかりつけ医というのは、健康を守るのが役目です。その役目を果たすために何をすべきか考え、実践していきたいと思っています。患者さんも、「話を聞いてほしい」といった理由でも良いので、不安や悩みに苛まれていたら、気軽にご相談ください。

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