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医療法人 わくい耳鼻科

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涌井慎哉院長

医療トピックス

慢性的な疾患も多い耳鼻咽喉科での漢方
体質改善にもアプローチ

医療法人 わくい耳鼻科

保険診療

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「漢方」と聞くと、服用期間が長い、効き方が遅いというイメージを抱く人も多いのではないだろうか。漢方は、症状によっては数分間で効果がみられるものもあり、2、3回の服用で治癒してしまうことも少なくないという。また問診や脈診、舌診などから症状が出ている原因を探り、一人ひとりに合った処方を行い、状態の変化によって、薬を変えていくことができる柔軟性をもっている。漢方治療を行っている耳鼻咽喉科は珍しいといわれているが、漢方治療に豊富な経験を持つ「わくい耳鼻科」の涌井慎哉院長に、漢方薬と西洋薬との違いや、耳鼻咽喉科の疾患に対する漢方処方などについて話を聞いた。(取材日2018年4月10日)

病気で生じた「ずれ」を正常な状態へ戻していく漢方治療

漢方薬と西洋薬の違いについて聞かせてください。

1 ▲必要に応じて鍼灸と併用することもあるそうだ 病気になるということは、正常な状態とは「ずれ」が生じている状態です。その「ずれ」を正しく戻すことが治療です。漢方では、体が熱ければ冷やす、冷え過ぎたら温める、乾いていたら潤す、潤い過ぎていたら乾かす、というような処方が可能ですが、西洋医学では、温めたり、潤わせたりする薬はないので困ります。また、漢方は、複雑な症状を分析して診断をし、治療方法を考えていく「弁証論治(べんしょうろんち)」という考え方で薬を処方していきますが、西洋医学では病名に対して一律に薬を処方することが一般的です。

漢方薬と西洋薬の併用にはどういうメリットがありますか?

2 ▲詳しく説明を行う涌井先生 患者さんのニーズに合わせることができます。味や形状などが理由で漢方薬の服用が難しい方もいます。また、鼻水が出るのを止めたいなど、症状を抑えることだけを望む方には西洋薬を処方することも行います。ただし、併用を行うにはそれぞれの作用が相反しないようにしなくてはなりません。例えば、風邪の際に飲む葛根湯(かっこんとう)というのは体を温める効果が期待できますが、同時に解熱作用がある西洋薬を処方すると、効果が落ちてしまいます。

漢方は飲み続けないと効かないというイメージを持つ方もいます。

3 ▲脈診から原因を探り治療を行っている 漢方では症状によっては、数分間で効果がみられるものや、2、3度の服用で治癒してしまうものもあります。病気や症状の種類によって効き方の強さ、速さが違いますが、漢方だから効果が現れるのが遅いというわけではありません。例えば、疲れやすい、すぐに風邪をひいてしまう、という症状の方には体力を高める効果が期待できる漢方を処方しますが、翌日に急に体力がアップするということはありませんよね。一方で、生活習慣病の方は、西洋医学でも長い年月、薬を飲み続けています。同じように漢方でも、他の病気を併発しないための予防として長期間服用し続けてもらうことはあります。

耳鼻咽喉科での漢方処方はどういう流れになるのでしょうか。

 4 ▲耳鼻咽喉科学会の漢方の勉強会などにも参加 鼻水ですと、水のようにサラサラしたもの、どろっとしたもの、色の濃淡など、いろいろな状態の鼻水があります。その状態を診て、鼻水が出ている原因を探り、漢方薬を処方します。また、鼻水の状態が日々変化していくことがありますので、短い間隔で通院してもらい、その時々の状態に適した処方に変更していきます。その他、病気の再発が繰り返される場合や、慢性的に症状が続く場合などは、まず体を強くし、病気になりにくい体づくりをしていくことにも漢方が向いています。

漢方は保険診療の範囲で服用できますか?

5 ▲優しく穏やかな涌井先生 ほとんどの漢方エキス剤は保険適用となっていますし、一般的な西洋薬に比べて高額というわけでもありません。エキス剤はお子さんでもたくさんの方が普通に服用しています。他の食べ物や飲み物に混ぜて飲む方もいますが、漢方の中には、味や匂いが脳に作用して効果が高まる場合もありますので、味わって飲むほうが効果が出やすいです。

ドクターからのメッセージ

涌井慎哉院長

漢方は、病名に対して一律に処方するものではなく、問診、脈診、舌診などを行って一人ひとりの症状に合わせて薬を処方し、状態に合わせて薬を変えていきます。子どもに多い中耳炎などでは、発症するたびに強い薬で症状を抑えても、再発を繰り返すケースが多いですが、漢方では病気になりにくい体をつくる処方を行うことができます。また、めまいや耳鳴り、難聴のほか、冷え性、肩こりなどの症状に対して、西洋医学では治りにくいとされていますが、漢方では改善が見込めることもあります。治らないと諦めてしまう前に、一度、漢方治療を検討してもらえればと思います。

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