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涌井 慎哉 院長の独自取材記事

わくい耳鼻科

(箕面市/北千里駅)

最終更新日:2019/08/28

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阪急千里線の北千里駅から阪急バスで約10分、小野原東5丁目バス停から徒歩約3分の住宅地に「わくい耳鼻科」がある。14台分の駐車場も確保され、車でも快適に通院できる。受診の際は、24時間受付の診療予約システムで希望の時間帯を予約する。長時間待たされたり、順番制のように診療時間が読めなかったりすることが少なく、特に仕事の都合などで来院できる時間が限られる人にとっては便利なシステムだ。院長の涌井慎哉先生は、病気になりにくい体づくりの必要性を感じて漢方を研究。西洋医学の薬だけに頼るのではなく、漢方薬や鍼灸を併用して、体の自然な力を高めるよう総合的に診療を行っている。独自の診療についてのこだわりなど、涌井院長に話を聞いた。
(取材日2018年1月23日)

「音」に対する興味から、耳鼻科の医師をめざす

医師をめざしたきっかけを教えてください。

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中学生の頃は英語教師になろうと本気で考えていました。ラジオで英会話の語学番組を聞いて、きれいな英語の発音に憧れたのがきっかけです。高校も文系クラスに進んだのですが、ある日、同じクラスの友達に付き合って「生物」の授業を受けてみました。卵や細胞についての講義は、それまで文系の勉強ばかりしてきた私にとって新鮮で、とても魅力的で面白いと感じました。季節は秋で受験まで日がなかったのですが、思い切って理系に進路変更して、医学部を受験することにしたのです。

「音」に対する興味から耳鼻科を専攻されたそうですね。

英語の発音を明瞭に聞き取りたいという願望から、ラジオの音やテープレコーダーの音などが気になるようになり、より良い音を求めてさまざまなことを試みる中で徐々にオーディオの分野への興味が強くなってきました。高校時代は電気店を巡るのが趣味の一つになっていたくらいです。それから、医学部に入って耳鼻咽喉科の講義の中で音を感じる仕組みなどについて話を聞いた時、非常に興奮しました。「こういうことをずっと研究していければ面白いだろうな」と。そうして学生の頃から耳鼻咽喉科の研究室に出入りし、先輩の先生方にいろいろな話を聞いたり、自分の考えを聞いてもらったりしながら過ごしてきました。こうして自然に耳鼻咽喉科をめざすようになってきたわけです。

補聴器の開発に取り組まれたそうですね。

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大学病院時代、担当していた一つに難聴の外来がありました。そこではさまざまな難聴の検査をはじめ必要な方には補聴器を適合させることも行います。ある日、自分自身で補聴器の音を聞いてみると「なんとやかましい不明瞭な音なんだろう」と驚いたんです。オーディオ好き人間にはとても耐えられるものじゃなかったんです。いろいろ測定をしてみると、補聴器の音が元の音と比べて無残にも歪んでしまっていることがわかったので、オーディオの知識を駆使して音が歪まない補聴器を作ってみようという気持ちがわいてきたのです。そうしてできあがった試作品を患者さんに聞いてもらうと「これは随分はっきり聞こえる」と非常に好評だったんですよ。そこで、あるメーカーとタイアップして新型補聴器の開発に取り組んでいたのですが、そのメーカーが倒産ということになり、残念ながら製品化は夢と消えてしまいました。

同じ疾患でも、一人ひとりに適した治療を考える

漢方を取り入れておられますね。

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風邪をひいて中耳炎をおこしたお子さんを抗生剤などで治療して一旦は治っても、1ヵ月もしないうちに再発して、治療と再発を繰り返すケースがあります。開業してこうした症例にふれ、病気になりにくい体づくりが必要だと考えました。しかし、西洋医学は症状を抑えることに重点が置かれていて、体質を改善するという考え方はありません。ちょうどその頃、漢方の講座を受講する機会がありました。病弱だったお子さんが病気にかかりにくくなった例などを知り、体質改善が可能になることに興味を持っていろいろな先生の講座を受けながら、自分でも勉強を重ねました。

漢方と西洋医学の違いについて教えてください。

西洋医学では、例えば鼻が悪い場合、鼻だけに注目して治療します。一方漢方では、鼻は呼吸器全体、さらには胃腸とも密接な関係があるとされており、鼻を治療すると同時に胃腸を整える治療も併用します。このように一部分だけにとらわれず、常に身体全体のバランスを考えながら治療を進めていくところが違いでしょうか。また、西洋医学的には検査で異常が見つからない、冷え性や疲れやすさ、あるいは老人性難聴などの治療不能とされていることが多い疾患に対しても、漢方では全身との関連から治療法を探っていくことができるのが、ありがたいところです。

漢方と西洋医学をどう使い分けておられるのですか。

患者さんの状態に合わせて併用します。中には、手っ取り早く表面に表れた症状だけを治してほしいという方もおられ、そういう方には西洋医学のみで治療することも多いです。その一方で、西洋学的な治療だけではなかなか改善しなかった症状が、漢方を併用すると改善できたという患者さんもおられ、その方のご紹介で漢方治療を希望して遠方から受診される方も増えています。意外に思うかもしれませんが、漢方は全身を診るので、腰が痛い、肩が痛い、捻挫など、一見、耳鼻咽喉科とは無関係に思える症状にも対応できる場合があります。また、漢方は漢方薬と鍼灸が両輪ということに気づき、漢方薬を処方するだけでなく、鍼灸も取り入れるようになりました。漢方の治療で腰痛が改善した患者さんが、同じように腰痛に悩んでおられる友人を連れて来られることもあります。

診療の際に大事にされていることは何ですか?

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患者さん一人ひとりに違った背景があり、同じ中耳炎という疾患でも、AさんとBさんとでは病気の成り立ちや原因が違い、適した治療法も異なります。西洋医学だけの考え方ですと、中耳炎という病気に対しては使用する薬がほぼワンパターンとなりますが、漢方では、目の前にいる患者さんの個性やその時の状態を診て、よりよい状態にするためにはどうすればいいかを考えます。同じ病名でも薬が違うこともあれば、同じ患者さんでもその日の状態で薬が変わることもあります。

体の持つ自然な力を引き出す

予約システムを採用されていますね。

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漢方の考え方で患者さんを診るためには、時間がかかります。待ち時間も長くなるので予約制を採用しています。受診の順番を決めるのではなく、希望日時を予約するという方式です。順番制ではいつ診察が受けられるかわかりにくく、仕事を持つ人などは予約しても受診できないということになりかねませんからね。ただし、じっくり診療するので、多少時間がずれることはあります(笑)。

とても広々としたクリニックですね。

元はオルゴールのショールームとして造られた建物で、十分な広さがあるので、待合室、診療のためのスペースにもゆとりを持たせることができました。当初、院内はスリッパに履き替えていただいていたのですが、衛生面が気になるという声もあり、靴を脱いでそのまま上がってもらえるように抗菌カーペットを敷いています。リノリウムの床材のような冷たさがないので患者さんにも好評で、寝そべって本を読んだり、テレビを見たり、広さがあるので走り回ったりするお子さんもいます。カーペットは月に一度、専門の業者が徹底してクリーニングして清潔に保っています。

今後、取り組んで行きたいことはありますか。

業務に追われる毎日ですが、もう少し余裕ができれば、中学の頃からずっと興味を持ち続けている音、音楽を活用したことができればと思います。現代社会はストレスが多いので、その中に入ることで音楽によるリラックス効果が得られて、体も元気になる音楽を利用した快適なスペースを作りたいですね。

読者にメッセージをお願いします。

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お子さんが中耳炎になった時、抗生剤や炎症止めを使えば、症状は治まります。しかし私は、抗生剤やステロイドなどの副作用が出やすいものはできるだけ使いたくないと考えています。患者さん自身の体が持つ自然の力を引き出すことに努めています。また、妊娠中や授乳期で薬が使えないという場合も、漢方薬なら使えるものがあります。「気のせい」「年のせい」などといわれる症状で困っているという場合も、漢方なら治す方法が見つかることがありますので、諦めずに、ぜひ一度ご相談ください。

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