全国のドクター9,189人の想いを取材
クリニック・病院 158,628件の情報を掲載(2024年4月27日現在)

  1. TOP
  2. 大阪府
  3. 寝屋川市
  4. 萱島駅
  5. 医療法人悠生会 吉川整形外科・リウマチ科
  6. 骨粗しょう症の予防に欠かせない先進の装置を使った骨密度検査

骨粗しょう症の予防に欠かせない
先進の装置を使った骨密度検査

吉川整形外科・リウマチ科

(寝屋川市/萱島駅)

最終更新日:2024/01/15

吉川整形外科・リウマチ科 骨粗しょう症の予防に欠かせない 先進の装置を使った骨密度検査 吉川整形外科・リウマチ科 骨粗しょう症の予防に欠かせない 先進の装置を使った骨密度検査
  • 保険診療

骨の強さは20歳頃がピークと言われている。その後、40代の半ばくらいまではほぼ横ばいに推移するが、40代半ば以降は加齢とともに強度が低下。とりわけ女性は閉経を機に、急激な強度の低下が見られ、骨がもろく、骨折しやすい「骨粗しょう症」のリスクが高くなるそうだ。予防のためには、食事や運動など骨を丈夫にする生活を心がけることも大切だが、骨粗しょう症は気づかないうちに進むため、骨密度を測定して自分の骨の正確な状態を知っておくことが必要となる。骨粗しょう症の診療に力を入れている「吉川整形外科・リウマチ科」の吉川尚孝院長に、骨粗しょう症の特徴や骨密度検査・治療の方法、日常生活で気をつけることなど、気になるポイントについて詳しく教えてもらった。

(取材日2023年12月26日)

骨密度検査を受けて骨の状態を知ることが骨粗しょう症予防につながる

Q骨粗しょう症のリスクが高いのはどのような人ですか?
A
吉川整形外科・リウマチ科 生活習慣が骨粗しょう症のリスクに関わるという

▲生活習慣が骨粗しょう症のリスクに関わるという

年齢や性別にかかわらず、骨粗しょう症と診断されるのは、20歳〜44歳の骨密度の平均を100%として、現在の平均が70%を下回った場合です。男女とも50代から発症が増え始め、女性は閉経を迎える頃から急増します。リスクが高いのは、運動不足の人や食生活が乱れている人です。特定のスポーツをしていなくても、日常的に体を動かす習慣があることが大切で、若い頃から仕事で体を動かしてきたといった方には、あまり発症が見られません。また、骨の健康のためにはバランスよく栄養を取ることが大切で、好きなものばかり食べる、しっかりと食べない、無理なダイエットをしているという人は要注意です。喫煙や過度の飲酒もリスク要因です。

Qなぜ骨密度検査を受ける必要があるのでしょうか?
A
吉川整形外科・リウマチ科 自覚症状が少ないという骨粗しょう症

▲自覚症状が少ないという骨粗しょう症

骨粗しょう症は自覚症状がありません。市民検診で骨密度の簡易検査を受け、骨粗しょう症が心配と検査を受ける方もおられますが、多くの場合は骨折して初めて骨がもろくなっていたことに気づきます。骨折の部位によっては寝たきりになるなど、生活に大きな支障をきたすことも少なくありません。こうした状態を避けるためには、ご自身の骨の状態を正確に知っておくことが大切で、発症が増える50代になったら一度は検査を受けてみることをお勧めします。検査の結果、まだ十分な骨密度がある場合は、その後は数年おきの検査で問題ないと思います。一方、骨密度の低下が一定以上の場合は、その後半年に1度程度の検査をお勧めしています。

QこちらではDEXA法の測定装置を取り入れているそうですね。
A
吉川整形外科・リウマチ科 DEXA(デキサ)法で10分程度で検査が可能

▲DEXA(デキサ)法で10分程度で検査が可能

DEXA(デキサ)法は微量のエックス線で精密に骨密度が測定する方式で、日本骨粗鬆学会のガイドラインでも推奨されています。当院では骨粗しょう症によって骨折がしやすく、折れた場合に寝たきりになるなど、重要性の高い腰椎と股関節で骨密度を測定をしています。簡易的にかかとや手などで測定する装置もありますが、高精度の測定が期待できません。また、骨密度は体の部位によって個人差がありますので、かかとや手の骨を測定しても、より骨折を避けたい腰椎や股関節の骨密度は精密にはわかりません。検査は一定の年齢以上なら保険診療で行うことができ、10分程度検査台に横になるだけで痛みもなく測定可能です。

Q骨粗しょう症の治療についても教えてください。
A
吉川整形外科・リウマチ科 症状に合わせ治療法を提案する

▲症状に合わせ治療法を提案する

薬を使った薬剤療法が基本です。治療薬には、骨密度が低下していくのを抑えつつ現状の骨密度を維持するための骨吸収抑制薬と骨を作るための骨形成薬があり、どちらを使うかは、骨密度が低下した原因や患者さんの状態などを見て判断します。骨吸収抑制薬の飲み薬は、服用の頻度が1日1回〜4週1回までさまざまなタイプがあります。半年に一回や年一回の注射の選択肢もあり、服用の手間が少なく続けやすいのが特徴です。一方、すでに骨の量が少なくなっている状態で骨吸収抑制薬を使用しても期待ができないので、こうした場合は骨形成薬での治療を検討していくことになります。骨形成薬は現在のところ注射製剤のみで、重症の患者さんが適用です。

Q予防や改善のために日常生活の中でできることはありますか?
A
吉川整形外科・リウマチ科 骨粗しょう症の予防や改善には生活習慣が重要

▲骨粗しょう症の予防や改善には生活習慣が重要

骨粗しょう症のリスク要因をできるだけ少なくすることが予防や改善につながります。つまり、栄養バランスのとれた食事を心がけ、日常的に適度な運動を行うことですね。食事については、カルシウムだけではなく、ビタミンやたんぱく質もしっかりと取れるように食事内容を気をつけましょう。カルシウムを摂取するなら牛乳がお勧めですが、苦手な方はヨーグルト、チーズでも問題ありません。ただし、大量にカルシウムを取っても、ビタミンDが不足していると吸収されないので注意してください。運動については、まずは歩くことから始めてはどうでしょう。外に出て日光を浴びれば、カルシウムの吸収に必要な活性型のビタミンDも体内で生成されます。

ドクターからのメッセージ

吉川 尚孝院長

腰椎や股関節が折れてしまうと、介護が必要になるなど日常生活に大きな支障をきたします。こうした事態になる前に、骨密度を知り骨粗しょう症に備えることが大切です。最近は、トレーニング施設などでも骨密度を測定してくれます。本格的な検査に比べると、検査の精度があまり優れているとは言えませんが、骨の状態に関心を持ったり、骨密度の低下に気づいたりするきっかけになれば良いと思います。ただし、精密な状態を知るためには、DEXA法の装置を導入している医療機関で、腰椎と股関節の骨密度を測定することが必要です。50歳以上で一度も測定したことがない方や、骨密度の低下が気になっている方は、お気軽に検査にいらしてください。

Access