全国のドクター8,986人の想いを取材
クリニック・病院 161,453件の情報を掲載(2020年2月18日現在)

  1. TOP
  2. 大阪府
  3. 茨木市
  4. 茨木市駅
  5. 医療法人慶水会 都田泌尿器科医院
  6. 都田 慶一 院長

都田 慶一 院長の独自取材記事

都田泌尿器科医院

(茨木市/茨木市駅)

最終更新日:2019/08/28

20181121 bana

阪急京都本線・茨木市駅から徒歩約10分。にぎやかな駅前と住宅街の境目という便利なロケーションに開業して26年目の「都田泌尿器科医院」。院長の都田慶一先生は、鳥取県で弓ヶ浜北部の境港から米子周辺の広範囲を人力車で往診していた祖父から始まる医者一家の3代目だ。まだまだ泌尿器科単科でのクリニックが少なかった当時、この分野に精通した地域医療の拠点が必要になると考え、京都の山科愛生会病院で10年余り勤めた後、縁のあった茨木の地で開院を決意したという。患者の多くは紹介、クチコミをきっかけの来院なのだとか。ホームページもすべて自身で制作するなど、チャレンジ精神を忘れない都田院長。会話を大切に、患者に最も身近な立場にいることを自覚した診療方針について語ってもらった。
(取材日2018年10月15日)

排尿障害の診療と前立腺・尿路がんの早期発見に奮闘

どういった症状のご相談が多いのでしょうか。

1

やはり一番は排尿のトラブルに関してですね。尿が出にくい、勢いが弱い。昼間または夜間にトイレが近い。尿が出きらずに排尿後も残っている感じがする。急に尿意を催して漏れそうになる、我慢できない。さらに出にくさが強まると痛みや炎症につながることもあります。このように症状はさまざまですが、主な原因は前立腺肥大症です。前立腺は男性にだけある生殖器で、年齢とともにホルモンの影響を受けて肥大していきます。女性の患者さんも来られますが、男性患者の尿トラブルはこの前立腺肥大症がほとんどですね。

排尿障害における検査方法について教えてください。

まずは詳細な問診を行います。そして、前立腺形態検査のための経腹式超音波検査。超音波(エコー)による診断ですので局部をさらけ出さずに済みますし、また、通常の場合は触診も行いません。つい泌尿器科での診察はためらわれがちですが、検査機器などの発達で、痛い思いや恥ずかしい思いがかなり軽減されていますので安心してください。他には尿の顕微鏡検査、それから必要に応じて尿流測定、エックス線検査、内視鏡検査を追加します。血液検査によるがんのチェックも行います。

先生のクリニックは前立腺がんの精密検査を行っておられますね。

当院は方針として5本柱を打ち立てているんですが、第1が「前立腺肥大症関連の治療」、第2がこの「前立腺がん2次検査」になります。茨木市は55歳以上の男性を対象に「PSA検査」といって前立腺がんを早期に発見するための血液検査を行っており、その結果による2次精密検査の役割を担っているんです。ちなみに第3の柱は「性病関連の治療」、続いて「泌尿器科がんの発見」「夜間頻尿の自由研究」と位置づけています。

精密検査ではどういった検査が行われるのですか。

20181121 2

まずPSA検査とは、前立腺から分泌されるPSAタンパクという物質が血液中にどれだけ存在するかを測定するものです。前立腺疾患があると、血清中PSA濃度が1ミリリットルあたり4.0ナノグラム以上に上昇します。4.0~10.0ナノグラム程度の場合だと、良性の前立腺肥大症と前立腺がんが混在している可能性がある状態となるので、専門の泌尿器科で精密検査の必要性があるわけです。当院では4.1以上の健診者に対して触診、経直腸超音波検査を実施し、必要な場合には前立腺組織の針生検を行っています。

季節や体調、生活で変化する“尿量の波”に適切に対処

精密検査をきっかけに前立腺肥大症が見つかる患者も多いそうですが。

3

尿のトラブルを年齢のせいにしていたり、「今日は寒いからトイレが近いんだ」とごまかしていたり、そうした無自覚な方が意外と多いからなんです。もし、夜間に2~3回もトイレに起きることが続くようなら相談に来てください。前立腺肥大症は進行性の疾患で、なおかつじっくり根気よく付き合う必要のあるものですが、早めの内服治療を行うことで、通常どおりの生活を続けることも可能といえます。ただ、先ほども言いましたように気温や季節、ちょっとした生活の変化で症状に波が出やすいのも事実。そのため「きちんと薬を服用しているのに」と不安に思われる患者さんもおられます。そうした状況に対して納得のいく説明と対処をすることが、治療に取り組み続ける意欲につながると思っています。

デリケートな対応が求められるわけですね。

例えばこの夏の酷暑。全国で熱中症などが相次いだことで、テレビのニュースではしきりに水分補給が叫ばれましたよね。もちろん必要なことなんですが、それらは残念ながら、前立腺肥大症の患者さんの症状などを度外視したアナウンスでした。まあ、仕方のないことですけれどね。ですが、いくら薬の用法を守り、治療に前向きに取り組んでいても、必要以上に水をがぶがぶ飲んだら当然トイレは近くなります。つまり熱中症や脳梗塞にならないことを前提とした、前立腺肥大症の患者さんそれぞれに合った適切な水分量というものがあるわけです。その判断には、尿の色の濃さといった状態を医師が見る必要があるのですが、こうした細かな指導はとても大切なことだと考え、取り組んでいるんです。

そうした独自の指導は先生の診療の大きな特徴ですね。

20181121 4

5本柱の一つの「夜間頻尿の自由研究」が役に立っています。ある患者さんなんですが、「先生、男性には3つの死があるよね」と言われたんです。1つは男性機能としての死、2つ目は社会的な死、これは退職などを経て社会参加しなくなることで、3つ目がすべての人に訪れる避けられない死だ、と言うんです。重い言葉ですよね。平均寿命がどんどん伸びて、超高齢社会になって、1つ目2つ目の死と3つ目の本当の死の間が広がっている。自由研究をはじめたきっかけは、泌尿器科は男性の生殖機能についてだけでなく、健康寿命の一助にも寄与できるはずだと考えたからなんです。その鍵となるのが頻尿の回数を減らすこと。というのも、その改善には生活習慣が大きく関わっているからなんです。

積極的な生活指導で、求められている健康寿命をめざす

健康寿命の延伸は大きな課題ですね。

5

今、「フレイル」が提唱されています。これは老齢症候群のことで、筋力(身体性)や認知機能(精神性)、活動性(社会性)の低下などによって健康に障害が起きやすい状態を指す言葉です。個人差はあれ、フレイルは加齢によって誰の体にも起こるものですが、まったく防げないわけではなく、早期の発見と適切な対応をとれば生活の維持や向上が期待できるため、いわゆる“寝たきり”にはなりにくいと考えられているんです。フレイルかどうかの目安の一つが夜間頻尿。そして、改善のアプローチとして“夜間頻尿の回数を減らす”ことへの取り組みが重要だと考えています。

具体的にはどういうことでしょうか。

しっかり食べて、しっかり歩き、深い眠りをとること。これは前立腺肥大症の症状を軽くするために最も大切な3ヵ条。元気な老後に必要なものと同じなんです。そもそも尿量のコントロールができていない人は、日常生活のリズムも崩れているんですね。けれど排尿に問題があると、余計に外出が億劫になり、運動不足となってしまう。体を動かすこともなく、さらに夜間頻尿となれば深い眠りは得られません。退職していれば一日を家でぼーっと過ごすことも多くなり……というように悪循環を繰り返すことになってしまいます。だからこそ日々の暮らしの改善が重要で、そうすれば前立腺肥大症による症状も寝たきりになるリスクも減らせるわけです。そのために、患者さん個々に合った生活指導をしっかりと行っているんです。

最後に皆さんへメッセージをお願いします。

20181121 6

年をとればとるほどに生活改善は難しいものです。そして誰の話も聞かなくなるのに、不安だけは募っていく。そんな患者さんが愚痴を吐き出せる場でもありたいと思っているので、一人ひとりとじっくり話します。そうした会話の中からヒントをつかんで、症状を改善するための生活指導に結びつけていく。診療は最低でも1ヵ月半に1度が目安なんですが、ちゃんとお顔を拝見できるのが私にとってはありがたいです。「ああ、よく続けましたね。次はこれを頑張りましょう」と、まあ、やや強引に引っ張っていく。これも生活の中の一つの刺激といえるでしょう。私自身も週1回の加圧トレーニングに5年ほど挑戦し続けています。これからも多忙な日々の診療の務めを果たすため、自分のエイジングケアのためにも体力を維持し、地域の方々が元気な生活を続けられるよう指導を考え、自身も実行、伴走していきたいですね。

Access