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都田 慶一 院長の独自取材記事

都田泌尿器科医院

(茨木市/茨木市駅)

最終更新日:2024/03/08

都田慶一院長 都田泌尿器科医院 main

阪急京都本線の茨木市駅から徒歩約5分で利便性に優れた立地にある「都田泌尿器科医院」は、開院から30年の歳月を超えて地域に親しまれる泌尿器科専門クリニックだ。院長の都田慶一先生は、年齢を感じさせない健康的で生き生きとした笑顔が印象的。患者の多くを男性が占め、前立腺肥大症や前立腺がん、膀胱がんの早期発見から性感染症やEDの治療まで、幅広い視野での診療・治療に力を注いでいる。HPの制作から書籍の執筆まで、すべて自身でこなすチャレンジ精神旺盛な都田院長に、夜間頻尿からアプローチする健康への向き合い方などの取り組みを語ってもらった。

(取材日2024年2月5日)

排尿障害の診療と前立腺・尿路がんの早期発見に注力

開院から現在までの経緯を教えてください。

都田慶一院長 都田泌尿器科医院1

祖父から3代にわたる医師の家系に生まれました。祖父は鳥取県の境港市から米子市周辺に至る広範囲を人力車で往診していたと聞いています。私が医師になった当時も泌尿器科単体でのクリニックはまだ少なく、この分野に精通した地域医療の拠点の必要性を強く感じていました。京都市の愛生会山科病院などの医療機関に勤めた後、ご縁のあった茨木の街で開院したのが30年以上前のことです。以降、排尿障害とPSA(前立腺特異抗原)管理に特化し、前立腺がんの早期発見とホルモン療法に取り組んできました。また、性感染症関連の治療や泌尿器がんの発見、夜間頻尿の研究にも注力し、地域の皆さんの健康寿命の延伸をめざして日々の診療に励んでいます。

外来では、どのような症状の相談が多いですか?

一番は排尿に関するトラブルです。尿が出にくかったり勢いが弱かったり、頻尿や残尿感など悩みはさまざまですが、男性の場合、夜間頻尿などの尿トラブルの主な原因は前立腺肥大症です。排尿障害がある場合、まずは詳細な問診とエコー(超音波)検査で前立腺の形態を調べます。泌尿器科での診察は躊躇する方も多いと思いますが、局部をさらけ出す必要はなく、通常は触診も行わないのでご安心ください。他は、必要に応じて尿の顕微鏡検査や尿流測定、エックス線検査、内視鏡検査、血液検査によるがんのチェックなどを行います。

こちらでは前立腺がんの精密検査も行っているんですね。

都田慶一院長 都田泌尿器科医院2

茨木市では前立腺がんの早期発見をめざし、55歳以上の男性を対象にPSA検査を実施しています。その結果によって必要となる二次検診の役割も当院は担っています。PSA検査は前立腺から分泌されるPSAというタンパク質を測定するもので、血清中のPSA濃度が一定数値以上あれば良性の前立腺肥大症と前立腺がんの混在が考えられます。また、こうした精密検査で前立腺肥大症が見つかることも往々にしてありますが、尿のトラブルを年齢や気候のせいと考え、病気に気づいていない方が意外に多いです。早めの内服治療を行うことで、通常どおりの生活を続けることが十分に見込めます。納得のいただける説明を心がけますので、もし一晩に2~3回もトイレに起きるようであればご相談ください。前立腺肥大症の内服管理の意味も「盆栽」に例えてわかりやすく説明しています。

夜間頻尿のコントロールが健康寿命の実現につながる

夜間頻尿への取り組みが先生のライフワークとお聞きしました。

都田慶一院長 都田泌尿器科医院3

ある男性患者さんのお言葉ですが、「先生、男には3つの死があると思うんだ」と。男性機能の死と社会的な死、そしてもう一つがすべての人に訪れる避けられない死とおっしゃるのです。重い言葉ですよね。超高齢社会で平均寿命がどんどん伸び、男性機能の死と社会的な死、つまりある意味での健康寿命と、最期に訪れる本当の死である寿命との間隔もまたどんどん広がりつつあります。私が夜間頻尿の研究を始めたきっかけは、泌尿器科の診療が健康寿命延伸の一助にもなるはずと考えたからです。今、筋力や認知機能、活動性の低下などで起こる高齢者のフレイル(虚弱)が課題となっていますが、そのバロメーターの一つが夜間頻尿であり、夜間頻尿の回数を減らすことがフレイル改善の重要な鍵と考えられます。

どのようにして夜間頻尿をコントロールするのですか?

男性の夜間頻尿の原因の多くは前立腺肥大症、過活動膀胱ですが、医療による介入で排尿機能の回復をめざすだけではなかなか安定しません。夜間頻尿には生活習慣が関与しているとされています。しっかり食べて、しっかり歩き、深い睡眠を取ることが、前立腺肥大症、過活動膀胱症の軽減に最も大切だと考えています。生活改善により、年齢とともに低下した代謝の上昇を図ることで深い睡眠の獲得が見込めます。すると、尿量の減少にもつながり、治療と併せることで効率的な夜間頻尿の改善と安定化が期待できます。つまり、一日の生活のリズムを整え、活力ある生活を送ることも治療と同じくらい重要なのです。泌尿器を操縦しているのはあくまで患者さん本人で、健康生活を送る意欲と意志がなければ夜間頻尿のコントロールはうまく進みません。当院ではそのための目標達成シートを独自に用意し、患者さんの状態を把握しながら診療を進めます。

夜間頻尿に関する本を出版されたそうですね。

都田慶一院長 都田泌尿器科医院4

クリニックでの長年の診療の経験をもとに、ライフワークとして『夜間頻尿の正体 医師が教える「老化対策」』という一般向けの単行本を2023年秋に自費出版しました。論文や啓発本ではなく、街の開業医の経験データや見解をまとめた探求本に過ぎませんが、当初は200ページほどを予定していたのが、出版社の要望もあって384ページに拡大して出版することになりました。通販サイトでも反響があり、排尿障害や健康に対する世間の関心の高さがうかがえます。人が健康に生活を送る上でどのような考えを持てば良いか、私なりの要旨も発信しています。機会があればぜひ手に取っていただきたいですね。

地域の健康管理ステーションをめざして

健康のために、先生自身がアプローチしていることは?

都田慶一院長 都田泌尿器科医院5

人に健康を語るには自分自身が先頭に立ち、身をもって実践しなくてはなりません。そこで10年以上前から週に1回はジムに通い、加圧トレーニングで筋力を鍛えています。あとはよく歩くことですね。やはり筋肉は大切で意欲も上げてくれます。じっとしていては熱エネルギーも汗も出てきません。また、安静時であってもただじっと座っているのではなく、代謝を高めるためにはできるだけ脳を使うことが重要だと考えています。私も常にタブレット端末を持ち歩き、通勤の電車内でもデータや考え方を整理したり、原稿の修正を行ったり、時には小学生の孫の趣味ゲームを手伝ったりしています。頭を使えば脳が熱エネルギーをつくるといえますから、こうした習慣を続けることも長生きの一助になるのではと私は考えます。

高齢期を迎えた人に大切なことを教えてください。

やはり仕事というのは生きがいであり、人生において大きなウエートを占めていると思います。中でも大切なのは生活のリズム。退職したら楽な生活をしたい、自分のやりたいことを楽しみたいと考えている人が大部分だと思いますが、よほどの趣味がない限り、生活に一定のリズムがなければあらゆる意欲が徐々に失われていくでしょう。すると睡眠もままならなくなり、目が覚めやすくなって夜中にトイレに立つ回数も自然に増えてしまうこともあります。つまり夜間頻尿の回数が、その人の生活のバロメーターになるともいえるのではないでしょうか。男性も80代になれば尿漏れは起こりやすくなります。時には前立腺肥大症と過活動膀胱、つまり尿の出にくさと漏れが同時に起こることもありますが、重要なのはそのバランスです。必要に応じて両方の薬を用いるケースもあります。

最後に、読者へ向けたメッセージをお願いします。

都田慶一院長 都田泌尿器科医院6

年を取れば取るほど生活改善が難しく、人の話を聞き入れないまま不安だけは募っていく。そんな患者さんが愚痴を吐き出せる場でもありたいと考えています。患者さんとの会話の中からヒントをつかみ、症状改善のための生活指導に結びつけていきたいですね。通院間隔は最低でも1ヵ月半に1回が目安ですが、「よく続けましたね。じゃあ次からはこれを頑張りましょう」と褒めるなどの工夫を心がけて、やや強引に健康増進のために引っ張ってあげることも患者さんの生活の刺激となるでしょう。当院は、いわば高齢者の「健康管理ステーション」。地域の方々が元気な生活を続けられるよう、今後も体力を維持しながらしっかりと伴走するとともに、拙著「夜間頻尿の正体」の内容についても、考えや構想、アイディアなどをわかりやすいかたちにして診療で実践し、積み重ねていきたいですね。

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