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岡部 宇彦 院長の独自取材記事

耳鼻咽喉科岡部医院

(茨木市/総持寺駅)

最終更新日:2022/07/06

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阪急京都線の総持寺駅から、南へ歩くことおよそ5分。昔ながらの風情を残す街並みの中で、「耳鼻咽喉科岡部医院」は約40年もの歴史を重ねてきた。同院を開院したのは、現在の院長である岡部宇彦(ゆきひこ)先生の父。その後を岡部院長が2010年に継ぎ、現在に至っている。岡部院長の診療理念は、症状や治療の方針をわかりやすく、正確に伝えること。専門性は打ち出さず、街のクリニックとして耳、鼻、喉など首から上の部位に関するトラブルには幅広く対応。常に患者ファーストのスタンスであり、患者の利便性と利益を考えて、耳鼻咽喉科では珍しいともいわれるCTも導入している。穏やかな人柄の岡部院長に、自身がめざす地域医療などを聞いた。

(取材日2019年5月28日)

父の代から約40年続く、街の耳鼻咽喉科

こちらのクリニックの成り立ちを教えてください。

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ここは僕の父が開いた医院で、僕が引き継いでからはおよそ9年になります。父の代から数えると、歴史は40年ほどになります。ここを引き継ぐまで僕は、大学病院などに勤務していました。父の後を継ぐことが既定路線だったかというと、僕が耳鼻咽喉科の医師になることを選んだ時点で、そうだったのかもしれないですね。父は僕が後を継ぐものだと、考えていたでしょう。僕自身は大学病院や基幹病院で勤務をしたり、大学病院で研究をしていく中で、耳鼻咽喉科としての医療の入り口を支えることにやりがいを感じ、引き継ぐ決心をしました。

どのような症状を訴えて来院する患者が多いですか。

風邪をひいて喉が痛い、鼻水が出ると訴えて来られる方からめまい、難聴など、とにかく多岐にわたりますね。特にこの主訴が多いというのはないです。当院のホームページを見られてか、睡眠時無呼吸症候群の治療に遠くから来られる人も、ちらほらいますよ。この治療法に関しては、CPAPという治療が主となっていますが、手術による治療のほうが適した症例もあります。内科的治療なのか外科的治療なのかを判断することができるのは耳鼻科の医師ではないかと思います。とはいっても、当院が睡眠時無呼吸症候群の治療に、特に力を入れているというわけではありません。街のクリニックですし得手、不得手なく、あらゆる症状に対応できないといけない。僕自身も耳鼻咽喉科に関する治療はどれも幅広く研鑽を積んできましたし、首から上はすべて自分が診る範囲だと思っています。しっかり診て、治療しないといけないと思って、日々の診察に臨んでいます。

先生自身のご専門は何ですか。

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学位は耳で取りましたが、特にこれが専門だということはありません。街のクリニックでも専門性を出しても良いと思いますが、患者さんの訴えに対して幅広く正確に診たいというのが僕のやり方です。診察の途中で腰が痛いと訴えられたら、アドバイスもしますよ(笑)。当院には風邪の人も来られれば、がんの人も来られます。体の調子を崩したときに、どこに行ったらいいか悩まれる方がいると思うんです。そういった方はまず、当院に来ていただければ。当院で診察した上で、必要であればほかの病院を紹介することも、もちろんしています。耳や鼻、喉をはじめ、体に異変があった際の地域の人たちの入り口でありたいと考えています。

患者の負担を減らすため、CTを導入

診察の際には、どんなことを大事にされていますか。

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症状や治療方針をわかりやすく、正確にお伝えすることが、僕の診療理念なんです。説明をする際には、なるべく専門用語を使わないことを心がけていて、場合によっては写真を撮ったり、模型を使って説明することもあります。最近では、動画も撮れるようになったので、実際の声帯の動きも見ていただけるようになりました。また、説明をする際には必ず、患者さんの顔を見てします。理解されていないような表情をされたら「もう1回、説明しましょうか」と尋ねますし、「わからないことがあったら聞いてね」ともお話ししています。患者さんも、僕と同じ方向を向いて治療に臨んでもらうことがベスト。それに僕も患者さんに信頼されないと、治るものも治りませんから。病は気からというのは、本当なんですよ。患者さんは不安を抱えて受診されているわけですから、診察室を出る際には、少しでも安心して帰ってもらえるよう、常に心がけています。

院内にはCTがあるのですね。

CTは導入してから、2年くらいになりますね。ここでできることを増やせば、患者さんの負担が減るだろうなと考えたんです。エックス線だけではわかりにくくても、CTを撮れば深いところまで診ることができます。CTを撮ってそれを確認することで、他院への紹介が必要なのか、当院で診られるのかが判断できます。院内にCTがないと、患者さんご自身で他院に行って撮ってきてもらわないといけません。そうなると、時間も費用も余計にかかります。設備の導入にはもちろん、コストはかかりましたが、それでかまわないんです。医療で地域に還元することのほうが大事ですから。

内科と耳鼻咽喉科の使い分けがわからない人たちに、アドバイスをお願いします。

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首から上に関することは、すべて僕ら耳鼻咽喉科の医師の対応範囲ですね。熱が出て扁桃腺が腫れた、喉が痛い、鼻水が出る。こういったことも、すべてそうです。風邪かなと思われる症状でも、当院に来ていただいて問題ありません。逆に内科では、診断がつきにくい病気もあるんです。喉の病気で危険性が高い喉頭蓋炎などは、その一つです。喉頭蓋は食べ物を飲み込む時に、一時的に気管にふたをする役割の器官で、これが炎症を起こすと窒息することもあります。どの科を受診すればいいかわからなくても、首から上のことでしたら当院にお越しください。

細く長く、街の人に信頼されるクリニックでありたい

どのようなきっかけで、医師をめざされたのですか。

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やはり父が耳鼻咽喉科を開いていたことが、大きいと思います。中学生くらいから、漠然と思っていたのかな。耳鼻咽喉科は聞く、味わう、匂うなど、五感のほぼすべてを扱うんです。それに、全身管理もできないといけない。医師になる際にどの科に進むかは正直迷いましたが、勤務医時代には大きな手術も経験できましたし、選んで良かったですね。父は僕がここを継承するときに、「私がいたら嫌だろう」とあっさりリタイアしました(笑)。継承後のことに関しても、何も言われませんでしたね。勤務医時代は仕事さえしていれば良かったのですが、実際に引き継ぐとスタッフのことや経理、設備も管理しないといけない。診療以外の仕事が多くあって、それを一人でやっていた父はすごいなと思います。

勤務医時代の経験では、どんなことが得られましたか。

耳鼻咽喉科の医師になって2年目くらいに出向して、そこの一番上の先生が当時で70歳くらいでした。内視鏡などの機械を使う前にできる限り自分の目で見る・触るなどの基本の診察手技の大切さを教えてくれて、その先生の下について外傷も含め、多数の症例も体験できました。自分が指導役で手術に入った時はついいろいろ口を出してしまうんですが、その先生は黙って立って見守っておられた。そんな先生と一緒に働けたのは大きかったですね。自分にとっては恩師の一人です。それからもいろんな病院で働かせてもらい、いろんな経験をしてきました。知識を持っていてもめったに出会うことのないようなまれな疾患もあります。そういった疾患は実際に自分で診察、診断の経験がなければ、診断までに時間がかかってしまうことがあります。そういった症例も割とたくさん診てきたという自負はあります。そういう勘が養われ、ここでも生きているんじゃないかなと思います。

最後に、将来の展望を聞かせてください。

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細く長くやっていくことが、一番だと思っています。患者数や売り上げに一喜一憂しないようにしています。来てくれた患者さんが喜んでくれたら、それでいいんです。当院は地域の医療の入り口だと思っています。首から上の部分に悩み事があれば、当院にお越しいただきたい。ほかには、僕には子どもが3人いて、誰か1人でも継いでくれればと思っています。開院して感じたのは、ここでやっている意義。父の代から40年やっていて、ここの地域の人は「風邪をひいたら岡部医院だ」と言ってくれるんです。地域の皆さんが信頼を寄せてくれているのが、ここで診療をして初めてわかった。それをなくしたくはないんです。僕の代以降も、当院がここで耳鼻咽喉科としてあり続けていてほしいと願っています。

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